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日本には原子力推進委員会ができていたようです ~原子力規制委員会が赤旗記者やフリーランス記者を排除 [社会情勢]

 まあ、表題の通りです。
 ネットでは結構騒ぎになっているけれど、大手マスコミは全く無視しているが重大問題なので、私もここでちょっと書いてみることにします。

 2011年3月11日から始まったフクシマ大事故で、全く何の働きもできなかった原子力安全・保安院や原子力安全委員会が「原子力規制委員会」と名を変え改組して出直した・・・はずだったのだが。

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第一報を報じる「しんぶん赤旗」9月26日号

「特定の主義主張 ご遠慮いただく」 原子力規制委が取材規制

 この委員会の広報担当者によると「特定の主義主張を持つ機関の機関紙はご遠慮いただく」として赤旗記者を、「特定の主義主張を持って書かれている方はご遠慮いただいています」とフリーランスの記者を閉め出そうとしているんだそうだ。
 というか現実に閉め出しているワケで。

 大手マスコミは、どうやらその対象外のようだ。

 さて、彼らが言う「特定の主義主張」とは何だろう。

「特定の」主義主張?

 「特定の主義主張」を持たずに報道をしている人や組織などどこにもないことから(*)、ここで問題になるのは「特定の」主義主張という点だろう。
*もし持たなかったら報道は不可能です。情報を取捨選択することができず、垂れ流すだけになりますから

 その「特定の」とは、原発を推進したくって仕方がない思想でないことは明らかだろう。
 少なくともフクシマ事故後は脱原発の主張を明確にし、それ以前も現地の反核運動と連携して、あの福島第一原発の危険性を国会の場でさえも早くから指摘していた共産党。それを排除しようというのだから。

 つまりは「特定の」主義主張とは、原発やこれまでの原子力政策に批判的な「主義主張」と言うことになるのだろう。

 そしてそれを記者会見の場から排除してしまうと言うことは、それは取りも直さず、彼らが原子力政策に批判的な意見を「敵視」していると言うことにもなる。


批判意見を敵視するなら今までと何ら変わらない

 原子力政策を「規制」する委員会が、原子力政策に批判的な「主義主張」を敵視するのなら、それは今まで「原子力ムラ」などと揶揄されてきた勢力、政・官・財・学・報の原子力ペンタゴンと何ら変わらない。
 と言うことは、つまり、原子力規制委員会とは、その実態は「原子力推進委員会」ということになる。

 だから原子力規制委員会に原子力ムラの住人を入れちゃダメだってのに、ホントにいきなりやってくれちゃって、もはや怒りを通り越して笑い話にしかならない。
 ネットでは原子力規制委員会の初仕事が、言論の規制だったなんて揶揄されてすらいる。


あの除染活動は何だったのか

 委員長の田中俊一という人物。フクシマ事故後、自身のこれまでを反省したのか、現地で放射能除染作業に従事している姿が昨年6月の「週刊現代」で好意的に報じられていた。
 だから彼が「原子力ムラ」の住人であるから、規制委員会の長にはふさわしくないという批判に、私はそうでもないんじゃないかなあ、なんて思っていたところもあった。

原子力規制委の取材規制 排除方針は不当 本紙が抗議、撤回求める(しんぶん赤旗9月27日)

“初仕事は報道規制”おかしいぞ!! 原子力規制委 「赤旗」排除に批判広がる(しんぶん赤旗9月28日)

本紙排除 仰天言い訳 規制委 「会見室広さに限り」 あくまで固執の姿勢(同28日)

 そしたらネットでの盛り上がりを見て赤旗が連日この話題を報道している。その中で田中俊一委員長御自らがお出まして、(このたびの赤旗排除は)「政治からの独立が怪しくなる」なんて言っている。

