リハビリ室に立ち寄った折、テーブルの上に「トマト」と書かれた紙があり、青い果実が置いてある。

 何これ?どうしたの?

 OT(作業療法士)に聞くと「(病院の)庭で採れたんですよ。でもトマトは植えていないはずなんですけどね」と。

 作業療法とは、一般の人がイメージするいわゆるリハビリとはちょっと違い、日常生活で行われる各種の作業を行うことで、患者の自立度を上げていくというものだ。その作業とはいろいろあるが、当院では小さなリハビリ用農園が用意されており、簡単な農作業を行ってもらう事もある。

 私もリハビリ農園にトマトは植えられていないことを知っていたが、この実が何であるかはすぐに分かった。


これはジャガイモの実


縦切りと横切りにしてみる


こっちは本物のトマト

 ジャガイモは、トマトと同じナス科の植物で似たような花を咲かせるが、実もこのようによく似ている。このようにたまに実を付けることがあると小学生の頃に本で知ったのだが、本物を見るのは初めてだ。

 トマトと違って実の付き方がちょっと違う。またいつまでも青々としているトマトとは違い、ジャガイモの葉は早々に枯れてしまって、実もぽろぽろと落ち始めた。

 ここで改めてジャガイモの実とは何かと調べると、熟せば食べられるらしいとも聞いた。けれど私はジャガイモの実には毒があると大昔に聞いたことがあるので、食べないでおく。

 まあ、このような日常の中で仕事をしている。

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