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ハマスを  イスラエルを [社会情勢]

 12月28日からイスラエルがガザに猛爆撃を行っている。マスゴミでは死者○百名、うち「民間人」○名が犠牲に、などと書き散らしているが、そのような区分けに何の意味もない。イスラエルによる爆撃で、ただ、人が殺されている。戦争に法的根拠を求めるのもおかしいが、しかしこの戦争はあまりにもひどすぎる。

 ガザは、ハマスの停戦後緩和されるはずだったイスラエルによる経済封鎖が引き続き、徹底的に疲弊している。ハマスがこの12月、停戦を継続せず、やむなくロケット弾攻撃を始めたのはこんなところに理由がある。

 その辺「きっこの日記」が、12/28からより詳しい内容を続けてくれているので、ぜひ一読してほしい。




 ガザはイスラエルの土地ではない。イスラエル自治区となったパレスチナ領でもない。本当はエジプト領だ。1967年の第3次中東戦争で、イスラエルがめちゃくちゃな侵略戦争をやって、シナイ半島やゴラン高原を占領したとき、1979年のキャンプデービッド合意でシナイ半島がエジプトの手に戻ったときも、ここはイスラエルが占領し続けた。だから今でもエジプト領なのだ。
 もっともエジプトはシナイ半島返還とともにガザの領有権を放棄したから-それがために当時の大統領サーダートは殺されたのだが-国際的には「イスラエル領」となっているだけ。

 そもそも「イスラエル」という国家は、その「成立」の経過からして、国際法上合法的なものだったのだろうか、という議論は根強い。第一次大戦期の、ロシア革命で暴かれたサイクス・ピコ密約を含む3つの矛盾した契約は有名だが、大量虐殺によって勢力を拡張し、事後承認的に生まれたパレスチナ分割決議(中東各国はシオニストに土地を与えるものとしてこれを拒否した)によって国家を「樹立」したイスラエルには、長らく中東各国は承認を与えなかった。

 基本的にこの考えに私は与する。

 戦争に次ぐ戦争で領土を拡張してきた、中世的な思考を持つイスラエル。パレスチナ人やアラブ系「ユダヤ人」への差別を続ける差別国家でもあるこの「国」。

 パレスチナ解放闘争は約30年かけて、93年、オスロ合意を得ることになった。これによって「パレスチナ和平」なるものが実現した。関係者にノーベル平和賞が贈られることとなったこの合意で、PLOはイスラエルの承認問題が絡む国連決議242を受け入れた。

 サイードはこの合意に批判的だった。

 合意の内容は守られなかった。パレスチナ側にイスラエルの承認を認めさせながら、自治は事実上何も進まず、現在に至るまで、経済的にも物理的にも封鎖が続いている。PLOは腐敗し、特権階級まで生まれ始めた。

 ハマスはこんな状況の中で勢力を伸ばした。PLOが圧倒的に有利な状況下で行われた選挙で、多数派を形成することができた。彼らは正統政権であり、また彼らがイスラエルを承認しないのも道理のあることだ。

 しかし彼らに「国際社会」とやらの目は冷たい。気楽に「テロリスト」呼ばわりする輩もいる。
 そうだ。「テロ」「テロリスト」という言葉を使う人たちよ。その言葉は投げかけた相手を「敵」と見なす言葉だ。2001年9月の事件で、その定義が大きく問題になった言葉だ。多くの議論があり、その中で「テロ」という言葉を安易に使うのがはばかられる状況があったはずだ。彼らの闘争を「テロ」という言葉でくくってはいけない。

 年末のこの押し迫った時期、激動の08年は最悪のニュースで幕を閉じるだろう。なんと言うことだ。
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