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国のツッコミが入ったか-NHK裁判とビラ弾圧裁判と [社会情勢]

 日本の三審制は、地裁で審議して判決を出し、高裁でさらに議論してよりよい判決を導いて、さらに最高裁でもっと洗練された判決を出す・・・と無邪気に考えているのは何人いますかぁ(笑)

 実際には地裁でツッコミが足らない判決が出ちゃったら、国やら権力者やらがツッコミ入れる場所が高裁で、さらにツッコミが足りないときは、自分たちに都合のいい連中ばかり集めた最高裁でひっくり返してもらう、と。
 上級審に行けば行くほど裁判所の数も減って、最高裁なんてのはご近所さんだから、ツッコミ行くにも都合がいいぞと。
 だから国家権力に絡んだ裁判ってのは、やけにキナ臭い判決がやたらと出るって寸法。どちらかというと東京の裁判所がやたらキナ臭いのもそんな訳かな、と(薬害肝炎裁判も東京地裁の判断が一番患者に厳しいし、それを元にして政府が交渉するから患者が納得しないわけ)。

 (国にとって)異端な判決をスクリーニングしていくシステムが日本の三審制、というのは言い過ぎか。

 従軍慰安婦に係わるNHK番組改編問題で、最高裁がこんな指示を出したことで、にわかに高裁判決がひっくり返される可能性が出てきたらしい。

「NHK番組改変訴訟、最高裁が判決見直しか」(Source:asahi.com)ニュースのリンクはすぐなくなるので下部に少し引用します
「旧日本軍による性暴力をめぐるNHKの番組が放送直前に改変されたとして、取材を受けた市民団体がNHKなどに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は20日、双方の上告受理申し立てを受け入れ、上告審として審理することを決めた。そのうえで、双方の意見を聞く弁論の期日を来年4月24日に指定した。
 上告審で結論を見直す際に必要な弁論を開くことから、取材を受ける側に番組内容に対する「期待権」があることを認めて200万円の支払いをNHK側に命じた二審・東京高裁判決が見直される可能性が出てきた。(以下略)」

 この「番組改変」事件に関与した政治家は、後の「史上最低」総理だった安倍晋三。そしてそれを支えた「極右政治家」中川昭一の2名。その後合州国連邦議会や欧州議会での日本の性奴隷非難決議を見るまでもなく、最近国会で自公の政治家がよく使う「国際世論」とやらが、「従軍慰安婦」(性奴隷)に対してどのような反応をしているのかはご存じの通り。

今世紀におけるビラ弾圧事件の契機になった「立川反戦ビラ弾圧事件」
こないだ東京高裁で衝撃的な判決が出て、マスコミ各紙でさえもその判決に批判的な論調だった「葛飾ビラ配布弾圧事件」

 いずれも地裁の、ごく常識的な判断が、高裁でひっくり返されたケースなんだけれど、葛飾のケースでは、高裁の裁判長がいわゆる出世頭だったことから、事前に不当判決が心配されていたと言うことが立川反戦ビラ事件のBoraさんのBlogに書かれていた。

 国に都合の良い判断をすることが出世への道、と言うことになれば、日本の三審制は官僚制度の一形態ということになるのではないか。制度自体が国のツッコミみたいなものだ。

 NHK事件については、地裁の判決が高裁でひっくり返ったケースで、上記2つと若干様相を異にするが、この年の瀬になってどうにも気味の悪い動きが始まっている。

 安倍の辞任で、ネトウヨ連中とそれらが支持してきた政治家たちの軽薄さが、誰の目にも分かるようになった2007年だけれども、ヤツらの巻き返しの年とならないよう、今後もしっかり監視していく必要があると、この年の瀬になって決意を新たにする私である

・・なんてちょっと大仰か?

 でも実際世論の動きで情勢も変わるし、私が支援している過労死・過労自殺の裁判というのは、年を経るごとに良い判決が出る傾向にあると感じている。世論を動かすような運動が大事だ。
 裁判所にツッコミいれる政治家をとっととすげ替えるのが一番いいというツッコミはお約束として。


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コメント 2

solea01

NHK裁判の記事は私も読みました。これは高裁では勝っていたのが、最高裁でひっくり返されそうだという話ですね。それにしても裁判所は結局「国家秩序」のようなものを最優先で考えて、そのためには「人権」は踏みにじることもあり、ということかとつっこみたくなることもしばしばですね。地裁レベルの裁判官の方がバランスはむしろいいみたいですが、上級審はろくな裁判官がいません。まあ、最後まで地道に闘い続ける以外にはないですがね。
by solea01 (2007-12-23 06:53) 

Mosel

私たちの裁判(過労自殺)も、裁判官の素性を見て今後のことを予測したりもします。だからとってやり方を変えることはないんですけれども。地道にたたかうことって、疲れるし大変ですけれども、それが報われるような社会も同時につくっていかなければならないと痛感します。「国家秩序」を奴らが優先するのなら、裁判と同時に「国家」の変革も同時に進めて行く必要があるのでしょうね。お互いがんばりましょう。
by Mosel (2007-12-25 23:39) 

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