Riesling Unendlich Smaragd 2002 F.X.Pichler埼玉の松澤屋で購入 オーストリア、ピヒラー醸造所の、ドイツなどでは代表的なブドウ品種「リースリング」を使った白ワイン。日本語表記は「ウンエンドリッヒ」。「無限」の意味を持つ。Smaragdは「スマラクト」。ヴァッハウ格付で最高ランク。
裏のラベルにはTrockenとある。Trockenとは辛口のこと。「辛い」というか「硬い」、もっと言えば「苦い」感じになる。
おそらくオーストリアで最も高級なワインの一つ。
輸入元のウェブサイト
「株式会社エイ・ダヴリュー・エイ」を見てみると、Unendlichは1998年から作り始めたよう。ということは4年目のヴィンテージということになる。
オーストリアはドイツと近いこともあって、ワインもよく似た傾向のものを作っているようである。ただこれは、高級酒ではあるがしっかり発酵させて、アルコール度数高く、味わいは辛めに作っている。
2013年3月。11年熟成のこれが、ちょうど良い頃と思い、早速他家のホームパーティーで試してみる。最近はコレクションを消費する方向に切り替えたので、こうして高級ワインが開けられることになる。
硬いんだこれが
前にアルザスの貴腐ワインを飲んだときは、開けてすぐに最高、そして空気に触れるほどに素晴らしい香りと味わいであった。
抜栓し、グラスに注ぐ。色味はこの手のワインにありがちな、深い金色をしていた。
まず試飲して「むっ」。十分スワリングしたはずだが、まずは苦みしか感じられない。温度は10度前後。とにかく「硬い」のだ。ほんのりとしたリースリング香を感じられなくもないが、Trockenにありがちな苦みが先行し、そして果実味はまったく、ない。リースリング特有のオイル臭はわずかに感じられる。ドライな味わいで、「「果てることのない」余韻を持ったワイン」にはほど遠い。
こりゃいかんと思い、「しばらく置いておきましょう」と飲まずにおく。宴もたけなわの頃、1時間ほどしてもまだ硬い。
2時間ばかりして、ようやく香りが出はじめた。3時間ほどすると全開になったが、もうすでにみんな(私も)他の酒を飲んで、結構できあがっている状態。うまい、うまいはわかるのだが、細かな味がよく感じられない、という残念な状況になってしまった。長い余韻は、輸入元のうたい文句通りではあったが。
やはりこの手のワインは、じっくり花開くまで待てる状況でか、カラフェなどを持って行く必要があると感じた次第。
高級なワインは、扱いも難しい。ワインに見合った「飲み方」を知っている、そんな飲む側の力量が問われるワインであった。
おまけ
おまけ情報。このワイン、ビンの背がとても高い。私のワインセラー(フォルスターのLongFresh)には入らなかった。やむなく一番下に横置きで保管する。
保管して5年。ようやく飲む機会を得た。私にとってこれは幸せなことと思う。