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看護学術大会 [医療情報技師というお仕事]

 電子カルテに限らず、病院情報システムのキーパーソンとなりうる職員集団は、看護師だと思う。さて、なぜでしょうか。

答:数が多いから

 やっぱりユーザー層が大きい集団は、使用する頻度も高いし、声も大きくなる。そして何より、「7:1看護」のせいで世の中、空前の看護師不足。職員比率は今でも相当高いのに、それでも病院管理者は口を開けば「看護師不足」。ますます看護師の声は大きくなる。

 電子カルテ導入で実際に業務ストレスが上昇するのは医師なのだけれど、医師とは別のサブシステム-看護情報システム-を使用する看護師への対応も、電子カルテを活用する際には重要になる。
 で、医者の場合は(医者にもよるが)基本的な操作系を教えると、後は運用細則に従いつつ時に破りつつ、自分で操作を覚えていく。看護師の場合もそれは同じだが、職員数が多いものだから-そして使わなくても何とか仕事はできるものだから-中には基本操作しかできない、そもそも情報システムに怖がって触れない人も結構いる。

 こんな言い方は誤解を招くかも知れないが、妙な使い方をされて処理系がうまく機能しないのも困りものだが(本来、そのような使い方をされても問題ないように設計するべきだが、実際はあちこちに穴が空いていたりする)、些細なことで何でも質問されたり、小さなエラーを修正できずに、頻回にシステム担当者がフォローしなければならない状況というのも、結構ストレスがたまるものである。
 さてこの学術大会、各種の講演があって、システム導入や管理に関してのいくつかの知見が得られたのだけれど、最後に情報系看護師の認定看護師制度についてパネルディスカッションが行われた。
 そのような制度は大いに進めて欲しいのだけれど、実際にシステム管理している側からみると、認定制度と同時に、情報システムに関する基本的な知識を、通常の教育システムの中で強化して欲しいかな、というのが私個人の希望ではある。
 看護学校などでの育成カリキュラムを強化するのも一つ。現任者の制度研修を強化するのもその一つ。専門看護師・認定看護師制度も進めて欲しいけれど、情報システムに関する知識の基盤を押し上げないと、認定看護師が情報システムに関する「雑用係」になってしまう。・・ある意味今の私みたいに。

 情報システムをうまく使えない人たちは、もちろん悪意があってやっているわけではないことは重々承知の上だけれど、コンピュータに関わる一切の業務を、コンピュータを扱える人たちに頼ろうとする。ご存じの通り、現在ほとんどの業務にはコンピュータが介在しているから、コンピュータを扱える人は、ほとんどの業務に関与せざるを得ない。
 だから本来の看護師業務とシステム系の「雑用係」にならないように、病院側が十分配慮しなければならない。が、実際にはそううまく配慮してくれる病院は多くないのではないか、と私は思うのだ。
 
 まあ、病院業務の多くに関わることができて、全体を俯瞰できるという副産物もあるけれど。

 会場は安田講堂。私が学生だった頃はまだ閉鎖されていた。改装されてすっかりきれいになったけど、入り口は当時のすすけた状態が残されていた。開始時の会長あいさつで、いきなり「この講堂は学園紛争で学生が立てこもって火炎瓶を投げていました。入り口はその当時の跡が残っているのです。学園紛争は東大医学部から始まって・・」。ちょっと懐かしそうに見えた。
 私が大学に入るとき、父が同じように、そんなことを、少し懐かしそうに話したことがあった。私も同じような活動をした。それぞれ立場は違うけれど、それらを懐かしく話す年に、私もなりつつある。

おまけ
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帰りがけに見かけた「死に神」の事務所。いいところに建っているものだなあ
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