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原子力規制委員会は「言論規制委員会」だったようです。 [社会情勢]

 前エントリで原子力「規制」委員会の醜態を書いた直後、結局共産党の「しんぶん赤旗」取材拒否は解消されたらしい。そりゃあれほどまでに残念な醜態ぶりを続けていれば、いずれは赤旗らの取材容認は時間の問題だっただろうけれど。
 公的機関における記者会見がどのような意味を持つのかということに、全く理解が及ばない組織が原子力関係ということで、取りあえず彼らの非常識ぶりが再確認されたこの事件。

 いや、一件落着したと思っていたら全然そんなことなかったというのが、11日付の赤旗にちょっと掲載されていたので、続報を。

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原子力規制委 会議傍聴席に公安警察同席(しんぶん赤旗2012年10月11日)

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原子力規制庁 市民監視を強化 長官は元警備・公安幹部(しんぶん赤旗2012年10月12日)

Our Planet-TVでも10月10日付で同様の記事を掲載

原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請(Our Planet-TV)
 委員会10分ほど前に、傍聴者の数人が警察が監視していることに気づき、「あなたは誰ですか?何をしているのですか?」と詰め寄ったところ、「規制庁の要請で来ている。それ以上、話す必要もない」と回答。OurPlanetTVに対して、撮影をやめるように声を荒げた。市民は「何のための警戒なのか」「一般市民の知る権利を侵害してる」と廊下まで出るように求めたが、警察は「自信を持って仕事をしている」と応酬し、一時、押し問答となった。(引用終わり)

 原子力規制委員会が定例会議の傍聴席に、自ら頼んで公安警察-日本のスパイ組織-を同席させていたとのこと。そしてそれが発覚してからも、彼らは一切悪びれる風でもなく、「平穏に会議を行うため」などとうそぶいている。

 「平穏に会議」?警備のことだろう?それなら一般的なガードマンで十分ではないか。なぜ公安警察なのだ?

公安警察に傍聴者を監視させる原子力ムラ

 このことが何を意味するのか。つい最近赤旗が報じて改めて発覚した事件、私も以前のエントリで取り上げた、公安のスパイ事件から考えてみたい。

日本のスパイ組織はどこを向いているか~自衛隊情報保全隊の監視活動がリークされた

 公安警察をなぜ呼ぶのか。上記記事からわかると思うが、原子力規制庁は、公安警察に情報収集を依頼している、それが目的で公安を配置している、と言うことだ。

 公安警察に傍聴者を監視させ、情報収集して会議主催者へ報告する。現状それ以外の目的はおそらくはない。「警備」とも関係なかろう。
 「平穏に会議」する、そのために傍聴者情報を収集し、どのような人物が来ているか監視する。原発反対派と彼らが見なした人物が出入りしているようであれば、以前しんぶん赤旗を排除したように、難癖をつけて傍聴者から排除する。
 そしてその情報は、今後様々な場面で活用される。状況によっては原発に関連する運動の中で、違法に逮捕弾圧する道具にも使われる。

 今、原子力規制庁・規制委員会がやっていることは、その準備段階ということだ。情報収集とはそういうもの。これはつまり、原子力規制庁や規制委員会が人民一般を敵視している、ということに他ならない。

電力業界・原子力規制庁「原子力ムラ」は人民敵視をやめカルトから脱せよ

 彼らは、なぜこんなことをして平然としていられるのか。
 私が思うに、それは自分たち以外のまわりが、すべて敵だと考えているからなのだろう。上記Our Planet-TVにも以下の表記がある。
田中委員長
「実はこの規制委員会、私自身がいろんな方からご注意受けているのですが、1人で歩かないようにとかね。いろんな方がまだ、落ち着いていない状況もあるので、そういうことを事務方がご心配されたんだと思うんです。(以下略。とんでもない妄想だ。)」
 まわりがみんな敵だから、開かれた場では自分らを「守ってくれる」ガードマンが欲しい。
 だからこそ警察や公安スパイなどが必要と考えてしまうのだ。

 10年ばかり前、昔働いていた職場で、家族が電力会社の社員という同僚がいた。その人物、原子力関係にも関わっているということだった。その同僚は言っていた。「(家族は)マスコミが書く原子力のことはウソばっかりだと言っている」と。
これは原発マネーで骨抜きにされたマスコミが、原子力礼賛記事を書いていることを揶揄したセリフではない。チェルノブイリやJCO核事故などで原子力に批判的な記事のことを言っているのだ。
 今思うに、あれほど金をバラ巻いて、当時からマスコミを牛耳っていた原子力ムラの状況があったはずなのに、内部の人間のメンタリティとはこんなものだったのかもしれない。

 なんだか「テロ」を恐れる10年前の北米合州国のファンダメンタリスト、終末思想を信じるオウム真理教、様々な謀略論を信じる一部の人々みたいだ。
 これはつまり、カルトの思考様式と言える。

 だから私は言いたい。
 原子力規制庁・委員会、そして原子力ムラ住民よ。あなた方はカルトだ!今あなた方がするべきはまず人民敵視思考を捨てカルトから脱することだ。できないなら直ちに退場したまえ。

 そのメンタリティが今まさに、フクシマ事故を発生させてしまったのだから。

 批判的(と原子力ムラ住民が考えた)意見に一切耳を傾けず、国会審議での警句すら無視したために、フクシマ第一原発での過酷事故が発生してしまった。
 そしてその事故は今も継続中なのだから。

 もう私たちには、彼らの失敗をまたなぞる余裕などないのだから。原子力事故をもう発生させてはならないのだから。

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コメント 4

ponnta1351

コアヌードル、ちっとも痛くないですよ~!

この頃腹立つことばかりで、TVに向かったり、新聞読んで居ても「ッザケンジャナイ!!」「って叫んでばかり。

どいつもこいつも、あれもこれも信用できない。
復興支援のお金も肝心なところで使われないで、とんでもない所で使われているらしい。

津波や地震は自然災害、それでも大変なのに、あの原発のお蔭で家族バラバラ、仮設住宅、放射線の恐怖。

これから先チェルノブイリの例が出始めるかと思うと、ホンットニ!!バカ等は何やってんだ~~!
スミマセン ペコ...m(o´・ω・`o)m
by ponnta1351 (2012-10-13 11:43) 

Mosel

ponntaさん。いつもありがとうございます。

原発のために復興も遅れているし、放射能の評価をめぐって争いも起きているし、本当にどうしようもない状況をフクシマ事故はもたらしました。
福島県の子どもたちの甲状腺検査も一部結果が公表されましたが、当初「安全」などと言われていた状況からはほど遠い、驚愕の結果が出ています。

これから経過をじっくりと見ていかなければなりませんが、何があっても「放射能との関連は認められなかった」と言われそう。

その上、復興予算もシーシェパード対策やら、自衛隊の装備強化やらに使われるって言うんですから、どうしようもない行政ですね。恥ずかしくないのか、と言うか。
by Mosel (2012-10-14 08:59) 

ayu15

敦賀では機能したみたいですね。
by ayu15 (2012-12-14 10:04) 

Mosel

そう。敦賀では機能したようですね。そして今は東通が焦点になっています。
まあこれほどまでにあからさまな活断層だったからというのもあるんでしょう。

今までの安全指針はなんだったのか、原発のあり方そのものが問われる中身ですね。法律や基準を守る気がない、守れなくなったら法律を変えてしまう、それが原発、そして原発事故後の彼らの対応です。
by Mosel (2012-12-15 07:44) 

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