 田中さん、もうあなたは口を開かない方がいい。そもそも収拾のつけられる話ではないのだから、「担当者の勘違いでした」「暴走でした」と言って収めてしまえばいいものを、原子力ムラの感性で余計なことを言うものだから、ますます火に油を注ぐ結果になっている。
 原子力ムラの人たちってどこか狂ってる。批判的意見をパージして内輪で凝り固まっていると、自分のした行為がどんな影響を及ぼすのかについて思いを巡らせられない。だからこんなわかりやすくもバカげたことをやっちゃうんだろうなあ。

 ムラの外にいる私たちは、その異常さが実によくわかる。
 その異常さが昨年3月以降、誰の目にも明らかになったからこそ、原子力規制委員会やら原子力規制庁だのができたはずなのに。結局はこいつらも原子力ムラのメンタリティで動いていることが明らかになったこの事件。少しでもぼんやりしていると、すぐにムラの利権集団が絡んでくる原子力業界。この腐敗ぶりは本当に深刻だ。

 ともあれ批判意見って本当に大事だなあ、と。それを組織に内包させることがどれほどその組織をまともにしてくれるのかを、改めて思わせてくれた一件。

 田中俊一さん、原子力規制推進委員会の皆さん。反面教師になっていただき、どうもありがとうございました。私はあなた方のようにはならないよう気をつけます。

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コメント 4

ayu15

原発そのものは賛否両論ありうちにはわかりませんが、もし仮に再開なら
うちならこう思いますが

過去の反省して
原発監督機関は立ち入り調査権充分与え
いままで危険性してきた人を多数派にします。

推進するエネルギー関係部門とバランス考えて強力な監督がいるからです。


電力会社・政府の責任明記して
「浮遊物だから責任ない」というと処罰??対象に。

除染義務保障義務
因果関係不十分なものに対するものも配慮義務

立地自治体いがいとも協議義務


原発ランニングコスト
以外の原発コストも完全公表

脱原発批判やめて真摯に受け止める。

次事故起こしたら現在の役員から事故時の役員までみんな役員報酬なし。

(原発縮小に積極的になれば別)

すぐおもいつくのはこのぐらいです。



後報道は国民の監視でなく権力(原発も)を監視しましょうね。
by ayu15 (2012-10-01 17:12) 

ponnta1351

Mosel さんの仰っていることに「そうだそうだと」うなずいています。
全くどいつもこいつもです。
単純な疑問ですが原発ゼロにすると言いながら、何故中断してた大間原発の工事を再開するのでしょう?
by ponnta1351 (2012-10-02 17:35) 

Mosel

ayuさん、いつもコメントありがとうございます。

結局、こんなに大きな被害を出しても、原子力に関わる関係者は、被害を如何に小さく見せるかに奔走していただけ。

新しい組織を作っても、そこに昔の利権集団を潜り込ませただけ。批判的な人は初めから排除。記者会見の場ですら、批判意見を排除するのですからどうしようもない。

おっしゃるとおり、脱原発批判やめて、それを真摯に受け止めれば、すぐにでも新しい組織は健全になるでしょう。批判的意見を取り込めば、良くなるんですよ。必ず。
by Mosel (2012-10-03 06:51) 

Mosel

ponntaさん、おはようございます。

これは本当にひどい事件で、委員会に関係する人物が軒並み「原子力ムラ」の住人が問題になっていたと思ったら、批判派を排除するという、メンタリティまで昔のままだったという、あきれた状況です。
この事件に対してマスコミは、脱原発を明確にしている東京新聞が取り上げただけ。同じ脱原発のはずの朝日新聞は、本紙では報じずデジタル版で一報しただけみたいです。

マスコミもかなり異常ですよ。

いやしかし、今が2012年。2030年に原発ゼロにするなら、なぜ新規原発の建設を再開するのか、本当に疑問ですね。数千億円かかる施設を10年足らずで廃止するのでしょうか。これだけでも原発の発電コストを相当に上げることになるでしょうに。

やっぱり原発廃止をどこかでやめるつもりなのでしょうね。政府や官僚連中は。
by Mosel (2012-10-03 06:58) 

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