秋の宮島

　実はこの年になるまで、日本三景に行ったことがないのだ。ちょっと出張の傍ら、空いた時間を使って観光をしてみる。
11月末の三連休、その最終日、たくさんの観光客にまぎれて、ビシッとスーツを着込み、大きなビジネスバッグを持ち歩いていた私は、ちょっと異様な感じだったように思う。観光の予定がなかったからカメラは持って行かなかった。ケータイで写真を撮る。できあがった写真を見てカメラがなかったことを後悔した。


いかにもな風情の宮島行きの船乗り場。世界遺産って活気がありますねえ
　広電宮島駅に着いたら、そこから宮島行きの船に乗る。宮島松大汽船とJRの二つの船が、それぞれ10分間隔で運行している。しかも行きも帰りも、両方の船に人がびっしり。さすが秋の宮島。昔行ったベトナム、サイゴン川の渡し船を思い出した。アレよりはずいぶんと立派な船だ。


2003年。サイゴン川の渡し船。ルネッサンスリバーサイドホテルから撮影。３隻がひっきりなしに行き来している。真ん中の船は特におんぼろだった


港から参道までこんな感じで土産物屋がびっしり

　島に着いたら鹿がいっぱいいて、人慣れしていて可愛い。しかし激しく餌をせびってくるのもいる。後で聞いたら、ポケットに鼻を突っ込まれてチケットを食われた人もいるのだとか。


11月も終盤になると紅葉はこんな感じ

　厳島神社もまた人でいっぱい。大鳥居を望む場所では観光客が代る代る記念写真を撮っていた。みんな順番通りに整然と写真を撮っている。拝観料は300円。「値上げしてるよ」と怒っている人がいた。


　山の方までのこのこ歩き、いい景色だなと思ってこんな写真を撮っていたら、茶屋の敷地内に足を踏み入れていたらしく（確かに看板はあった）、半ば強制的に一休みする。もみじまんじゅう一つと抹茶一椀で650円。トラップ？

　山の上まで行こうと思っていたら、ロープウェイは時間切れ直前。断念して港に向かう。夜はライトアップもするようだけれど、上着もないし早々に帰ることにした。
　観光客は多いけれど、山に登ると非常に静か。なかなかいい観光地と思うけれど、１人で来てもあまり楽しくはない。けれど子どもたちと来ると、ちょっとせわしないかねえ。


海面や鳥居をなめるようにして飛行するパラグライダー。山の中腹にいた私のすぐ真上を飛行したのでよく見ると、カメラが2台ついていた。何かの撮影かしら？

　また、別の季節に行ってみたい。今度はホントの観光で。