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昔の入院と1980年代の気管支喘息のこと -自己決定権の罠「六歳の原点」を読んでの回想 [雑想]

 さるフェミニストの方が紹介していたので、電子版を購入して読んでいる。小松美彦教授の「『自己決定権』という罠」。


*kindle版 最新版の一つ前


*最新版 電子版なし

 この本の主題とは別に、著者の小松氏が虎の門病院に6歳の頃2週間入院したことを記述しているが、これを読んで思い出す。私も入院していたことがあったのだ。1980-81年に。

入院したこと 1980年。北海道日高地方の大きな病院で

 私は子どもの頃、3度ほど入院した。
 体があまり強くなかったのかよく風邪も引いた。なにより気管支喘息だったので、よく発作を起こしそれが決まって深夜なものだから、翌朝までほとんど眠れず学校を休むことがあった。
 喘息というのは、発作時に気管支が炎症で細くなる病気。横になっていると息苦しくなるので、椅子に腰かけるなどして体を起こすと-ほんの少し-楽になる。でもそうすると眠れない。ほぼ夜が明けるくらいまでまんじりともせず、でもさすがに睡魔に負けていつの間にか眠って目が覚めると朝で、学校に行かなければならないのは結構しんどかった。

 さて、一度目の入院は虫垂炎だった。地域で一番大きな赤十字病院に入院した。小児科病棟はないので女性の8人(6人だったかも)部屋だった。その病院では毎朝6時になるとスピーカーから音楽が流れてくる。起床時間なのである。そして「検温の時間です」というアナウンスが流れ、看護師が病室に入って水銀式の体温計で検温する。水銀式は計測に5分ほどかかるので、看護師は一旦別の患者に対応し、しばらくして戻り体温計を回収していく。昼ご飯は普通の時間なのだが、夕食が早い。午後4時半にもう配膳されるのだ。消灯時間は必ず午後8時。それ以降は起きていてはいけなかった。
 その病院は最上階に売店があって、そこで時間を潰すのが唯一の娯楽だった。なにせ病室にはテレビもないし、音楽も聞けない。ソニーからウォークマンが発売されたくらいの時期だったが、そんな高価なものを小学生が持っているはずもない。もちろん携帯電話もない。公衆電話で連絡するくらいしか通信手段もなかった。
 当時は虫垂炎術後でも7日間ほどの入院が必要だったので、とても暇だった。しかも最終日、抜糸の日だったのだが喘息発作を起こして呼吸器的診療を行い帰宅した記憶がある。

2度目の入院 1981年。田舎のある町立病院のこと

 当時気管支喘息は一応発作時に薬らしいものは飲むこともあったが、あまり効果を感じられなかった。でも発作は断続的にあった。
 月に数度はそんな発作が起こり、時間外に田舎の町立病院に受診した際、対応した医師は不機嫌(*)そうに入院を宣言した。1981年の秋頃だ。こうして私の2度目の入院が始まった。
*現在のレベルの「不機嫌」ではない。明らかに怒っているわけだ。その理由は最後に書く。

女性の6人部屋 とんでもない患者たち

 私は男性だったがまだ小学校高学年だったので、当時田舎の病院で小児科病棟などあるわけもなく、またも女性の病室だった。6人部屋だったと思う。
 前回虫垂炎の時は、他の患者のことなど全く気にならなかったのだが、今回の入院は期間が決まっておらず、両親は数日のつもりだったが半月も入院になってしまった。すると同室内の他の患者も見えてくる。
 当時はベッドネーム部分に名前と、生年月日と年齢、そして入院日が書かれていた。子ども心にぎょっとした。「この人2年も入院してる。あ、あの人は1年も」という感じでやたらと長く入院しているのだ。全員認知症(当時は老人性痴呆と言った)でもなく、スタスタ、とまではいかないがしっかり歩いて元気なのである。何の病気なのだろうと思うとどうやら糖尿病だったり、心臓の何かだったりするらしい。
 年齢は60代後半から80代半ばまでだった。90代はいなかった(*)

