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年末年始は ~ 都立小児総合医療センター [雑想]

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エントランスはまるでおしゃれなカフェのよう

 年末31日は、いつも年明け用の食料品を買い出しに出かける。立川のいくつかのデパ地下で買い物。大変な雑踏の中をかき分けながらだが、私はそんな感じが結構好きなのだ。

突然の急変から救急車へ

 午後7時頃に帰宅。そしてもう一度近所のスーパーで最後の買い出しを済ませる頃、下の子、うりの様子がおかしいと電話があった。ほんの10分前は普通に寝ていたし、デパ地下に行く前は元気に外で走り回っていたのに。

 帰ってみるとうりの意識がない。呼吸もおかしい。妻は熱はなかったと言っていたが、熱性痙攣だろう。直ちに救急車を呼ぶよう指示するが、妻はあたふたするばかりで結局私が呼んだ。
 吐瀉物を誤嚥したのか、吸気も排気もゴロゴロと激しい音がする。目を見開いて必死に呼吸しているが、次第に顔面蒼白になって、チアノーゼ状態になっている。まず呼吸をなんとかしないと窒息する、と思い、うつぶせにして腹を抱えて持ち上げつつ、背中をさすっていると、ようやく落ち着いてきた。最悪の事態は避けられそうだ。

 救急車は電話から10分弱で到着。直ちに車内で酸素10L/mで吸入開始。酸素飽和度が70%を切っていた状況から、程なくして90%台まで回復した。2次、2.5次救急を飛ばして、いきなり3次救急にコンタクト。5分くらいして受入れ体制が整ったようで、病院に向けて出発した。

 家族全員で救急車に乗り込む。仕事柄救急車を見ることは多いが、実は乗るのは初めて。隊員が安全確認をしながら進んでいき、10数分で病院到着。昨年3月に開設した東京都立小児総合医療センター、以前の都立府中病院の敷地にある。搬送中、うりの意識レベルはJCS200と隊員が報告。完全に意識がない状態。


小児総合医療センター

 救急外来では隊員がストレッチャーで子どもを搬送する。医師と看護師が外に出て案内してくれ、中に入ろうとするとドアが開かない。セキュリティロックがかかってしまったようで、院内の職員が慌てて開けてくれた。みんなで苦笑する。
 子どもの痙攣は続いていたようで、ドルミカムを点滴ルートから2本注入し、ようやく収まったようだった。誤嚥もしていたのか、吸引びんには赤茶けた液体が結構入っていた。茶色なのは多分、血液よりはチョコレートが原因だろう。

 9時頃にはうりの目が覚めた。けれどしゃべれない。小さい体にドルミカムを2本(シリンジの残薬から考えると1.5本くらいだったかな)も打ったから当然か。指さししていたから私たちのことは判別できている。耳も聞こえているということだ。
 しかし、5-10分くらいで収まる熱性痙攣が都合30分くらいも続いていたということで、経過観察も含めそのまま入院することになった。

 病棟は一般病院のような「3階西」とか「6A」とかいう感じではなく、丘(5階)、森(6階)、空(7階)という名称だった。これはいいセンス。フロアの各所にICロックがあって、ICカードがないと入退室できない構成になっている(だから救急の職員も閉め出された)。面会者は1階の守衛からICカードをもらってくる。泊まりの場合は翌日返却も可だそうだ。

森に入院

 入院部屋は個室だった。2床部屋を個室にした立川相互病院の小児病棟並みに広い。しかもシャワーとトイレもある。入院契約書にサインしていくと、個室利用の契約書がないことに気づく。個室利用だが個室料金を取らないのだ。
*医療上の必要性から個室を利用した場合、個室料金の徴収は本来できない。だから患者希望による個室利用とするために、患者に有無をいわせず契約書を書かせる病院が多い。
 その代わりトイレとシャワーは使用できない。ここは個室希望の人のみ利用できるのだそうだ。

 当日は私が付き添うこととして、付き添い者用の折りたたみベッドを借りた。これは有料。別会社によるレンタルとのことで、一泊900円かかる。あ、同じベッドだ、と思う。実はこの折りたたみベッド、私の職場でも全く同じ物を使っていて、届いたときに私が組み上げたのだ。2万円強で買えるベッド。寝心地は悪くない。

入院生活

 立川相互と違って、病室で食事をしてはいけないのだそうだ。食堂があって、子どもが寝たときを見計らって、そこで食事をする。患児も食堂で食事する。入院生活のいいアクセントになって、うりはうれしそうだった。
 プレイルームの窓からは富士山が見える。新年三が日、毎朝富士山がきれいに見えた。けれど9時頃になると必ず雲がかかっている。なぜだろう。


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携帯のカメラなので・・こんな感じに朝日を浴びた富士山が見える

 食事などは1階にあるローソンでいろいろと買うことができる。低出生体重児用のおむつが売られているところがいかにもな感じ。公立病院だが、いろいろな外部業者が入っていて、独立採算を求められているのだな、と思う。受付/会計の事務はニチイ学館だった。

うりの状況

 うりは妻が帰った深夜から、少しずつ声も出るようになった。点滴で補液を入れていたので、食事はしていない。翌朝にはもう元気になって、おなかが空いたと言い出す。そんなわけで昼から通常の食事も開始になった。食欲旺盛でもりもりと食べる。2日には熱も完全に下がった。
 1日は妻と付き添いの交代。上の子は実家に預けた。2日午後にまた交代すると、うりはママ、ママと言って泣き始める。いつものこと。Emobileを使って通信すると怒られそうな雰囲気だったので、これを使う。

