ブノワ東京

 Benoit 名前だけは知っていた。パリの有名なビストロ(大衆食堂)だから。

 日本にあるのを知ったのは割と最近。フランスの著名な料理人で実業家のアラン・デュカス氏がプロデュースしているとのこと。

 ふと思い立って前日に予約を取り、出かけてみる。青山のブノワ東京支店へ。

 渋谷駅から歩いて10分ほど。神宮前のラ・ポルト青山、瀟洒なビルの10Fへ、エレベータで上る。

 着くと店内はガヤガヤと騒がしい。内装は全般的に、あえてビストロっぽいチープさを演出(もちろんすごく清潔)。案内されて席に向かう。階段を上って客席へ。店内は10・11階は吹き抜けで、10階は調理場、11階が客席だ。そしてもうそこは。

 ものすごい人と話し声。

 席についても周りの話し声がうるさすぎて、こちらの話し声が聞こえない。なんて賑やかなんだろう。しかしビストロなのでこんなもの。気楽に入れて、気兼ねなく食事。それがビストロのいいところ。
 前菜2品、メインディッシュ、デザートのコースにする。


フロマージュ・ド・テット~豚のいろんな部位を混ぜ込んだ「煮こごり」

 これを頼むと「南仏の定番料理ですね」、とギャルソンが言ってくれる。


ショートパスタ「コキエット」。濃厚なチーズクリームがかかっている。黒いマーブル状のものは黒トリュフ

 最近トリュフがお気に入り。
 ブノワはトリュフが有名とのことで、この時期(2月いっぱいくらいまでです)はトリュフを頼むことができる。それでこのコキエットにトリュフをスライスしてもらう。妻も同じものを。トリュフはこの1皿分で500円くらいだったかな。


鹿肉のワイン煮込み 鈍い写真ですんません。微妙に酔っていました

 3~4時間じっくりと煮込んだ鹿の肉。STAUBの鋳物製プレートで提供。ジビエなので油が少なく、肉はほろほろと崩れるが、肉だけを口に入れると、口中の水分を持って行かれる印象。たっぷりソースを絡めていただく。

 デザートはババ・アルマニャック。小さなシフォンケーキのようなものに、蒸留酒のアルマニャックを目の前でかけてくれる。そしてアルマニャックの瓶を置いてくれる。「お好きなだけどうぞ」と。遠慮なくお好きなだけかけて食す。

すごい量

 そう、結構な量なんです。

 前菜、といっても写真の通りそれなりのボリュームのある料理で、それが2品。しかも2皿目はチーズクリームのパスタが皿いっぱい。いくら「大いに飲んでご馳走がたらふく食べられる愛すべき店」(ブノワのウェブサイトより)と言ったって、この量は・・。ワインを追加で注文して腹を落ち着かせようとしたが、それでも無理。

 結局メインの鹿肉は半分も食べられじまいで、実に残念なことをする。

 けれど周りのマダムたち、ワイワイ騒ぎながら私たちと同じ料理をペロリと平らげていたよなあ、私が小食になったんだろうかと思う次第。
 年のせいか、あまり一度にたくさんの量は食べられなくなっているんです。地元のビストロでは大丈夫なんだけど。

ビストロだが結構な金は払う