 糖尿病の「患者」はこっそり差し入れの大福とか饅頭とか食べているし、正直なんの治療をしているのかさっぱりだった。食後の服薬は皆あったが、それ以外は、検査するでも経過観察するでもないという感じだった。これは私が子どもで見ても分からなかったのもあると思うが、実際投薬以外の治療はしていないだろう。
 そして同室者には、性格がねじ曲がっているのがいた。こそこそ嫌味を言ったり、なにかするたびに文句を言ったりと、そんな人が病室に1~2人はいる。
 面会に小学生の学友が来たり、親が来たりと私のところには頻繁に誰か来る。子どもだったし現代では当然だろうが、どうもそこが気に食わなかったのだろう。長期入院のこうした人には滅多に面会が来ず、たまに来ると同室者の文句ばかり言っている。で私が何かするとぶつぶつ小言を言っている。
 私にはそれが不快で仕方なかった。
 穏やかで優しい人も入院するが、そんな人に限ってすぐに退院してしまっていた。

 思うに、口さがない言い方すると家族に疎まれて入院させられちゃってるのかな。本人それを自覚しているから性格がねじ曲がったのか。それとも性格が悪いから「捨てられた」のか。
 まあ今更どっちでもいいや。そんな人が当時はいた。「社会的入院」というやつだ。これが全国共通かは知らないが。

*60代後半をなぜ覚えているかというと、「私は70歳なのよ。だから老人医療使えるはずなのよ」と何度もグチっていたから。あまりにもグチが多かったので覚えている。1981年頃の60代は子どもの頃数えで年齢を呼称するから70歳といっても満年齢では68-69歳になる。この頃は老人医療費が無料だった時代なので、対象なら入院医療費も無料だったはずだ。食費も同様。ちなみにこの人も性格が悪かった。

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喫茶ルーブルと喫茶室ルノアールと菊屋ビルディングのこと [雑想]

 立川市に「菊屋ビルディング」という古いが大きなビルがある。建築年代は1970年代後半くらいだろうか...と思って調べたら1969年だった。通りに面した1階の食器店が菊屋で、自社ビルのようだ。

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菊屋ビルディング全景

 クラシックなエスカレータで2階に行くと、これまた道路に面したエリアの多くを使った喫茶店「喫茶ルーブル」がある。入ってすぐに、分かる人には分かると思うがここは10年ほど前までは「喫茶室ルノアール」だった。ルノアールが撤退したときに、そのまま居抜きでルーブルが引き継いだということのようだ。メニューすらほぼ同じだったりする。

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クラシックなエスカレータと照明、そして飛び出したスプリンクラー(証明と照明の間にあるオブジェのようなもの)が時代を感じさせる

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ルノアールから引き継がれた独特なソファとイス

 コーヒーはブレンドとアメリカン(*)。他にもいくつかドリンクメニューがあるが、頼んだことがないのでよく覚えていない。
 午前中11時30分まではモーニングメニューがあり、ドリンクに追加で80円から130円出すと金額に応じてトーストや卵サンドイッチ、スープなどが付いてくる。このモーニングのコスパがすごく高い。コーヒーを飲み終えてしばらくすると、店員が熱いお茶を持ってくる。この通りコーヒー一杯で長く居続けることも可能。クラシックなサービスでゆったりと時間を使える、それがルノアールでありルーブルであった。
*知らない人も増えていると思うので注記するが、「アメリカンコーヒー」とは薄いコーヒーのことである)

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ブレンドコーヒーとモーニングBセット

 「喫茶室ルノアール」は都心に多くあり、外回りの会社員などが多く利用しているイメージがある。立川にも菊屋ビルの他、北口と南口にそれぞれ一軒ずつあって、北口のそれはビル建て替えに伴い閉店しているので、今は南口に一軒だけとなっている。

