前回Facebookに研修風景を載せた研修医の「事件」を書いたけれど。

個人による情報発信は萎縮しない方がいい

 会社や組織で行われたことを、軽々に個人のBlogやFacebookで書くのは、中には褒められない場合もあろうけれど、会社の重要事項や機密事項、顧客や患者などの利用者情報を公開するのでもなければ、それは個人の裁量に任されるべきことではないかと思う。
 多くの人には何の役にも立たない。けれどある人には役に立ったり、何か影響を与えたり。それは個人のBlogがもつ特性だろう。

 そうしたものが有象無象にあるのがインターネットの世界であって、それは現実世界と何ら変わらない。ただ現実世界と情報世界の特性の違いはあるから、それを考慮していればよい、とも考える。

 だから仕事でのことを個人Blogに書くこと行為に、「勝手に」とか「許可なく」と前置きして、非難したり処罰したりする動きがあるらしいが、私はそれは何か違うのではないか、と考えている。
 過剰に情報発信を否定するような反応は、いずれ所属組織に関わるあらゆることを、個人が書けないということにもなりかねないし、少なくとも萎縮にはつながるだろうと思う。
 そしてそれが世に敷延すると、最終的には柔らかな-そう、日本お得意の自主規制という形をとった-情報統制にもつながっていくのではとも思う。機密保持法制が突然強行されそうになっている昨今、この点には十分な注意が必要だ。