15日は66年前、日本が仕掛けた戦争が一応の終結を見た日であった。
なんだかぼんやりとネットを巡回していると、日本の朝鮮併合はこんなにいいこともあった、「大東亜」戦争はアジア解放の戦争だった、なんてのにぶち当たることがある。そんなときにこう思う。じゃあなんで韓国ではこの日を「光復節」なんて呼ぶのか、独立を果たしたアジア各国で、いったいどこが帝国時代の日本を賛美しているというのかを考えれば、それが世迷い言に過ぎないことが分かろうというもの。
ちょっとした想像力の問題なのだ。それが欠如していると、簡単にそうした「戦前は良かった」「日本は強かった」みたいなものに騙されてしまう。
その辺の想像力は人付き合いとか、仕事のやり方とか方向性とか、つまり社会生活を営む上で必要とされるスキルのはず。私がネトウヨ系をいまいち苦手にしている(人付き合いという面で)のは、その辺の想像力が欠如した人って、実生活でも扱いにくい側面があるからなのかな、と思うこともある。
日本の侵略戦争で2000万人以上が犠牲になったのは歴史的事実・・だが
さて
北海道は長万部町の「ゆるキャラ」まんべくんの公式Twitterでの発言(というか一部フォロワーの騒ぎ)が物議を醸している。
経過は簡単で、ゆるキャラだけれど実は毒を吐くまんべくんが、14日のTwitterで日本の侵略戦争や被害者の数などをつぶやいたことが発端で、それをみた人々が賛同したり抗議したり。一部は市役所に抗議の連絡をした者もいるらしい。
まんべくんのTweetは、歴史的にはごく当たり前の内容で、それ自身がヘイトスピーチとか歴史修正とかいった内容ではない。
しかしそれが何故大騒ぎになって、市が公式Twitterを止めることになってしまったのか。そもそも何故「騒ぎ」になってしまったのか。
くだんのまんべくんTwitterはこちらhttp://twitter.com/#!/manbe_kun まんべくんのTwitterはもう更新されなくなったようで、騒ぎになった関連の発言はかなり削除されてしまっているようだ。しかし一部についてはまだそれを読むこともできる。経過を報じたニュースの記事では、まんべくんが「侵略戦争」発言の後、質問メールを匿名化して掲示したりと、ちょっとやり過ぎ感はあったけれど、私は今回の騒ぎ、まあBlogとかでもよくあるいさかい程度じゃないのかな、という印象を持ったけれど。
だから少し不思議なのだ。何で全国ニュースになるほどの騒ぎになったのか。抗議の電話が町役場にあったらしいけれど、なぜに公式Twitterを中止するような事態になったんだろう。
他のBloggerの方も指摘しているけれど、侵略戦争を否定する人たちの抗議に屈服して「お詫び」なるものを出すことは、結局侵略戦争否定という意見に加担するってことじゃないのか、それって行政として大丈夫なのかって思うのだ。
そりゃ町としては、別会社に委託しているゆるキャラの、なんかよく分からんインターネットでのもめ事を、現実の町政に持ち込まれちゃかなわん、てな思いだろうけれども、もうちょっと賢い対応ができんかな、とも思うのだ。
これを報じたテレ朝のニュース番組で、あるコメンテーターから「終戦記念日に侵略戦争というのはまずい」みたいな発言を聞くに、侵略戦争と言わない方がまずいだろう、と考える私である。こんな意見がテレビマスコミの大勢になっているとしたらゆゆしき問題で、日本国でさえ公式見解として侵略戦争という認識なのだから。
ある芸能人がヘイトスピーチめいた発言をして、それに呼応した一部がテレビ局に抗議したり、民主党政権のていたらくもあって、またぞろネトウヨっぽいのが息を吹き返す兆しがあるようにも感じるけれど、こういった人々はほったらかしているといつでも息を吹き返す。
何せ崩れそうな自分の自我を守るのに、「民族」とか「国家」みたいなのを持ち出すのは非常に楽だから。何もしなくても、ただそこにいるだけで優越感を得られる事象というのはとても少ない。何というか、ありもしなかった過去の「栄光」にしがみつく寂しい老人に似た、浅ましい世界。
ヘドが出る。
最後に もう公式Twitterのなくなっちゃったまんべくん。知ってるかも、だけど、昔「ママと遊ぼうピンポンパン」ってフジテレビの朝の番組があって、その番組で使っていた歌の中に「長万部」ってしこ名の力士が出てくるんだよ。読み方はもちろん「おしゃまんべ」(笑)。30年くらい前の話です。