 こんな形態なので、客層は年齢高め。時々年寄りが集まっておしゃべりに興じていることもあるが、多くの場合店内は静か。特に朝はそうだった。

私にとってのビジネススクール(ただし自習)

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コロナウイルスとコロナワクチンとの個人的な体験 [雑想]

 新型コロナウイルス感染症が猖獗を極めた12月、とうとう私(と家族)も感染してしまった。コロナウイルスに。

経過と感染状況

 まず上の娘が感染した。感染前は満員電車で通学したりライブに行ったり私とアウトレットに行ったりしていたが、どこで感染したかはもうわからない。幸い娘の部屋は隔離にちょうどよく、他の家族との導線が重ならない場所になっていた。とりあえず5年ばかり前に買ったシャープ製の空気清浄機を置いた。隣接するトイレには紫外線(254nm)殺菌装置を置いた。
 翌日近隣の発熱外来の予約が取れ、屋外でPCR検査。予想通りコロナウイルス陽性だった。発熱は39度くらいで、アセトアミノフェンを随時飲んでいたこともあり、数日で平熱に戻ったようだ。大学へ私が連絡し、その後スマートフォンから自分で各種登録を行っていた。

 私の自宅は幸いなことにペットボトルの水が大量にあり(年末なのか安かった)、食品の備蓄はそれなりにあるためさほど困らなかった。それでも私が2度ほど外出して買い物をした。

 しかし。

 娘の発症から3日後、妻が発症した。翌日の発熱外来受診で陽性であった。その3日後私も発熱した。私はもう面倒なので発熱外来は受診しなかった。だから私は患者数にカウントされていない。
 私たち夫婦の感染源は間違いなく娘であって、二人で食事や身の回りの品を届けたり片付けていたので、気を付けてはいたが感染した。・・正直言うと私はそんなに気を付けていなかったけど。

 一時私は二人を看病しつつ下の娘の学校準備などしていたが、私が発症してからは一転、私が部屋に隔離され、他の人が食事だけ用意するようになった。娘もオムライスなど作ってくれた。発症日を発熱の前日と想定し、症状改善もありクリスマス前には隔離解除とした。

 下の娘は病人に近寄らせなかった。そのためかこんなに感染力が強いにもかかわらず、感染しなかった。

私自身の経過
(50代男性・気管支喘息・アレルギーあり・脂質異常症(未治療)・心電図検査で時折異常あり)

 私の症状はさほど重くはなかった。一応ぜんそくとアレルギーがあるので重症化リスクはやや高めのはず。が、発熱も39度になったのが一日だけ。それも私自身は気が付かずパソコン操作していると、顔が赤いと妻が心配して測定し出た数値だった。
 呼吸器系も咳が時折ひどく出る以外はまったく問題なし。血中酸素濃度(これも一昨年中国製のものを購入済み)も一貫して正常だった。
 私の場合、症状はインフルエンザとほぼ同等だった。ただし2017年くらいまでおそらく毎年感染していたインフルエンザは、発熱は37度くらいで咳等の症状はほとんど出なくなっていたが。

 隔離中、時間を持て余している人が多いと聞くが、私は部屋の中で様々できるように環境を調整しており、本も大量にあるしオーディオ環境も整っているので全く困らなかった。動かないので空腹にもならない。

 東京都などから物資をもらったという報告があるが、私は申請しなかった。食品はとりあえずあるし、そもそも陽性者登録には検査結果の添付が必要だったはず。結果は電話でもらっているため医療機関まで取りに行く必要がありそうで、発熱外来がパンクしている現状ではそのようなストレスを医療機関に与えたくないとの私の配慮もある。

コロナウイルスワクチンのこと ~ささやかな後遺障害と思われるもの

 コロナウイルスワクチンは昨年1月末に3度目を接種済み。私の家族も夏までに3回ワクチンを接種済みであった。私はファイザー・ファイザー・モデルナ。他の家族は3回ともファイザーであった。

