新しい職場になってから、都心に行く機会が少し増えた。
現場から離れ、管理部門的なことをしているので、行政機関や他の会社などへ行く機会が増えたからだ。
まあ、今までも医療情報技師としてあちこちに出てはいたし、こないだも新宿で技師会があったのだが、フツーの病院の情報システム/医療事務系の仕事だと、よっぽど意識しないと仕事でよそに行く機会はない。
さて、先般講演会の講師を依頼していた先生に会う用事があって、神田神保町に行く。用件も終わり、帰ろうかという時分になってふと考える。
夕食とってないよ。
神保町駅近くにカレーの名店がある。そこへ行ってみることにした。神田の老舗「ボンディ」へ。
土曜日、打ち合わせがちょっと早く終わったので、店に到着したのは17時頃。でも人が並んでいる。都合15分くらい待つ。店内はやや狭く昔の喫茶店のような趣だ。みっしりと人が入っていて、比較的若い人が多い。昼間打ち合わせの前に行こうと思ったら、ビルの外にまで並んでいて、こりゃ無理だと諦めた。
店外の通路で椅子に座り並んでいる最中に、注文を取りに来る。「ビーフカレーがオススメです」と言う。で、混んでいる中そんなことを言うのは、これにしてくれ、と言う意味なのだろう。おとなしくビーフカレーにする。こんな場合、オススメに従うのは、あながち間違いではない。
まず、ふかした皮付きのジャガイモが登場。ジャガイモ?そう、ジャガイモなのだ。バターが添えられている。
神田カレー店名物、ジャガイモ
ビーフカレー お待ちかねのビーフカレー。洋食店でよく見るアレだ。グレービーボート(という名称です)に入ったカレールーに、ライス。ライスの上にはチーズが乗っている。ちょっぴりスパイスの効いた、やや辛めのカレー。じっくり煮込まれ、味わい深い。
1400円くらいだったので、それなりに料金は高い。けれど私の入店後も列は続き、さすがの名店と感心する。
エチオピア アフリカの国エチオピアとは関係はないらしい細い店内 上にも座席あり 自動車で来ていたので、家族のお土産を何にしようか考える。近くにはこれも有名店のエチオピア。ここはテイクアウトもできるので、ひとつ注文してみる。エチオピアのカレーは、テイクアウトと言えども15分ほどの時間がかかる。細い店内の奥で待つ。
店員はみな南アジア系の顔立ちの人。ここでもジャガイモ食べ放題。客が「何故だろうね」なんて話している。
ここはスパイシーな香り強い、インド系に近い味。美味しいんだけれど、子どもたちには少々辛かったかな。いや、私はマイルドに感じたけど。
そういえば去年もこの時期に神田に来ていたのだった。あの時はもう一つの名店「ガヴィアル」のカレーを食す。
ガヴィアルの看板ボンディと同じ系統のカレー 何でもボンディで働いていた人が暖簾分けしたようで(数十年前だけど)、同じような日本の洋食系カレー。じっくり煮込んだルーにふわトロの牛肉。ボンディと違って一口目にふわっと甘みを感じる。「甘い?」と思った次の瞬間にスパイシーな辛さが広がる。マンゴーチャツネやタマリンドなんかで味付けしているのだろうと思う。ここもライスにはチーズ。
そしてここでもジャガイモ。
ジャガイモ。神田のカレーにはジャガイモがつきもののようだ。不思議なように見えるが、よく考えてみると、日本のカレーにはジャガイモが入っている。で、神田のカレーは煮込み系が多い。ジャガイモなんか入れているとあっという間に溶けてしまい、食感も悪くなる。だからこうしているのかなと思う。老舗のボンディが始めて、他店が追随したのだろう。
ちょっと不思議な文化がある、神田のカレー。