国勢調査がやってきた [雑想]
今年2010年は国勢調査の年とということで、５年ぶりに調査員が来訪する。私が今の家に来て５年。家族も増えて４人になった。
今回から郵送回収やインターネットでの回答も可能になった。便利になったものだ。
さて、私は病院で働いているけれども、国勢調査は同一地に３ヶ月以上居住している人が対象になる。つまり入院患者は「病院に居住している」という扱いになるから、病院に調査員が来て調査票を置いていく。
しかし当院、ADL（日常生活動作）全介助の患者が入院患者の６割。つまりは病院が調査しなければならない、ということだ。
そんなわけでいろいろ工夫しながら取り組んでみる。月初の、しかも上半期決算もある面倒な日というのに・・。
様々兼任しているとはいえ、事務職員は私しかいないので、各部署と協力しながら私がその作業をしなければならない。調査票をそのまま渡すわけにもいかず、患者家族への聞き取り用紙を別途作成し、職員に聞き取るよう依頼する。それを回収して転記。100床の病院なので対象者は50人以上にもなる。
病院や施設に３ヶ月以上入院・入所している患者は、一人で一世帯を構成していると見なされる。調査票１枚につき一人記入。入院患者は必ず「世帯主」。「居住期間」は入院期間。入院しているから仕事の欄に書くところはない。未就業の理由は「その他（幼児・高齢など）」。
・・この調査、設問から見て、就業年齢の人は働いているか求職していることが前提なのね。
患者に聞かなければならないことは以下４つ。
１．国籍
２．配偶者の有無及びその転帰
３．５年前の居住地
４．最終学歴
さて、入院患者にこれらを聞くのは大変困難。入院患者の平均年齢は85才。６割がADL全介助。意思表示できない人も非常に多いし、認知症でなくとも、この年齢になると５年前の記憶は怪しく、ましてや最終学歴など覚えていない人も多い。
それで家族に質問するが、親ならともかく祖父母の学歴になるとイマイチはっきりしない。
最終学歴が「中学校」とあるから「小学校・中学校」にチェックしようとしてはたと気づく。この人88才じゃん！旧制中学だからチェックの場所が違う。
「高等女学校」と答える人もいた。同封の説明書を読むと、「旧制中学」と同じ扱いのようだ。
それでも分かる人はまだいい。100才の患者に「最終学歴は？」って聞いても「どうだったかねえ」。家族に聞いても「いや～、80年も前のことはちょっと・・」。
さあ困った。
どうしても分からない項目は未記入にして、とりあえず提出する。まあ、仕方ない。
３ヶ月以上の入院者は、病院で調査票を提出することが周知されておらず、知らずに家族が書いて提出してしまったところもあった。
当院に文書などで依頼があったわけではないし、そうすると統計法上、実務含め国勢調査に答えなければならないのは入院患者で、極端な話、病院側は調査員に依頼して、対象患者に調査用紙を配布させ回答を待つ、というのでも良いのだ。
ただ私は国勢調査の意義を考えると、積極的に協力すべきと思い、このようにしてみた。前回５年前はどうしていたんだろう。５年前にいた職員も、全員が「記憶にない」と言っていたから、適当にやっちゃったかな。2005年10月って介護保険法の改悪で、病院がメチャメチャになっていた時期だから。
調査員には賃金が支払われるけど、実質調査を実施する私たちにはホントに一銭も入らないから、そりゃ後回しになるだろうなあ。
回収率を上げたいのなら、この辺何とかした方がいいと思うんですけど。
・・・・・
調査票を書いていて思った。明治43年生がもう100才。次回の調査で元号「明治」は全員100才以上になるわけだ。
もう2010年ですものねえ。「坂の上の雲」みたいな明治美化も、むべなるかなという感じですかねえ。
今回から郵送回収やインターネットでの回答も可能になった。便利になったものだ。
さて、私は病院で働いているけれども、国勢調査は同一地に３ヶ月以上居住している人が対象になる。つまり入院患者は「病院に居住している」という扱いになるから、病院に調査員が来て調査票を置いていく。
しかし当院、ADL（日常生活動作）全介助の患者が入院患者の６割。つまりは病院が調査しなければならない、ということだ。
そんなわけでいろいろ工夫しながら取り組んでみる。月初の、しかも上半期決算もある面倒な日というのに・・。
