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日本共産党の中でこれ以上続いてはいけないこと(中) [社会情勢]

田平まゆみ議員と岡田ひでき議員の事案

田平まゆみ元議員のTwitter
田平まゆみ元議員のfacebook

 富田林市議会は2019年改選時点で定数18名の中、共産党議員が2名。議員4期目の岡田英樹氏、議員2期目の田平まゆみ氏の両名である。改選前はベテランの議員がいたが、世代交代で新人にしたところ新人が落選し3名中2名の当選、という経過のようだ。
 ハラスメント被害を訴えている田平氏によると、田平氏2期目、つまり2019年から岡田氏によるハラスメントが始まった。
 内容は典型的(いわゆる「パワハラ」)で日常的に「おまえ」「あいつ」と呼ぶ、他議員に田平氏の悪口を言う、会議日程を伝えず無断欠席したように見せる、街頭演説中に大声で田平氏に「指示」する等々である。

 2023年2月下旬付の「日本共産党大阪府常任委員会」の文書からみると、上記の件に関して田平氏は共産党の地区委員会や大阪府委員会、中央委員会に被害の訴えをしていたようだ。しかし党はなかなか動こうとせず、ようやく2022年11月26日に田平氏にヒアリングし、岡田氏と関係者へ調査を行ったとのこと。
 この時点で田平氏は自身のTwitterでハラスメントに関する情報を発信し始める。内容は共産党に敵対するものではなく、あくまで真実を明らかにするという態度であった。共産党員と思われるアカウントも、多くは彼女を支持しているようだった(*)
 岡田氏は田平氏のみにとどまらず、他党議員らにも同様のハラスメント発言を繰り返しており、かつ田平氏へのハラスメント行為は他の党員も見聞きしており、調査で改めてそれが明らかになっている。
 文書によれば「岡田市議は反省を深めています」とのことである。
(*)後に分かったことだが、共産党中央の見解を垂れ流すアカウントの複数が、田平氏ではなく岡田氏の肩を持っていることも明らかになった

 そして共産党は岡田氏によるハラスメント行為を認定し、岡田氏は自ら共産党の役職を降りた。田平氏によれば、共産党は彼の市議候補公認をしない、無所属での出馬も当然認められない、ということが伝えられたとのことである。

 ここまでは時間がかかったとはいえ、まあいいとしよう。

 その後3月末に岡田氏は共産党を離党してしまった。田平氏によれば離党した岡田氏が無所属で出馬することになっても、共産党組織は支援しないとのことであった。

 その後である。

田平氏は議員候補になれなかった

 2023年4月の統一地方選、富田林市は定数18のまま、日本共産党は候補者を一人しか立てなかった。新人の寺尾氏である。
 富田林市は落選したとはいえ、前回選挙で3名の候補を立て、かつ前々回(定数19名だが)までは3名の議員がいたのである。それが今回公認が1名。
 しかも田平氏は議員継続の意思があった。それをTwitterでも公言していたし、共産党の地区委員会にも伝えていた。

 前回の富田林市での選挙結果を見てみよう。

2019年4月21日 富田林市議会議員一般選挙
票数・候補者名・得票順位
1848・田平まゆみ・13位
1509・岡田ひでき・15位
886・川﨑よしき・19位:落選

2015年4月26日 同選挙
票数・候補者名・得票順位
1723・岡田英樹・14位
1634・田平まゆみ・16位
1630・奥田良久・17位

2011年4月24日 同選挙
票数・候補者名・得票順位
1833・上原幸子・15位
1822・岡田英樹・17位
1730・奥田良久・19位

 過去3回を振り返ると、岡田氏および共産党全体が票を減らす中、田平氏は着実に得票数を増やしていることがわかる。
 つまりは候補者として「試されずみ(共産党用語ですこれ)」なのは田平氏であると言えよう。

 しかし富田林の共産党は何をしたか。

田平氏を意識的に組織から外す

 2023年1月、共産党はあちこちで「新春のつどい」というものを行う。統一地方選の年なので、多くはこの場で議員の候補者をお披露目するのだが、なんとその場で候補者にならないはずの岡田氏が候補者として紹介された。またもう一名は田平氏ではなく新人候補であった。
 田平氏にはこのことは全く知らされていなかった。

 田平氏はこれに抗議し、同年2月に大阪の共産党はこれに対しても「誤った判断」であり「深く反省」し「心から謝罪」した。

 しかし立候補の意思があるにもかかわらず、3名当選させるだけの力量があるにもかかわらず、富田林市の共産党は市議候補を新人の寺尾氏のみ公認とした。

あきれたハラスメント加害者

 岡田氏はというと共産党を離れ無所属議員となり、4月の選挙には無所属で立候補することになった。

 そして彼が候補者活動を始めた4月初旬、驚くべきことが現地の共産党関係者によって明らかになった。
・岡田氏の選挙事務所は、富田林市の「生活と健康を守る会(共産党に近い組織)」と同じ建物

・岡田氏の選挙事務所横断幕の下には、富田林市の「新日本婦人の会(これも共産党に近い組織)」の横断幕がもともとあり、彼の横断幕で隠されていた

・現地の地区委員会で寺尾氏の活動地域と、離党したはずの岡田氏の地域が設定された地図が張り出されていた

・岡田氏の立候補第一声には、岡田氏を支援する共産党員や支持者が集まっていた

・立候補演説で岡田氏は「パワハラはとんでもないデマ」「マスコミで、新聞にもウソの報道が一方的に載せられた」「いろんなデマを流されてマスコミもそれに乗っかって報道するという変な事態の中で起こっている選挙」と明言した


そして選挙 岡田氏の落選

 2023年4月23日、富田林市市議会議員選挙の結果である。共産党の寺尾氏は2119票で6位。岡田氏は前回よりさらに減らして1246票であった。
 彼は最下位同数でくじ引きとなり、あえなく落選した。「お天道様は見ているぞ」という言葉にふさわしい結果であった。

 富田林市の共産党得票数は岡田氏の票も入れると3365票。得票率8.5%と前回より14%も減らす惨敗であった。(もちろん岡田氏は無所属候補なので、純粋な共産党票はもっと少ない)

 田平氏のTwitterによれば、選挙後、富田林市の共産党の会議で参加者から「岡田さん通せず残念」「通ればわだかまりは無くなった」「今回のやり方は良い例」「中央委員会や府委員会から岡田支援は処分されないと確認した。会派を組む事もあれほど約束した」との発言があったとのこと。
 自ら党の体力を減らして、彼らは何も反省していないのである。

 そして5月。落選した岡田氏は、印刷会社に依頼し『"パワハラ問題"の「経緯」と「真相」』なるものを1000部も印刷し、支持者らに配布した。その内容はこの間の「反省」や「謝罪」など全くなかったかのように、パワハラなどしておらず田平氏に問題があると、自身の正当化するだけのものであった。
 この文書は7月に田平氏も入手してTwitterで公開し、全国に明らかになったのである。

岡田氏のハラスメント隠蔽文書を明らかにした田平氏のツイート

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