今年もようやく終わる。簡単に振り返る。

 今年2022年の大きな話題と言えば、やはり安倍晋三が殺されたことが大きい。個人の存在が大きいとかではなくその死後に起こった諸々の案件が非常に大きかったということだ。

・彼の死後統一協会(*)がクローズアップされた。
*私は「教会」と表記しない
・・実行犯が統一協会の二世で、自死すら行うほどに追い込まれていたこと。
・・政治家と統一協会との癒着が明るみになったこと。その過程でいわゆる「ネトウヨ」層に統一協会員が少なからず組み込まれていたことが発覚したこと。
・・多くの統一協会を扱ってきたジャーナリストや学者が、マスメディアへの出演や著作の発刊などで日の目を見たこと。

 これは私たち政治に目を向けている層からすると昔から知られていたことで、近くの自治体八王子市の議員「萩生田」などは地方議員の時代から統一協会との関係が深い(*)ことで有名だった。
*我々はこのような人物を「勝共系」と呼んでいた。
 そして統一協会への日本国民の忌避感が、これほどまでに強いものであることが明らかになったこと。やはり元首相の暗殺という契機があったにせよ、私自身ここまで統一協会を憎む世論があったのだということを改めて実感した。もはや統一協会とそのダミー団体(勝共連合とか世界平和教授アカデミーとか勝共UNITEとか)は表立って活動はできまい。これは一つの進歩ともいえよう。

 すっかり有名になった鈴木エイト氏は、やや日刊カルト新聞で10数年前から統一協会関係の記事を書いているのを目にしていた。サイトを主宰している藤倉氏ともちょっと違い、誠実な筆致に関心もしていた。そして何より情報が入りにくくなっていた統一協会関連の記事を出し続けていることをありがたく思っていた。それが連日のようにテレビ出演をするなど隔世の感がある。
 こうして地道に取り組んでいるジャーナリストが日の目を見るのはうれしい。

 自民党や右翼系政治家がここまで統一協会と関係している、ある者は信者ですらあるという事実を私たちは決して忘れず、このような破壊的カルトがなぜ政界に浸透しているのか、それを許している政治勢力は何の意図があってそうしているのか、2012年からの自民党政権でそれが一層強化され、その中核に安倍晋三らがいたことを考えたい。
 そしてそれらを決して許さない、自民党を決して許さない世論喚起が重要なのだと改めて思う。

そして..。

・世論の批判のもと開催された東京オリンピックが、泥沼の利権構造であることが明らかになったこと。

 これも考えたい。安倍晋三が直々に「絶対に逮捕されないようにする」と明言していたこと。そしてその重しが取り除かれ、元電通の大物らが逮捕され、全容がこれから明らかにされようとしている。

・・・・・

 民主国家において、暗殺は効果が低いとされる。権力者を倒しても権力構造はそのまま残り、政治体制は揺るがないのが通常だからだ。
 しかし安倍晋三の死とともに噴出したこれらの問題を見ていると、日本とは本当に民主国家だったのだろうかとの疑念を抱かざるを得ない。

 かつて日本は「経済は一流、政治は三流」などと言われていた。バブル絶頂期当たりの頃だ。
 すでに経済は30年間停滞し、昨今特に(これも安倍が死んでから顕著なように思うが)日本の賃金が上がらず、経済が停滞し続けていることと、今年顕著になったインフレで生活が厳しくなっていることがよく報道されている。

 政治はますます劣化し、経済はすでに三流になり、その流れが加速した2012年以降の自民党政治。それに深くかかわっていたのが破壊的カルト組織統一協会。
 それが白日の下にさらされたのが安倍晋三の死だとは、何とも日本社会の劣化とはここまで来てしまったのかと慨嘆せざるを得ない。
 安倍政権というものがどれほど狂っていたのか、そこからの回復にどれほどの時間がかかるのか、それを考えるに野党となった後自民党が極右化したことで、この国に与えたダメージがどれほど大きかったのかを考えたい。


Twitterのこと

 安倍政治との関連を考えるにTwitterも挙げておきたい。私個人は今年からTwitterを少しやるようになって、何度か「バズり」というものも体験した。それを契機にフォロワーも増えた。