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裁判官の精神分析ごっこ [川田過労自殺事件]

 7月1日に、川田直さんの裁判が判決。東京高裁で会社を相手取って損害賠償を求めている裁判。
 傍聴者多数。ジャーナリスト3名。
 控訴棄却の不当判決。

 こないだのエントリに「不当判決する裁判官はボソボソしゃべる」と書いたが、あちこちでそんな態度への批判が高かったからか、今度の裁判長は、堂々とはっきり発言した。敗訴したとはいえ、それなりの判決を書いたのかなあ、と思っていたら、これがびっくり。

 「性格分析ごっこ」をやらかしている。

 全体的に、こちらが提示した事実については裁判所も認定している様子。しかし何らかの根拠を提示することなく、業務の過重性については認めないという、これまでの流れを継承。
 しかも彼がうつ病になった原因を、彼自身の資質に求め「「オンリーワン」の目標を断念して平均的な社員となることに妥協することができず・・心理的不可を感じる必要のない業務の遂行についても・・過度の心理的不可を感じ、これを過度に蓄積していったのである。これが直のうつ病罹患の最大の原因であると考えられる」。こんなこと意見書を出した精神科医や会社側も言っていない。まして証人尋問した精神科医の意見も反映していない
 専門家の意見を無視して、自分の頭の中でこねくり回した「精神分析ごっこ」。しかも微妙に日本語-というか英語-を間違えて解釈しているし。
 おまけに最後には「「立つ鳥跡を濁さず」の心境だったと思われる」「直に出社を許したことが・・「冷たい仕打ち」であると評することは、直の当時の気持には反するであろう」とまたまた空想をふくらます。

 こりゃ酒の肴に「アイツは~~だからあ」とやる酒場のヨタ話レベルだよ。私も3年ほど前に所属していた会社幹部にやられたことがあるけれど。

 直さんが裁判官の判断のように、最後まで出社したいという気持ちを持っていたのなら、自殺前日になぜ公園で泣いていたのか、なぜ自殺してしまったのか、説明がつかない。
 だからこそ5月の地裁判決では、退職前に出社を強制し、その後の業務に関しても厳しく会社を批判したのだけれど、これについては高裁はしつこく会社側を擁護。あまつさえ会社は「うつ病に気づいていなかった」とさえ言い出す始末。

 自殺1カ月前、まわりの誰もが異常に気付き、9月には会社の管理職に対しても、「(退職したら)精神病院に行こうと思っています」と証言した彼。そこまでしても会社がうつ病に気付かなかったとしたら、これは会社の不作為が問われるのではないだろうか。そう、「何もしない」「知らなかった」ことが罪になる立場というものがある。「知らない」で通せば責任を問われない、そんなことでは本当のことを言う人は誰もいなくなる。

 やっぱり今回の裁判官どもは、官僚主義にどっぷりつかった人々だった。

 裁判は最高裁へ。長いたたかいになることは承知済み。

 裁判の報告に福島へ。原告が福島の人で、支援の会が福島にもできている。あたたかい人たちで、本当にありがたい。

beko.jpg
赤べこ。福島のおみやげ品。牛が好き。

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