民主党300議席超なんてちょっとおかしいと思うわけよ [社会情勢]
民主党が300議席を超えそうだという今回の衆院選の事前予想があちこちで出ている。自民党との支持率の差は10ポイント程度。そして民主党の支持率は30%台な状態で。
なぜに７割近い議席を獲得しちゃいそうな勢いなんだろう。
それは言うまでもなく小選挙区制のなせる技。
93~94年くらいにかけて、政界汚職に端を発した「セイジカイカク」なる大号令が巷を席捲し、結局腐敗は全くなくならないばかりか、その「セイジカイカク」の集大成として登場したのが「小選挙区比例代表並立制」という現行制度。
上からの「改革」なるものが、結局人民に何の利益をもたらさないのは、こないだの「コイズミカイカク」なるもので、皆さん痛いほどよくわかっていると思う。
そしてこの「セイジカイカク」をうまく利用し「郵政民営化」を旗印に「コイズミカイカク」の集大成として05年の選挙で何が起こったか、300議席の「暴力」が吹き荒れ、議会制民主主義が徹底的に蹂躙されつくした４年間。この衆議院の顛末は何によってもたらされたのか、それが95年初頭に成立した「小選挙区制」であることは言うまでもない。
かつて自民党が政権を独占し続けていたあの頃、選挙制度に関わって様々な議論がわき起こった。小選挙区制を唱える論客は口々に「小選挙区は政権交代をもたらす」と言っていた。自民党の長期政権を終わらせるために小選挙区制を、と。「政権交代」という一言で、左派やリベラルの一部－筑紫哲也など－も小選挙区制導入に一役買った。
大きな違和感を覚えた。それは簡単な定義からだ。
選挙制度はいったい何のためにあるのか
そう、選挙制度は、代議制民主主義においては、民意を議会に正確に反映させることだ。その党や候補者が獲得した票と同じ割合だけ、議会に議席がなければならないはずだ。
なのになぜ、民意を極端にブレさせる「小選挙区制」が政治改革の本丸にならなければならない？
小選挙区制導入で最も危ぶまれる問題は、金権政治の横行、少数党の消滅といわれていた。
少数意見の圧殺は民主主義を根幹から揺るがす。民主主義の危機だ。当時創刊準備号を発刊していた「週刊金曜日」は、そんな状況なのに特集を組まない。立ち上げに積極的に関わった私の友人たちが、編集部へ投書を行う。そしてようやく創刊準備号の最後に小選挙区制反対の特集が載った。
しばらくして当時編集委員をしていた筑紫哲也が小選挙区制擁護の論陣をコラムで張り始めた。友人の幾人かが批判の投書を行った。編集部から回答「筑紫批判の部分をカットすれば投書の掲載を認めます」と。友人は当然激怒。筑紫はこんなやつだったのか、と。
・・・・・
「政権交代の可能な制度」としての小選挙区制を、なぜか政権党がこの間一貫して推進してきた。93年総選挙。「中選挙区」制度下で「政権交代」が実現し、自民党は下野した。結果何が変わった？そう、何も変わらなかった。いやそれ以上に・・。
95年、まだ大政党だった社会党元委員長の土井たか子がとりなし、件の「小選挙区比例代表並立制」が成立した。
腐敗をなくすためにセットで設けられた「政党助成金」は、政界浄化に何の効果ももたらさず、96年からの選挙で、支持率にかかわらず少数政党は順調に淘汰されていった。
民意の極端化による極端な議席配分の結果、ここ４年間で何が行われたかはあえて書くまい。
また愚かな選挙結果が繰り返されようとしている。私は民主党に全幅の信頼は置けない。ファシストっぽいのもいれば、新自由主義者もいる。日和見もいればよくわからない連中もいる。
それでも自公政権が退場すればいいという人もいるだろう。そう思う。しかし、単なる政権交代では何も変わらないばかりか、利害関係がない分、自民党を上回る悪政が行われることを、我々は93-94年の「非自民連立政権」で体験済みだ。
彼らはさっそく「政治のスリム化」を旗印に比例代表180議席を廃止するだろう。それには自民党も同調する。かくして93年、米輸入自由化を成し遂げたときのように、自民党の念願、完全小選挙区制が実現する。
次の選挙で民主党はもう持つまい。すれば自民党の天下が永続する、と言うのは悲観的に過ぎるか。
少数政党へ投票しよう。大丈夫。ほっといても民主党は大勝ちするさ。少数政党を大きくして、民主党のチェック機関として活躍してもらいましょう。
私は上記の経過から、土井たか子がいた社民党をあまり信用していないので、共産党に投票することにする。まあこの間ずっと共産党に投票しているが。
＊＊
前から思うんだけど、政権交代はしなきゃ、でも国会議員は多すぎる、てな人がいる。そんな人に最適な制度をお教えしよう。
２人の代議員（5人とか100人とかでもいい）を適当に選んで政権を担当させる。何年かに一度定期的に交代する。以上。
金もかからず、政権交代もありだ。
あなたの目的は見事に達成。満足かな？
国会や地方議会の議席を減らしてスリム化しようなんて意見の究極は、ここに行き着くのだよ。バカバカしい。
