昔「ゼビウス」というゲームがあって、今はバンダイナムコホールディングスになっている会社の片割れ、namcoが作ったものだった。
 非常に美しいグラフィック、高いゲーム性とほどよい難易度、当時珍しいゲームの「設定」なるものがあって、大変な人気になった。

 私が住んでいた北海道の片田舎では、ゲームセンターすらまともになく、とある喫茶店に町内でただ一つのゼビウスがあった。それも純正品ではなく、これまた当時は当たり前にあったコピー製品「バトルス」だった。

 一応ゲームセンターや喫茶店に出入りすることは校則で禁じられていたのだが、ゲーマーにはそのような規則は無用。友人数名と堂々と出入りし、そこで何時間も粘るのだ。
喫茶店なので何かを頼まなければならず、一番安いのはバタートーストだったが、時々フルーツパフェなどを頼んだりする。しかもグループで一つだけ。

 今大人気のマンガ「ハイスコアガール」からさかのぼること約10年。バブル景気前、1ドル240円だった頃、ゲーセン黄金期はそんな感じだった。


当時の空気を知る人が読むと最高に面白い。知らない人でもやはり最高に面白い。