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モンハン3rd仕様のPSPでイカ娘を流す バッテリーの持ちが良いのです

 自宅のPS3とTorneで録画した「侵略イカ娘」をPSPに転送。それを見せるとすぐに泣き止む。うりはイカ娘が大好きなのだ。

 2日夕方になって、うりは家に帰りたいという。翌日の退院が決まっていたので、我慢してくれた。おとなしくしていたのでローソンに買い物に行ったら、帰ってくると大泣きしてちょっとゲロを吐いている。うりは怒ると嫌がらせでゲロを吐く。やっぱり心細いのだ。
 翌3日、予定通りに帰宅する。いつもと変らない生活。無事で良かった。

職員の接遇

 以前入院した立川相互病院の職員対応も非常に良かったが、小児医療センターは、医師、看護師、放射線技師や事務(ニチイ学館)に至るまで、もうびっくりするくらい、実に丁寧な対応をしてくれた。救急車で患児が運ばれた家族の不安を打ち消すためか、穏やかな話しぶりで、一方で説明は簡潔でムダがない。かといって素っ気ない印象は受けない。この接遇は非常に参考になった。

 正直なところ、都立府中病院は職員の姿勢について、あまりいい評判を聞かない。実際一昨年末にうりが受診した折、職員の対応にはばらつきが大きかった。そういえば昔介護保険の指導に来た、非常に横柄な態度の都職員は「都立府中の元事務」とか言っていたっけ。だから大きなギャップを感じた。別の文化が入ってきたか。というのも・・。

 この小児総合医療センターは、昨年3月に開設した。その一方で八王子、清瀬、梅ヶ丘(世田谷)にあった都立の小児病院3棟が閉鎖。各地で大きな反対運動が起こり、2009年の都議選で、民主党はじめとする移転反対派が都議会過半数を占めた。その後の経過は、この施設ができていることからもおわかりと思う。

 民主党が裏切ったのだ。

 真新しい都立病院の建物を見つつ、東京都政を考えれば、現在の民主党政権のていたらくが予想できた、というもの。

 私の家からは、この小児医療センターは大変近い。自転車で15-20分の、私の職場よりも近いのだ。日本は病院が非常に多く、また小児医療に携わる人が少ない。そんな特殊性から、医療資源を一カ所に集中するという考えも分からなくはない。
 しかし以前都立小児病院各院の診療圏だった人たち、特に重い病気を患っている人たちのことを考えると、これで良かったのだろうか、と常に思う。救急外来で「清瀬小児病院」の名が入ったユニフォームを着ていた人を見て、ますますそう思った。

 新年早々、いろいろなことを考えさせられる事件だった。
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ponnta1351

年末から大変でしたね。うりちゃんはもうすっかり良いのですか?
小児科医が不足している事も含めて、問題が有りますね。
私も娘が喘息が有ったので、小児科には長い事お世話になった事が有るので、小さいな子供を持つ人たちの事がよ~く分かります。
病院には近いことが一番です。そこには主治医が居ること。
子供も年寄も切実な事ですよね。
by ponnta1351 (2011-01-20 12:16) 

Mosel

いつもありがとうございます。うりは今は非常に元気です。というか入院2日目にはもうかなり元気でした。月末に脳波検査を受けますが、そこで異常が出たら、てんかんなどの病気を疑い観察することになるのですが。
都市近郊で団地が多く、若年人口も大きい土地に住んでいることもあり、私の近所には小児科医は多いです。しかし救急体制となると都立病院くらいしか選択肢はないようです。10年以上前から小児科医不足が深刻なことは、政府も含めて認識しているはずですが、全体的な医師不足に加え、小児患者(というか親)への対応の困難さや診療報酬の改善が少ないことなどがあるためか、小児科医不足が改善しているという話しはあまり聞かないように思います。
今回の件では、いろいろ考えさせられました。
by Mosel (2011-01-20 16:39) 

batta

今年のこの寒さ
ビックリ展開が多そうです。ご家族ともどもどうかお気をつけて…
(^_^;)
by batta (2011-01-21 21:31) 

Mosel

こんばんは。
今年はいつもと違ったことが多くて、いつも驚かされます。大事には至らないので、その辺をまだ楽しめる余裕は残っておりますが。
先日、また変わった体験をしましたですよ。今度そのことを書く予定です。
by Mosel (2011-01-22 00:25) 

お好み焼き屋のおばちゃん

はじめまして!ご訪問ありがとうございました。

先日、孫のS君(3歳)も、保育園で3分間の熱性痙攣をおこしました、ママが不在で、ばあちゃんがお迎えに行き、そのまま日赤へ直行でした・・・大事にいたらなかったのですが、風邪を引くたびに心配です。


by お好み焼き屋のおばちゃん (2011-01-27 14:45) 

Mosel

ご返信恐れ入ります。
熱性けいれんはびっくりしますね。しかも親が不在とは、ますますご苦労お察しいたします。
ウチのところは通常のけいれんだけなら良いのですが、長引いたので柄にもなく心配してしまいました。でも熱性痙攣のほとんどは一度きりで済むそうですから、おおらかに見守っておりますが。
by Mosel (2011-01-27 23:18) 

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