新年度が始まりました。4月はやっぱり忙しい。

 15日から発生した熊本の巨大群発地震は、直下型地震としては近年にない大きな被害をもたらした。改めて日本列島というのは、多くの活断層が存在する地震国なのだなと思う次第。
 私の住んでいる地域も、間近に活断層を持つとされる地域であり、今回の地震は他人事ではない。

 さて、まだ一週間もたたないうちに、このような報道がなされている。

避難者宅など空き巣の被害 警察、注意呼びかけ 熊本地震(朝日新聞:2016年4月19日)
 警察庁は18日、熊本地震で避難している人たちが自宅などの空き巣被害に遭う事件が7件確認されたことを明らかにした。警察は不審者に注意するよう呼びかけている。警察庁によると、14日の地震発生後から18日午前7時までに熊本市で4件、熊本県大津町で2件、同県益城町で1件の被害が確認された。(デジタル版全文引用)


 最近一部でもてはやされている「日本Sugeeee」的な本には、日本は災害時でも犯罪一つ起こらない的なことを書いているものもあるが、東日本大震災、特に原発災害によって避難した福島県下では、多くの窃盗事件が発生した。私も2012年の福島県調査で、窃盗に怒る被災者の貼り紙を見たし、同県で被災した人を追った優良なルポ「ふくしまノート」でも、多くの人が空き巣被害に遭ったことを告白している。




 災害に乗じてこうした行為をなす人を称して「火事場泥棒」と言う。これら犯罪行為に軽重はつけられないけれども、多くの犯罪行為の中でも倫理的に「最低」とも言えることなんじゃないかと思う。

 さて、火事場泥棒は熊本や福島だけではない。もっと多くの火事場泥棒があちこちで発生している。熊本の地震被害をあざ笑うかのように。

憲法に緊急事態条項を組み入れたい安倍政権が行う「火事場泥棒」