立川市内にて 漢検によると、今年の漢字は「税」なんだそうだ。
消費増税とそれに伴う生活不安が、この文字を選んだようだ。
さて振り返って今年を見ると・・。
1月、颯爽とデビューしたSTAP細胞と、それを誇らしげに発表した理研の女性。ほどなくして、ねつ造の発覚そして退職。
「全聾の天才作曲家」「現代のベートーベン」。実はゴーストライターが作っていた。どうやら聴覚障害とやらも疑問視されている。
こんなへんてこなニュースが世を賑わせた。
いやこんな芸能ニュース的に大きな話題以外にも、振り返ればたくさんの話題があった。
ヘイト集団の「在特会」と仲良く写真に収まり、あまつさえ献金さえ受けていた、山谷えり子国家公安委員長。問題を指摘されると「
ザイトクカイって何ですか? どういう字を書くんですか?」としらばっくれる。
事件を記したNAVERまとめ 辞任したとは言え、政治資金から後援会員に飲み食いさせていた上、自分の子育て費用まで政治資金として計上していた小渕優子元経済産業相。これもまともな説明のないまま、大臣辞任で幕引きを図る。検察もまともに動かない。
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そして今年の総選挙。自民党が議席を減らしながらも290議席を獲得(無所属が当選後公認され291議席に)。公明は議席を増やした。
しかし自民党の獲得票数は、比例票に限ってみると、2012年衆院選よりは得票数が多いが、大敗した2009年衆院選よりはまだ下回っているのである。
自民党の絶対得票率は、「比例代表で16.99%、小選挙区でも24.49%」(赤旗12月17日)に過ぎない。にもかかわらず、ありとあらゆる自民党の施策が「支持された」と安倍晋三は表している。
原発再稼働も、集団的自衛権行使も、秘密保護法制も、そして憲法「改正」も。小選挙区で全敗したにもかかわらず、沖縄の新基地を辺野古に作ろうともしている。
選挙制度の下で獲得された、かりそめの「多数派」によって。小選挙区では24.5%の得票で、またも75.3%の議席を獲得して。これこそ虚構の多数派なのではないか、と私は思うのだ。
冒頭上げた今年の漢字。3位には「嘘」がランクインしていた。けれど私はこう言いたい。この国この社会は、今現在、嘘と言うより「虚」があふれている。「本物」を見極められない「虚の国」であると。年始めのSTAPに始まり、虚構の多数派をまたも生んだ総選挙に終わる。これを「虚の国」としてなんと言おう。
その「虚」を来年は「真」に変えていかなければならない。その萌芽は少し出かかっている、と言えなくもない状況に、少しの希望を見いだすのである。
此度の選挙、いわゆる「第三極」の「虚」が剥がれ、骨太の野党が少しだけ伸長したことをもって。そこにわずかな希望を。