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最高裁判所という体験~川田過労自殺事件 [川田過労自殺事件]

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最高裁正門 最高裁というとこの付近の写真が使われる

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威圧的な最高裁判所の建物 本当に巨大である 南門付近から撮影

 首都高からもその威容がうかがえる(すぐ脇が首都高)この建物だが、国会議事堂と同じ高さに作られているとのこと。
 三権分立の「建前」のなせるわざ、と言えば皮肉に過ぎるだろうか。いや・・。

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 10月8日付で、最高裁判所から通知が届いた。事件発生から14年。行政訴訟から4年。川田過労自殺事件は最高裁が門前払いをした。

 判決文にはこうある。「本件上告理由は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。」と。
 これはいわゆる「テンプレート」。最高裁判決によくみられる定型文だ。こちらがどんなに誠実な意見・理由を述べようと、裁判所は理由もなく、ただ決定だけを書き記す。そんな最高裁の判決は「三行半」とも言われる。

 プログラムの専門家の意見も、多くの精神科医の意見も顧みられなかった。裁判所が認定したものは、会社側の、プログラマですらない社員の意見。そして個別具体的にこの事件を評価したものではない精神科医の意見だった。

 昨年9月の高裁判決の問題点は去年触れた。その後最高裁へ上告するに当たって精神科医に意見を求めたら、高裁判決が引用した資料が間違っていることが判明した。
そんないい加減な資料に依拠した判決を、東京高裁の藤村啓という裁判官は書いたのだ。
 自らも司法の専門家だろうに、それを誰もあらためない愚かさ。この官僚主義。司法に重大な汚点を残した判決が確定する。

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西門付近 もっぱら職員が出入りするのはここのようだ 事務棟なのか正門付近からの様相と雰囲気が大きく異なる

 さて18日。毎月行っている最高裁判所への要請行動に参加した。決定は出ているから「抗議」に行くかたちになる。朝8時から西門付近でビラ配布などを行う。いつものように職員のビラの受け取りは非常にいい。10時から最高裁への要請行動を始める。

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東門 要請行動参加者は正門の脇にあるこの門から入る 朝10-11時付近に人が集まっていたらそれは要請行動の参加者たちだ

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東門から建物内部へはこちらの入口から入る

 写真の通り、どんだけでかい人間が入るんだ、というほど大きな入口に見えるが、実際のドアは中央下部の二つの柱に挟まれた間にこぢんまりと存在している。ドアは入口用と出口用に二つに分かれ、それぞれ人一人がやっと通れる狭さしかない。片開きのドアだが、入口の警備員がスイッチを入れて開ける自動ドアだ。
 最高裁の中に入ると、入口付近は非常に高い吹き抜けになっている。しかし職員の勤務室は普通の(70年代風の)オフィス。天井の白熱灯は、よく見ると全部LED電球になっていた。
 壁には「公共建築百選」や「BELCA賞」などのプレートが飾られている。ご立派な建物みたいだが、実は昨年あたりまで立て替えの計画が立てられていた模様。公共工事見直しの機運の中で、それは中止されたようだが。

 要請者は、その中の会議室で、書記官を相手に縷々意見を述べる。私もこのエントリの上部に書いたようなことをつらつらと話した。裁判官に、意見は届かないだろうと思いつつも、そうであっても言わずにはいられなかった。

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 軍事独裁政権に苦しんだ、お隣の韓国。そして同様にゴリラ政権が席巻し、今や左翼・左派政権が占めている南米では、過去の歴史を見直し、過去の事件や判決を見直す動きがあると聞く。
 日本でもそうだ。横浜事件は有名になったが、「大逆事件」、「亀戸事件」、「小林多喜二惨殺」、各地の「レッドパージ」、そして再審請求がはじまろうとしている「三鷹事件」など、見直しが必要な事件や判決は山のようにある。
 最近でも、立川や葛飾でのビラ配布弾圧事件、そしてこの裁判の中で身近に触れることになった各種の原告敗訴した過労死事件。司法という官僚機構の中で葬り去られた、今後見直さなければならない判決は山のようにある。

 弾圧や過労死を決して生み出さない、そして過去の過ちにはきちんと向き合う、そんな社会が作れればいい、と思う。偽りの「政権交代」などに惑わされることなく。

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上告した頃開店したカフェ 安く朝食が食べれてゆっくり休めたのだが・・

 思えば、昨年の上告からほぼ毎月、多摩地区から平河町の最高裁まで通い詰めていたことになる。妙なことだが、なじみの町になりつつあった。門番の職員は私の顔を覚えているらしく、お互いあいさつを交わすこともあった(門番は非常勤職員らしかった。請負か派遣かもしれない)。
 もう会うことはないだろう。

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最高裁の隣は国立劇場 国立劇場の通路から西門-東門へ移動できる よくここを通った

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昔ラジコン 今は超精密なミニカーで有名な京商本社 一階のミニカー専門店「Pit」は日常的にバーゲンプライスでミニカーを提供している
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