・自転車は車道の左端を走行。速度制限は自動車と同じ。・歩道を走る場合は車道側を徐行して走行(歩行者専用道路では走行できない)(2台以上で併走、道路逆送などの交通違反行為については詳しく記載しません。)
しかし実際には・・ 道路の左端は、排水用の下水溝があり、コンクリートの継ぎ目などでこぼこがあったりする。コンクリなので場所によっては路面が割れて陥没しているところもある。自転車は自動車よりも悪路には弱いので、5cm程度の穴でも大きなショックがある。
雨や雪の場合、道路の端は水たまりや雪だまりができやすく、そもそも自転車が走れなくなることも少なくない。
ゴミなどの障害物も多い。
路上駐車があればそれを大きくよけて走らねばならない。
車が走る場所については除雪も含めて頻回に整備が行われ、快適に走行できるのだろうが、悪路走破性の低い自転車が走る道路が、自動車よりも劣悪な環境で走らねばならないという逆転現象が起こっている。
立川市にて 先日の雪で道路脇は雪でびっしり 車道を自転車で走っていた同僚がクラクションを鳴らされたとか 自転車の左端通行は、道路を横断する際にも困難をもたらす。道路を横断するには、よっぽど交通量の少ない場合ならともかく、信号を利用せざるを得ない。目的の道までたどり着くのに、信号のある交差点で進路変更し、やむを得ず道路を逆走して目的地に行かねばならない。
また、自転車はストップアンドゴーを繰り返すと体力を消耗する。ところが都心・・と言うより人口が多く、無計画に道路拡張が行われた多摩地区のような郊外には、やたらと信号があり、1km程度の距離に10以上の信号を設置している地域もある。
・・といろいろと現状の問題点を書き連ねたけれど、このような問題が発生している要因は何かというと、実は非常に単純なこと。それは・・
道路行政が自動車中心に作られているからだ。自動車優先はやめよう~まず自動車ドライバーの意識改革を上記私が挙げた問題は、自動車中心を改めればすべて解決する。自転車走行を考慮せずに 道路をつくるから、自転車が歩道を走ることを想定しているから、道路の左端はなかなか整備がされない。
道路の横断は、自転車も自動車やバイクと同じように、道路の中心に移動して横切ればよい。
きちんと歩行者優先の原則を自動車(および自転車)が守れば、横断歩道にやたらめったら信号を設置する必要はない。
信号街道 見にくいですがこの画像のライトはほとんどが信号機からのもの これらができない、やりにくい状況なのは、自動車ドライバーに車道は自動車のものという意識があるからだろう。そしてそれを結果的に補強してしまっている道路行政のありかたである。
だからこそ車道を走る高校生に罵声を浴びせる悪質なドライバーも出るわけで、道路行政を抜本的に見直し、自動車ドライバーの意識改革も同時に進める必要があるように思う。
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私は少々前に、運転免許の更新を行った。初回更新なので2時間の講習が義務づけられているが、交通安全協会の講師は、2時間の講習時間中、自転車に触れたのは「傘差し運転の禁止」など、自転車側の義務に関してだけだった。4年前の自動車教習所では自転車について触れていたけれども、あくまで「自転車を運転する場合は」法律上こうなっていますよ、という内容だった。「自転車は本来このように走らなくてはならないから、ドライバーはこのように対処しなさい」という内容ではない。
これではドライバーの意識は変わらない。
当面すぐにできることとして まず交通安全キャンペーンで自転車の扱いを明確にすること。自転車の交通ルールを周知すると共に、ここが大事だが、自動車ドライバーには特に執拗に自転車の本来のありかたについて周知させる。自転車への「あおり」などは当然厳しく取り締る。
一部自治体で実施しているように、道路の左端にペイントをして、自転車通行エリアを設置(自転車「専用」レーンではない。自転車がおおむねこのエリアを走行する、という意味で)。
細い道路の相互通行を見直し、一方通行化することにより、自動車の利便性を下げ、その他の交通弱者の安全性を高める。
これだけでずいぶんと改善すると思う。なにより重要なのは交通行政の意識変革と、現在日本国民の6割が所持しているといわれる自動車免許を保持しているドライバーの意識変革、この二つが必要と思う。
交通強者である自動車、強者が優遇される社会はおかしい。自転車という社会通念上曖昧な立場にあるものから、道路行政の矛盾を見ていきたいと思う。
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冒頭に記した12月半ばの朝日新聞の投書は、実は私の投書。字数の関係でだいぶ編集されたけれど、当初の内容は、シートベルト着用や飲酒運転撲滅に見られるように、行政側が襟を正せば自転車関連事故は改善できるということを主眼に置いていた。編集後もおおむねその辺の内容は崩れていないと思う。ただ投書にある私とドライバーとのトラブルは、掲載内容通りの甘いものではなく「怒鳴り合い」であった。
今でも気になる。
数百メートルに渡りクラクションを鳴らし続け、信号待ちで言いがかりをつけてきた男性は、実はドライバーではなく、助手席から降りてきた。とっさに車内を見た。ドライバーである妻と思われる女性は、表情硬直し、こちらに一切視線を合わせない。「夫」の行為に賛同しているようにはとても思えなかった。後席には幼児が見えた。この家族の行く末を案じた。
やりとりを振り返って思ったが、この「夫」は人格面に何らかの障害を持った人物かも知れない。だとすれば家族はDVに苦しんでいるのかも、とあのとき、少しやるせない気持ちになった。
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冒頭注)思うに吉村作治は、専門外のことに首を突っ込むのはやめた方がいいと思うのだ。今回のインタビューも、自転車を取り巻く法体系や現実を、あまり知識のないまま感覚的に述べただけという印象がある。だから高校生の反論が実に大人びて見える。
この人物、10年くらい前のテレビ番組で、エジプトのムバラク政権に対する批判に関して「野党は片寄った主張をしている」と話していたことがあった。そして今ムバラクはどうなったか。エジプト人民はどのような評価を下したか、言うまでもないですね。