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よく考えるとこの社会はとんでもないことになっていたようで ~2022年を振り返る [雑想]

今年もようやく終わる。簡単に振り返る。

 今年2022年の大きな話題と言えば、やはり安倍晋三が殺されたことが大きい。個人の存在が大きいとかではなくその死後に起こった諸々の案件が非常に大きかったということだ。

・彼の死後統一協会(*)がクローズアップされた。
*私は「教会」と表記しない
・・実行犯が統一協会の二世で、自死すら行うほどに追い込まれていたこと。
・・政治家と統一協会との癒着が明るみになったこと。その過程でいわゆる「ネトウヨ」層に統一協会員が少なからず組み込まれていたことが発覚したこと。
・・多くの統一協会を扱ってきたジャーナリストや学者が、マスメディアへの出演や著作の発刊などで日の目を見たこと。

 これは私たち政治に目を向けている層からすると昔から知られていたことで、近くの自治体八王子市の議員「萩生田」などは地方議員の時代から統一協会との関係が深い(*)ことで有名だった。
*我々はこのような人物を「勝共系」と呼んでいた。
 そして統一協会への日本国民の忌避感が、これほどまでに強いものであることが明らかになったこと。やはり元首相の暗殺という契機があったにせよ、私自身ここまで統一協会を憎む世論があったのだということを改めて実感した。もはや統一協会とそのダミー団体(勝共連合とか世界平和教授アカデミーとか勝共UNITEとか)は表立って活動はできまい。これは一つの進歩ともいえよう。

 すっかり有名になった鈴木エイト氏は、やや日刊カルト新聞で10数年前から統一協会関係の記事を書いているのを目にしていた。サイトを主宰している藤倉氏ともちょっと違い、誠実な筆致に関心もしていた。そして何より情報が入りにくくなっていた統一協会関連の記事を出し続けていることをありがたく思っていた。それが連日のようにテレビ出演をするなど隔世の感がある。
 こうして地道に取り組んでいるジャーナリストが日の目を見るのはうれしい。

 自民党や右翼系政治家がここまで統一協会と関係している、ある者は信者ですらあるという事実を私たちは決して忘れず、このような破壊的カルトがなぜ政界に浸透しているのか、それを許している政治勢力は何の意図があってそうしているのか、2012年からの自民党政権でそれが一層強化され、その中核に安倍晋三らがいたことを考えたい。
 そしてそれらを決して許さない、自民党を決して許さない世論喚起が重要なのだと改めて思う。

そして..。

・世論の批判のもと開催された東京オリンピックが、泥沼の利権構造であることが明らかになったこと。

 これも考えたい。安倍晋三が直々に「絶対に逮捕されないようにする」と明言していたこと。そしてその重しが取り除かれ、元電通の大物らが逮捕され、全容がこれから明らかにされようとしている。

・・・・・

 民主国家において、暗殺は効果が低いとされる。権力者を倒しても権力構造はそのまま残り、政治体制は揺るがないのが通常だからだ。
 しかし安倍晋三の死とともに噴出したこれらの問題を見ていると、日本とは本当に民主国家だったのだろうかとの疑念を抱かざるを得ない。

 かつて日本は「経済は一流、政治は三流」などと言われていた。バブル絶頂期当たりの頃だ。
 すでに経済は30年間停滞し、昨今特に(これも安倍が死んでから顕著なように思うが)日本の賃金が上がらず、経済が停滞し続けていることと、今年顕著になったインフレで生活が厳しくなっていることがよく報道されている。

 政治はますます劣化し、経済はすでに三流になり、その流れが加速した2012年以降の自民党政治。それに深くかかわっていたのが破壊的カルト組織統一協会。
 それが白日の下にさらされたのが安倍晋三の死だとは、何とも日本社会の劣化とはここまで来てしまったのかと慨嘆せざるを得ない。
 安倍政権というものがどれほど狂っていたのか、そこからの回復にどれほどの時間がかかるのか、それを考えるに野党となった後自民党が極右化したことで、この国に与えたダメージがどれほど大きかったのかを考えたい。