なぜに７割近い議席を獲得しちゃいそうな勢いなんだろう。
それは言うまでもなく小選挙区制のなせる技。
93~94年くらいにかけて、政界汚職に端を発した「セイジカイカク」なる大号令が巷を席捲し、結局腐敗は全くなくならないばかりか、その「セイジカイカク」の集大成として登場したのが「小選挙区比例代表並立制」という現行制度。
上からの「改革」なるものが、結局人民に何の利益をもたらさないのは、こないだの「コイズミカイカク」なるもので、皆さん痛いほどよくわかっていると思う。
そしてこの「セイジカイカク」をうまく利用し「郵政民営化」を旗印に「コイズミカイカク」の集大成として05年の選挙で何が起こったか、300議席の「暴力」が吹き荒れ、議会制民主主義が徹底的に蹂躙されつくした４年間。この衆議院の顛末は何によってもたらされたのか、それが95年初頭に成立した「小選挙区制」であることは言うまでもない。
かつて自民党が政権を独占し続けていたあの頃、選挙制度に関わって様々な議論がわき起こった。小選挙区制を唱える論客は口々に「小選挙区は政権交代をもたらす」と言っていた。自民党の長期政権を終わらせるために小選挙区制を、と。「政権交代」という一言で、左派やリベラルの一部－筑紫哲也など－も小選挙区制導入に一役買った。
大きな違和感を覚えた。それは簡単な定義からだ。
選挙制度はいったい何のためにあるのか
そう、選挙制度は、代議制民主主義においては、民意を議会に正確に反映させることだ。その党や候補者が獲得した票と同じ割合だけ、議会に議席がなければならないはずだ。
なのになぜ、民意を極端にブレさせる「小選挙区制」が政治改革の本丸にならなければならない？
小選挙区制導入で最も危ぶまれる問題は、金権政治の横行、少数党の消滅といわれていた。
少数意見の圧殺は民主主義を根幹から揺るがす。民主主義の危機だ。当時創刊準備号を発刊していた「週刊金曜日」は、そんな状況なのに特集を組まない。立ち上げに積極的に関わった私の友人たちが、編集部へ投書を行う。そしてようやく創刊準備号の最後に小選挙区制反対の特集が載った。
しばらくして当時編集委員をしていた筑紫哲也が小選挙区制擁護の論陣をコラムで張り始めた。友人の幾人かが批判の投書を行った。編集部から回答「筑紫批判の部分をカットすれば投書の掲載を認めます」と。友人は当然激怒。筑紫はこんなやつだったのか、と。
・・・・・
「政権交代の可能な制度」としての小選挙区制を、なぜか政権党がこの間一貫して推進してきた。93年総選挙。「中選挙区」制度下で「政権交代」が実現し、自民党は下野した。結果何が変わった？そう、何も変わらなかった。いやそれ以上に・・。
95年、まだ大政党だった社会党元委員長の土井たか子がとりなし、件の「小選挙区比例代表並立制」が成立した。
腐敗をなくすためにセットで設けられた「政党助成金」は、政界浄化に何の効果ももたらさず、96年からの選挙で、支持率にかかわらず少数政党は順調に淘汰されていった。
民意の極端化による極端な議席配分の結果、ここ４年間で何が行われたかはあえて書くまい。
また愚かな選挙結果が繰り返されようとしている。私は民主党に全幅の信頼は置けない。ファシストっぽいのもいれば、新自由主義者もいる。日和見もいればよくわからない連中もいる。
それでも自公政権が退場すればいいという人もいるだろう。そう思う。しかし、単なる政権交代では何も変わらないばかりか、利害関係がない分、自民党を上回る悪政が行われることを、我々は93-94年の「非自民連立政権」で体験済みだ。
彼らはさっそく「政治のスリム化」を旗印に比例代表180議席を廃止するだろう。それには自民党も同調する。かくして93年、米輸入自由化を成し遂げたときのように、自民党の念願、完全小選挙区制が実現する。
次の選挙で民主党はもう持つまい。すれば自民党の天下が永続する、と言うのは悲観的に過ぎるか。
少数政党へ投票しよう。大丈夫。ほっといても民主党は大勝ちするさ。少数政党を大きくして、民主党のチェック機関として活躍してもらいましょう。
私は上記の経過から、土井たか子がいた社民党をあまり信用していないので、共産党に投票することにする。まあこの間ずっと共産党に投票しているが。
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前から思うんだけど、政権交代はしなきゃ、でも国会議員は多すぎる、てな人がいる。そんな人に最適な制度をお教えしよう。
２人の代議員（5人とか100人とかでもいい）を適当に選んで政権を担当させる。何年かに一度定期的に交代する。以上。
金もかからず、政権交代もありだ。
あなたの目的は見事に達成。満足かな？
国会や地方議会の議席を減らしてスリム化しようなんて意見の究極は、ここに行き着くのだよ。バカバカしい。
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