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リカンベントに乗り慣れて [自転車]

 リカンベントを購入して3ヶ月ほどたった。当初はあまりにも衝撃的な乗車感に惑わされたが、この間500km以上の乗車経験を積み、冷静に評価できる状況となってきたように思う。
 多くのリカンベント乗りが評価しているが、リカンベント自転車は小規模な会社も多く、所有者も少ないので各人が評価するのは意味のあることではないかと思う。

以下

リカンベントの長所は何だろう
短所はなんだろうか
この間よせられた質問について

について考えてみた

リカンベントの長所は何だろう
・空気抵抗が少ない
 寝そべるので空気抵抗が少なく、向かい風では明らかに楽に感じる。強い風を感じながらも、スムーズに前進することが出来る。もちろん追い風であればもっと楽になるが。
・高速走行をしても疲れない
 ゆったりしたイスに座りながら運転しているようなものなので、実に快適。特に走行距離が長い場合にはなおさら実感する。
・やはり空がとても美しい
 ふとした瞬間に空を見上げることが多くあり、自然の美しさを普通の自転車より実感できる。最近の乗用車も天井をグラスにするのが多くなっているが、それと同じような開放感が出ていると思われる。
・転倒など事故のダメージが少なそう
 私はこないだ普通のタイプの自転車で、頭から転倒し首をねんざした。頸椎をやられて今でも両手がしびれている。しかし寝そべるタイプの自転車は、構造上頭から転倒することはあり得ない。足へのダメージはより大きいかもしれないが。
・腕への負担が少ない
 腕からハンドルへの重量負荷が、リカンベントではほとんどない。体重の全ては腰に集中する。そして大きなイスがそれを受け止める。腕のしびれた私でも安心して運転できるというもの。

短所はなんだろうか
・車体のホールド感が低い
 通常の自転車がサドルを中心に太ももで車体を挟み、安定を取っていたことがよく分かる。リカンベントはそもそも下半身で自転車を挟む事ができないため、尻とイスのホールド感で安定させるような感じになる。なので車体がすべるような感覚を得ることがある。
・車高が低く他人から見えにくい
 リカンベントは構造上歩道を走りにくいのだが、車道では車から見えにくくなる。私のようなコンフォートタイプのリカンベントはシートが大きいので問題にはならないが、レースタイプは後方に旗を立てて走行することが一般的なほど。
でも一番怖いのは車よりも他の自転車であった。自転車は車よりも視点が高く、リカンベントに気付かないことが多い。というより自転車に乗っている人は、車に乗っている人より周囲への注意力が散漫なようで、その辺も問題な気がする。
・暑い
 メッシュタイプのシートであっても、背中全体が密着しているため、どうしても暑く感じる。逆に胸全体で風を受け止めるので、身体前面は涼しい。
・駐輪場を確保する必要がある
 何と言ってもでかくて異形なため実に目立つ。そもそも車体が高価なので、普通の自転車置き場におくことがためらわれる。出先での駐輪はもちろん、日常の保管先にも苦労する。私は庭の軒先に置いているが、戸建ての人しか買えないかもしれない。
・手に入りにくく高価なパーツがある
 特に大きなシートはリカンベント特製のもの。ナイロン製のメッシュシートは一部ほころびが出始めた。交換はどうしようか。一応パーツ交換はできるのだが、代理店経由では高く、シートのメッシュ交換だけで、通常のサドルの最高級品が買える値段なのだ。直接注文することも出来るが相手は合州国。送料含めると国内で購入するのと大した違いはない。
・重い
 自転車は軽いほど運転が楽になるが、リカンベントは構造上どうしても重くなる。しかしもちろん一般的な自転車よりはるかに軽く、感覚的には実に軽々とした印象はある。
・サイクルコンピュータが使えない場合がある
 有線のサイクルコンピュータはワイヤが短くて取り付けできないものがあった。ワイヤレスなら大丈夫かもしれないが、届く距離に制限があるので、難しいかもしれない。もっともこれはホイールベースの長大なRANSのリカンベントだからかもしれない。

・(長所かもしれないが)異常に目立つ
 この前は知らないオジサンがわざわざ追いかけてきて、話しかけられたことがある。子どもに指をさされるなど当たり前。選挙なんかで自転車にのって活動する人がいるが、そんな用途には最適かもしれない。

この間よせられた質問について
・寝そべる体勢で怖くないか
 あなたは車に、自転車のような体勢で乗車していたとしたら、今より安心感は高まるだろうか。むしろ逆ではないだろうか。バイクや自転車は乗り物に乗るにはむしろ異常な姿勢で乗車しているのではないかと思うのだ。
・あのような体勢でこぐのは大変ではないか
 この質問は実に多く、リカンベント乗りは常にこの質問と隣り合わせにあるのではと思う。結論としては、あまり関係はない。アップライト(普通の自転車の乗車姿勢)は重力が味方するが、リカンベントは腰や背中を支点にしたペダリングが可能で、どちらが良いかと言われると甲乙付けがたい。だって据え置き型のサイクリングマシンでもリカンベントタイプはあるでしょ。ウチの病院のリハビリスタッフは、リカンベント型は脚部全体の筋力トレーニングにいいと言っていたし、利点はむしろ多いような気がするけども。
・転びやすい?
 私が自転車で転倒して大ケガしたときに一番多く寄せられた意見。結論としては、これもあまり変わらない。確かに慣れていないときは不安定かもしれないけれど、すぐに慣れることだしね。
・上り坂が苦手?
 リカンベントはダンシング(立ちこぎ)ができない。そのため上り坂では苦労するという意見が、リカンベント乗りでも多い。しかし実際はそうでもなかった。公道に限れば、かなりの斜度である坂道でも、上れないということはない。普通の自転車と考える内容は同じ。つまりその自転車のギア比によるものだ。
 リカンベントの安定性はやや劣るので、低速時のライディングにややコツがいる。どうしても低速にならざるを得ない上り坂では、ライダーによっては差が出てしまうのだろう。確実に言えるのは、いわゆる「ママチャリ」でダンシングしながら登る坂は、楽々クリアできるであろうということだ。

上 記の項目数は短所が多いのだが、実際には短所の重要性は低く、短所を補ってあまりある長所が多い。長くなったが結論はつまり、すごく楽しい乗り物ということ。一度乗ることをおすすめする気持ちには変わりない。


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