Twitterのこと

 安倍政治との関連を考えるにTwitterも挙げておきたい。私個人は今年からTwitterを少しやるようになって、何度か「バズり」というものも体験した。それを契機にフォロワーも増えた。

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宗谷本線を普通列車で 札幌~旭川~名寄~稚内 [旅行]

 11月、医療情報学会大会に参加するため札幌へ向かう。何やら全国旅行支援とやらがあって、やけに安価に宿泊予約ができた。航空券はANAマイレージ特典で確保・・行きの羽田-新千歳行は取れた。あれ?最終日が全便満席になっている。困ったな。じゃあここ数年考えていた宗谷本線に乗ろう。しかも鈍行で。最終日翌日・月曜日の稚内-羽田便はすんなり取れた。

 さて札幌だ。2006年以来の新千歳空港に着く。札幌に向かう電車の窓が汚いことが気になった。

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車窓がほぼ見えない

16年ぶりの札幌

 札幌駅に着くと、ホテルチェックインまでは時間があった。大丸札幌店に行くと本土ではすっかり有名になったLeTAOで、店舗限定のクリームパンを限定販売していた。代表製品のドゥーブルフロマージュと同じもののようだが、冷凍などされておらず食感はふわふわだった。

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平日15時なのに20分程度で売り切れた

 2006年、このBlogに当時のことを書いた。そこからさらにさかのぼること17年前、1989年に私は札幌に住んでいた。2006年頃は札幌の変化は駅前くらいであまり変化はなく、当時通っていた店も結構残っていた。しかし今行くと狸小路のコーシカも、北大そばの薫風書林もなくなっていた。そもそも大学そばの古本屋自体がずいぶんなくなってしまったように思う。そりゃそうだ。国立の一橋大学付近の古本屋もかなりなくなった。

医療情報学会の大会に参加するついでに-懐かしい札幌のこと

 2006年では、まだスマホもなくケータイでやり取りしていた。FAXも各家庭で現役。LINEもTwitterもInstagramも、Youtubeもまだないか、サービスの初期段階だった。
 そして1989年当初よく利用し、33年後も健在だった南海堂書店とコープ北12条店で33年ぶりの買い物をする。

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東急のこの大きな看板も昔からあるよなあ

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時計台は結構きれい

 日本三大がっかり観光地なんて呼ばれている時計台だが、写真スポットも設置され、そもそも古い建物なので見ごたえもある。入場料も200円と安い。観光客もそこそこいる。
 大通り近辺を久々に回り、丸井今井デパートでウインドーショッピングをする。前回は立ち寄らなかったので33年ぶりの来訪になる。当時道内ではまだ珍しかったアニメグッズの店が書籍コーナーに併設されていて頻繁に立ち寄っていたが、今はもうない。

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2006年もお邪魔した清華亭。順調にすすけている

 札幌にはこの清華亭のような明治時代からの建物がいくつかあり、こうして中に入れるのだが、最後に訪れてから16年。しっかりその分すすけている。

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パセオ跡地

 1990年初頭に札幌を去る際に開業した駅直結の商業施設パセオ。今年の9月末で閉店し、今や通路のみとなっている。これが出来た頃はバブル経済真っ盛りで札幌も今よりはるかに活気があった。そう感じるのは私が年を経て若さに特有の活気が薄れている以上に、社会が沈滞してしまっていることもあるのだろう。
 30年の経過とは恐ろしい。ちょうど一世代分の経験が失われてしまうほどの時間なのだから。そして30年間成長しない国家で生きていく国民を生み出した。ここ10年間は安倍政権とその後継がそれらをより悪化させてしまったことも考えたい。

