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社内システムをワンオペするということ [雑想]

これ、ちょっと話題になっていて私も読んだんだけど・・・。


え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?1

 かつては情報システムと言えば戦略的な要素があって、そこへ投資をすることが先進的みたいな風潮が、ごく一部だったかもしれないが、あったと思う。
 それにかこつけてコスト意識の全くない「情シス」部門があることも私はよく知っている。そんなところを見たことがあるから。

 しかし2020年代の今、社内システムってインフラだから、よくわかっていない管理職がコストカットして一時的に自分の評価を引き上げようとする。そんなことがあちこちであるようだ。そんな悲哀を随分ライトに描いているのがこの作品。

 まあ、ワンオペしている人に対して普段は-いなくなられると困るから-適当に褒めるんだけど、いざ「何かしなきゃ」という局面になると、こうして目先の成果につられて意味不明なことをする人というのはいるものだと思って読んだ。

 うん。

 私もよく考えたらかつてはこの主人公のように「ワンオペ」だったなあと思う。

 私はコードを組めないエンジニア(運用管理がメイン。コードはちょっとは読める)だから、主人公のように何か新しいシステムの立ち上げはしなかったけれど、ベンダが電子カルテの設定しかしない状況で、サーバ群やネットワークの構築と保守をしていた。リモートシステムを使って出先から電子カルテを操作できるようにもした。出張先からリモートで1000km離れた病院のオーダーデータを修正したこともあったっけ。もちろん現場の支援もね。
 ベンダの担当者が「行方不明」になるような訳の分からない会社のシステムが動いていたけれど、それを私がカバーして、何とか回しているところだった。私がいなくなってから、その辺は苦労しただろうなあとも思う。
 現在は別のシステムが動いているその病院は、それでも元気に運営はされているようだが。

 私の退職後、転職する人が続出・・まではなかったけど、かつての部署内で病欠者が何人も出て、亡くなった人もいたと聞いた。私が退職してからすぐに、あの人が異動したのはなにかあったのかなあ、と思う事例もあった。

 そうならないように事前の準備はしていたし、退職の情報は半年以上も前に流していたので、これでも随分と軟着陸だったはずだ。設定資料集もまとめてファイルサーバに保存していた。見る人が見ればすぐわかるように。

 でも改めてあれは異常な状況であったとも思う。
 情シスとベンダの無責任、課題の押し付け合い、上層部の力量不足などいろいろな要素がからんであの体制ができていた。そのほころびを私が必死に取り繕ってきた。

 あれから5年。ワンオペなんて本当はガバナンス上非常に悪いことなんだ。でもそんな組織ができてしまったのなら、せめて敬意を払おうよとも思う。
 そして私の場合、そんな人が多かったから10年以上も「ワンオペ」を続けてこれたのだなあと、今しみじみと思っている。
タグ:ワンオペ
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