様々兼任しているとはいえ、事務職員は私しかいないので、各部署と協力しながら私がその作業をしなければならない。調査票をそのまま渡すわけにもいかず、患者家族への聞き取り用紙を別途作成し、職員に聞き取るよう依頼する。それを回収して転記。100床の病院なので対象者は50人以上にもなる。
病院や施設に３ヶ月以上入院・入所している患者は、一人で一世帯を構成していると見なされる。調査票１枚につき一人記入。入院患者は必ず「世帯主」。「居住期間」は入院期間。入院しているから仕事の欄に書くところはない。未就業の理由は「その他（幼児・高齢など）」。
・・この調査、設問から見て、就業年齢の人は働いているか求職していることが前提なのね。
患者に聞かなければならないことは以下４つ。
１．国籍
２．配偶者の有無及びその転帰
３．５年前の居住地
４．最終学歴
さて、入院患者にこれらを聞くのは大変困難。入院患者の平均年齢は85才。６割がADL全介助。意思表示できない人も非常に多いし、認知症でなくとも、この年齢になると５年前の記憶は怪しく、ましてや最終学歴など覚えていない人も多い。
それで家族に質問するが、親ならともかく祖父母の学歴になるとイマイチはっきりしない。
最終学歴が「中学校」とあるから「小学校・中学校」にチェックしようとしてはたと気づく。この人88才じゃん！旧制中学だからチェックの場所が違う。
「高等女学校」と答える人もいた。同封の説明書を読むと、「旧制中学」と同じ扱いのようだ。
それでも分かる人はまだいい。100才の患者に「最終学歴は？」って聞いても「どうだったかねえ」。家族に聞いても「いや～、80年も前のことはちょっと・・」。
さあ困った。
どうしても分からない項目は未記入にして、とりあえず提出する。まあ、仕方ない。
３ヶ月以上の入院者は、病院で調査票を提出することが周知されておらず、知らずに家族が書いて提出してしまったところもあった。
当院に文書などで依頼があったわけではないし、そうすると統計法上、実務含め国勢調査に答えなければならないのは入院患者で、極端な話、病院側は調査員に依頼して、対象患者に調査用紙を配布させ回答を待つ、というのでも良いのだ。
ただ私は国勢調査の意義を考えると、積極的に協力すべきと思い、このようにしてみた。前回５年前はどうしていたんだろう。５年前にいた職員も、全員が「記憶にない」と言っていたから、適当にやっちゃったかな。2005年10月って介護保険法の改悪で、病院がメチャメチャになっていた時期だから。
調査員には賃金が支払われるけど、実質調査を実施する私たちにはホントに一銭も入らないから、そりゃ後回しになるだろうなあ。
回収率を上げたいのなら、この辺何とかした方がいいと思うんですけど。
・・・・・
調査票を書いていて思った。明治43年生がもう100才。次回の調査で元号「明治」は全員100才以上になるわけだ。
もう2010年ですものねえ。「坂の上の雲」みたいな明治美化も、むべなるかなという感じですかねえ。
確かに高齢の方は大変ですね。それにすごい税金が使われるんですよね。私も何とか書いて送付しましたけど。お疲れ様です。
by ponnta1351 (2010-10-11 15:56)
写真ではわかりにくいんですが、調査票を積み上げると結構な厚さですよ。しかし調査票を転記したり、実際に入院患者に直接聞いてみたりすると、人それぞれ人生を背負っているんだなあ、と今更ながらに感慨深いものがありました。
費用はかかるでしょうが、ホームレス含めた包括的な統計調査ですから、重要性は感じています。
by Mosel (2010-10-11 18:33)
始めて調査員になりました。不在家庭が多くまた雨続きで
苦戦しています(＾◇＾)。
いまインターネット案内配布ですが高齢者家庭ではパソコン
の無いところが多いですね。
by accohino (2015-09-08 10:08)
accohinoさん、はじめまして。
そういえば今年は国勢調査の年ですね。ここ10年くらい、個人情報保護法の影響もあるのでしょうが、国勢調査に答えない人が多くなったと聞いたことがあります。
昔厚労省の統計調査が来たとき、「根拠のない調査には協力しない」なんて言ったバカ医者がいました。「統計法」なんてほとんどの人が知らないですからね。
頑張ってください。
by Mosel (2015-09-09 06:50)