私の家のほど近くに、東大和南公園というのがあって、結構広くてプールなどもあるものだから、よく行くのである。日曜は暑かったので子どもたちと妻をプールに連れて行き、私は公園を散策することにした。
 そこに、灰色の、小さな古びたビルがある。


旧日立航空機工場立川変電所

 外壁は傷だらけ、というか穴だらけ。米軍の艦載機による銃爆撃で、このような惨状になっている。掲示によれば、グラマンやB-29による爆撃が都合三回あったとのこと。
*当時グラマンと言えばF6FやF4Fのこと。当時の日本機よりも格段に高性能だった
 10年前に行ったベトナム、旧サイゴン市街にはこのような弾痕のあるビルがあって驚いた。そんなことを思い出す。実は近所にこんなところがあったのだ。

 そして何より驚くべきは、掲示によると、この施設は小松ゼノアなどが買い取り、1993年まで稼働していたということだ。
 私が東京に来た頃には、まだまだ現役で働いていた施設だったんだ・・。とはいえ、もうあれから20年。現在では多摩地域の戦争遺産を尋ねる際には、一番と言っていいほどの有名施設になっている。交通の便も比較的良く、見た目のインパクトも高いからだろう。