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医療関係者が救急病院にかかると-青梅市立総合病院の場合 [雑想]

 こないだ奥多摩に旅行に行った。小河内ダムを見たかったのだ。そしてその後近くで川遊びをする予定だった。2年前に家族で奥多摩に行ったとき、そこで撮影した写真が赤ちゃん雑誌に載った。私と娘との写真だったのだが、そのコーナー名が「イケメンパパ」だったことが、実はちょっとうれしかった。・・いや、こんなことはどうでもいい。
 さて、私が喘息であることは以前にも書いた。当日の日中に発作が出始めたのだ。昼間の発作は実に23年ぶり。東京に来てからは初めて。ダムの見学もそこそこに帰宅し、途上の青梅市立総合病院に救急で飛び込んだ。

 私は療養型病院で働いていることは以前にも書いたけれども、病院関係者というのは意外に自分の職場以外の病院にはかからないものだ。一般的な医療機関は医療費の補てん制度があって、自己負担金の多くは払戻しされることになっているのもその理由の一つ。私自身も会社以外の病院に受診するのは、妻の妊娠チェックで開業医の産婦人科にかかった以外は15年ぶりだった(当時「妻」ではなかったけれども)。

 他の病院の様子は興味津々だ。発作で苦しいのだが、思わずいろいろとチェックしてしまう。そして学べる点が多々あった。

患者対応
 受付で申し込んでから看護師が来るまで約5分。待合室に患者がたくさんいたことから考えると合格点だろう。私はきちんと会話できていたから、一刻を争う緊急性がないと判断されてもやむを得ない。
 看護師のムンテラは必要最小限。BA Attackは会話すること自体が苦痛であるので実に助かる。彼女は急ぎながらも穏やかな口調で人格的にも好感が持てる。が、一般的な救急対応の水準としてはこれが当然なのかもしれない。その後すぐに処置室でベネトリンと生食の吸入を行った。
 医師と事務は特に悪印象はないが好印象もない。これは彼らとの接点が少ないからやむを得ない。救急外来で患者を「さばく」のは当たり前だからだ。

施設
 2004年初頭に病院機能評価(一般病院)の認定を受けている病院である。各種評価項目が水準以上であることが予想される。

 青梅市立病院の救急外来は、いわゆる3次救急-最も重度の患者が搬送される緊張感あふれる救急-だった。巨大な救急処置フロアに、カーテンやパーティションで区切られた処置ベッドと診察コーナーがある。天井にはロールスクリーンがあり、必要に応じてこれを下げることで、ある程度の目隠し効果が出る。これにはいささか感心した。プライバシー重視で完全に隔離する傾向のある昨今の診察室とは違うが、業務効率を優先させたこの形式を私は批判したくはない。

 ただ通路とも思える場所にネブライザーが置かれ、ひっきりなしに職員が出入りする中、吸入処置を受けるのはやや落ち着かなかった。

 救急診療科は新館と呼ばれている場所にあり、内装もきれいでイスも清潔感があった。待合いコーナーが広く、一部はパーティションで区切られており、安心感がもてた。
 天井が低い。恐らく旧時代の設計である旧館との整合性を考慮したのだろう。ちょっと窮屈だ。

その他
 システム系の私には、診察コーナー端末の様式が気になった。医師の診察風景を見るに、カルテは電子カルテではなく、オーダーエントリシステムのようだ。OSはMS(マイクロソフト社)のWinNT4.0である。端末自体は富士通の、そんなに古くもない形式のようだった。端末の上部には「3時から4時まではシステムは利用できません」とある。
 まずここのシステムは04年に病棟含めたオーダーシステムが稼働しているらしい(ウェブサイトから)。しかしリプレースが間近かもしれない。端末が比較的新しいにもかかわらずOSが古いのは、システム(この場合の「システム」とはコンピュータシステムとそれに関連する運用についてである)が古く、そのため要求仕様が低いことを意味している。
 医師が手書きで文書記載を行い、机上のレターケースにいろいろな帳票が存在する雰囲気は、システムが電子カルテのように多面的ではないことを物語り、かつ診察室に端末があるということは一定のシステム化が図られていることを意味している。
 ムンテラ後すぐ処置が始まったのは、これらのシステム運用が柔軟である可能性が考えられる。コンピュータへの入力がなければ何もできないシステムでは、救急救命にとっては致命的であろうし、それ以下の事例であっても患者満足度には直結しないだろうから。このような「柔軟な」運用については2つの理由が考えられる。
一つは運用を非常に工夫している場合。もう一つは業務のシステム化がすすんでおらず、現場の要請に応じて結果的に柔軟な運用をせざるを得ない場合である。青梅総合がどちらかであるかは分からないが、前者の例を私は一度も聞いたことがない。
 システムダウンの時間が長く、それが一番閑散であろう時間帯に設定されているのは、おそらくサーバーのリフレッシュやバックアップのためにシステムが使用できなくなるからであろう。そしてそのような運用でも業務が回る柔軟性があるということだ。かつて聞いた東大病院(MSで組まれたシステムでかつオーダーエントリシステム)では、サーバーの安定動作を保証するために一日一度のサーバー再起動を行っていることを思い出す(ちなみにこれは笑い話なのである)。東大病院はダウンタイムは15分くらいらしい。ここ青梅総合もサーバーの仕様が再起動を前提とする運用を要求するMSのシステムであろうし、かつサーバーのハード自体も古そうだ。

 事務職員は男性はダークスーツ、女性は一般的な事務の制服であった。領収書を見るとニチイ学館が請求事務業務を受託しているようで、本日の職員もそうなのであろう。業務内容に可もなく不可もない。コストダウンは図れるだろうが、病院管理者の業務や情報管理対策の苦労が目に浮かぶ。そして診療報酬請求事務も行っている私としては、少々寂しさを感じる。

 駐車場代が安い。受診患者は30分無料。その後も4時間まで100円ですむ。私のところは面会者も無料なのだが、本院は近隣の駐車場とそんなに変わらない料金を徴収している。そのことは今でも批判が大きい。

 患者の権利が掲示されていた。あれ?内容や様式、そして病院機能評価の認定時期から、この内容はウチの病院を参考にしているのだろうか。特に1と2はよく似ている。もっともこちらもリスボン宣言などを参考にして作ったから似るのは当然か。

・・・・・
 まあ私の職場のサーバーもMSのOSなんだけれども。でも毎日サーバーを再起動をして、という運用はしていない。もっとも本院のサーバーの一部もDELL/MSのシステムだったけれど、これはつい最近「サーバーが壊れて」一週間ばかり関連のシステムダウンが続いた。原因は何かしらね。というかリタンダントサーバーが故障してシステムダウンするって珍しく、システム管理上非常に恥ずかしいことだと思うのだが、一体どんな緊急事態が起こったのだろう。以前のエントリにも書いたが、システム管理能力の問題のように思う。誰の責任かは以前も書いているので、ここではあえて書かない(笑)。


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