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Bug Attack [現場のシステム]

 バグ。Bugとは虫のことであるが、エンドユーザーの責によらない、コンピュータの何らかの異常を「バグ」という。元々はごく初期の大型コンピュータが誤動作した原因が、リレースイッチの中に入り込んで黒こげになった「バグ(蛾)」から来たのだとか。
 転じて今では「素人に対して自分の知識・能力不足を覆い隠すためにエンジニアが使う便利な言葉」になってもいる。ボクらもよく使った(汗)。
-多人数・多企業分業になっている今のコンピュータ界では原因の分かりにくい問題も多いので、その辺はお間違いのなきよう。

 システム部員だった私は、異動して通常の事務員に戻った現在の職場でも、電子カルテ等のシステム管理を行っている。職員数が100人に満たない病院なので、事実上は一人でなんでもやる。それこそ各種書類の様式を作成したり、業務運用手順を整えたり、電子カルテの操作説明や、プレゼンテーションの作成補助、プレゼン器材のセッティングから、壊れた水道の修理まで(笑)。
 そんな中でよその事業所からも依頼が来ることがある。今日は「動かないシステム部(注)」の変わりに、さる部署からの仕事を請け負った。例によって「パソコンが動かなくなった」というものだ。一つ前の職場にいる顧問的な立場の人で、私もずいぶん世話になった。そんな人からの依頼は断れない。
(注)元ネタは日経コンピュータの人気連載「動かないコンピュータ」(笑)

 パソコンは5年ほど前のSONYのVAIO。VAIOのローエンド機種で、確か他企業のOEMだったはずだ。安価だったのと「VAIO」ブランドもあって結構売れた。電源を入れたら何も表示せず、すぐに電源が消えてしまうという、実に珍しいトラブルで、パソコンに詳しい人に見てもらったようだけれど、お手上げと言うことで私に回ってきた。

 ざっと見ると、ハード的な問題がうかがえる。ショートしてブレーカーが作動しているみたいな。バッテリかな?と思って外してみても効果なし。で、早速解体する。メモリのあたりになんか変なものがある。ありゃりゃ、「蛾」だよ。そのそばには糸を張り巡らせた幼虫が。米びつの中で良く発生する小さなアレだ。
 それらを取り除いて電源入れたら普通に起動した。あらー、ホント冗談みたいだけれど、「バグ」の語源通りじゃない。あまりのことに受付で苦笑。こんなこともあるんかいな。

 さて、パソコンの分解というのは、これがなかなか難しい。今回のVAIOは、パーツをある順にしたがって外さなければならないから特に難しい。今の機械の分解は、メンテナンス性を重視したものが多いから簡単なのだが、5年くらい前までの機械はよくこんなのがあった。慣れればマニュアルがなくてもできるようになるが、それなりの経験が必要だ。今回のVAIOは3年前に同機種をHDD交換したことがあって、手順を覚えていたのが幸いした。

 しかし解体技の究極は89年のMacPortableだろう。発売当時約100万円したこのパソコンは、ネジがほとんどないまま寄せ木細工のように組み合わされており、その妙はもはや芸術の域だった。10年くらい前、Portableの部品を購入したら、売り主が「解体の仕方を教えてほしい」とメールを送ってきたことがあったくらい。そして苦労して分解すると、設計に携わった人々のサインが筐体に掘られている。初代のMacにもこんな仕掛けがあって、創業者のWozや現AppleCEOのジョブズのもあった。Macにはこんなお遊びがいくつかの機種に隠れている。こんなお遊びって実に楽しいね。


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