「カネ払えコノヤロー」 Vistaのライセンスってもの

　1GBというメモリがどれほど大容量かということについて、昔の歴史をひもとくのは愚かかもしれないけれど。それは分かっているんだけれど・・。
　Windows95が出た頃、64MBというメモリ空間は実に広大で、PhotoShopなどでレタッチを行うプロくらいしか使っていなかった。あの頃は半導体の価格が高止まりしていて、16MBのモジュールが４～５万円していたっけ。Win95は16MBもあれば十分使えたし、Win2000も128MBでさくさく動いた。BeやOS/2はもちろんそれ以下でも問題なく動作する。画像系アプリの処理くらいでしかメモリの大小は問題にならない時代だった。
　実はこのことはいまでもそんなに変わっていない。今なら画像、動画、そしてゲームだろうか。

　1024MBもの領域を要求する、Vistaの詳細はとりあえずスルーしよう。まだRC版しか使っていないから。でも私は以下のような妙な体験をした。マイクロソフト社の姿勢がかいま見える－そして巷でイメージされる同社のお約束通りの内容だった

　私は年末にWinXPproの64bit版という、XPといいつつも実に互換性に乏しいOSを購入した。年末に買ったのでVistaの無料アップグレードが受けられた。ネットでその手続をしたら、こんなメールが来た。

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（原文はレイアウトがヘボなHTMLメール）
Windows Vista Business 64-bit DVDビッドDVDのアップグレードにご注文いただきありがとうございます。この確認電子メールの指示に忠実に従っていただくようお願い致します。ご注文内容が正しく記載されているかご確認ください。ご注文内容が不正確、判読不可、遅延、損失、不適切、郵便料金不足、複数の詐欺的行為、偽情報の場合には取り扱いが遅れたり、不適格とみなされる場合があります。マイクロソフトおよび モーダスリンク (御社製造メーカーまたはインストーラ) は虚偽行為または詐欺とみなした場合はご注文が確定しない場合があります。ご注文が完了したら、ご使用のパソコンの領収書および本ページのオンライン確認番号を添えて電子メール、ファックス、またはスキャンして提出してください。送信先およびファックス番号は次の通りです。

EMEA
Software Upgrade Program
PO Box 252
7300 AG Apeldoorn, The Netherlands
Email: [e-mail]
Fax: [phone]
＊上記のような内容で以下6カ国分の住所が英文でつづられる。日本や韓国も英文。中国だけ中国語

アップグレード償還請求書をお持ちの場合は以下をご覧ください。お客様のご注文はクレジットカードの認証およびご使用のパソコンの実物証明書の確認が必要です。ご使用のパソコンにアップグレード・ソフトウェアのみをインストールできます。

* 2007年5月31日以前にご注文をされた場合は購入領収書または追加情報をお送りいただくことを強くお勧めいたします。受領していない場合はご注文が処理されないことがあります。

エンドユーザ様専用アップグレード償還請求書

* ご注文が完了したら、ご希望のアップグレードソフトウェアのアップグレード償還請求書にご記入いただき、このページのオンライン確認番号とご使用のパソコンの領収書をアップグレード償還請求書に記載されている住所もしくは最寄のサービスセンターまでお送りください。アップグレード償還請求書の契約条件をご確認ください。
* アップグレード償還ウェブサイトのアップグレードが法律で禁止または制限されている場合は無効となります。ご使用の新規のパソコンにつき一件のアップグレードが可能です。
* アップグレード・ソフトウェアはお客様が償還注文書にご記入後、もしくはお客様のご希望の言語のアップグレード・ソフトウェアを販売日から4～6週間以内に発送いたします。
* この電子メールはモニターされませんので、返信しないでください。http://upgradeweb.moduslink.com/vista からご注文状況をご確認いただけます。ご質問がある場合は以下の無料通話をご利用ください。

EUROPEAN
Germany: 00800 666 44 666
United Kingdom: 00800 666 44 666
France: 00800 666 44 666
Italy: 00800 666 44 666
Netherlands: 00800 666 44 666
Spain: 900 973154
AMERICAS
US & Canada 800-817-5602

アップグレード補償カスタマーサポート
電子メールアドレース: [e-mail]
日本からのフリーダイヤル:00 531 650399
電話（有料） : [phone]
ファックス（有料）:[phone]
https://upgradeweb.moduslink.com/Vista/

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　ま、ようするに、ユーザーに対してとにかくまず先に「ライセンスは持っているか」つまり「私の会社にカネを払っているか」という考えが前面に出て、しかる後、理解しにくい内容がグネグネと続く。その上で「記載に不備ある場合は届くのが遅れますよ～」というユーザーへの「自己責任」を押しつける、と。
　自らの権利を前面に押し出して、私たちユーザーの、それこそ権利などお構いなしってことかな。
　マイクロソフトという世界最大のソフトウェア企業の本音、この会社がユーザーをどのように見ているかということが、こんなところからもかいま見える。

　「他山の石」「反面教師」として、私も気をつけなくっちゃならないなあ（笑）。一応ユーザーの前面に立つ業務をしているから。かつて顧客対応の責任者的な立場も経験した私からみると、もうホントに無料でいいから彼らにコンサルトしてあげたいような気持ちになってしまう。

　さて、ずいぶん前から読んでいる秀逸なコラム「がんばれ！！ゲイツ君」にも同じ内容があった。私は単に「わかりにくかった」だけですんでいるけれども、一歩間違えばこんな状況になるということですね。

・・商品は無事届きましたが、まだUpdateしてません（笑）