いよいよ稚内へ

 学会参加も終わり、さあこれから稚内行だ。いろいろ計画を立ててみると、すべて鈍行だと一日で札幌から稚内にたどり着くのは早朝6時出発となる。これはしんどいので午前10発のライラックで旭川まで行き、旭川-名寄、名寄-稚内の普通列車ルートをとった。
 北海道に住んでいたのだが特急「ライラック」に乗るのは初めてだ。1980年にL特急ライラックが始まったニュースをちょっと覚えている。
 札幌駅のみどりの窓口で切符を買う。「札幌から稚内までの普通乗車券と、旭川までの特急券を」というと、駅員が心なしかニコニコしている。そりゃそうだろうなあ。

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マイナンバー関連システムを無邪気に信頼していいものだろうか ~第42回医療情報学連合大会(JCMI42) [医療情報技師というお仕事]

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会場の札幌コンベンションセンター

 表題の学会大会へ2017年以来5年ぶりの参加。

 今回初日(実際は11月17日から開始しているが、開会式が18日だったので初日を18日とする)は1日いっぱい会場の札幌コンベンションセンターでの参加。MRIなどの画像・動画をAIで解析し、手動での調整を簡素化するなど、放射線技師や医師の業務支援をするシステムや、画像解析データを蓄積しAI解析でアルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症のAIによる初期鑑別をするもの、またWebを使用した精神疾患のAI診断サービスなどがあった。
 久しぶりに参加したので私も質問をしてみたりする。

 午後はランチョンセミナー(マイクロソフト)に参加した後、「日本の医療に期待される今後の遠隔医療について」参加。お恥ずかしいながら遠隔ICUというものを知らなかったので、役に立ちました。

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ホテルでのリモート環境。10.5インチだが意外に快適

 2日目はホテルからリモートでの参加に切り替えた。
 リモートにしたのは、この会場、Ciscoのwebexを使っており、その感覚と運営状況を参考にしたかったのと、久しぶりに革靴-それもイタリアのマッケイ製法の-を履いて行ったら見事に足を痛めてしまったから。
*イタリアの靴ってなじむととてもいいんだけど、必ず一度は足を痛めるんだよなあ。
 閑話休題。

 で、2日目。北海道における医療介護の情報共有システムについて。名寄と函館の病院から連携システムの経験について解説。
 うむうむそうだよなと共感しつつ聞いていると、その中で地域医療連携との関係からマイナンバーカードと医療情報との連携に加えて、早く介護保険も連携させよという意見が見られた。学会長・大会長講演でもマイナポータルなどに好意的な視点があった。自民党の「医療DXシステムビジョン」なるものの紹介もあった。
 確かに一元化できれば本当に便利になるし、それは疑いないことだと思う。情報共有でアセスメント情報などは各人がいちいち全部患者・利用者に聞く必要がなくなるのなら。あれ聞く側も聞かれる側も手間なんだよね。でも、うーん。


 ん~、でもちょっと無邪気に過ぎるんじゃないかと思う。

私たちは医療情報を一元化していいような国に暮らしているのだろうか

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鬼怒川温泉でワーケーションというものをしてみた [旅行]

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鬼怒楯岩大吊橋からホテルサンシャイン鬼怒川を望む

 コロナ情勢で急速にお仕事がテレワーク化された。以前「『Zoom』というソフトがどうやらリモート会議では使いやすいらしいよ、動作も軽いし。じゃあ誰も使ったことないからマニュアル作ってみようか」..なんて検討をしていたほんの5年前がウソのようである。
 それに合わせて「ワーケーション」なるワークとバケーションを合わせた造語で、観光地で宿泊し仕事はリモートで行うというのも一部で流行り始めた。いや流行ってるのか?というのは置いといて。
 ワーケーションではないが、ちょうど2年前、東京駅近傍で会議があった際、そのまま銀座でちょっとハイクラスのホテルに泊まったら、同僚から羨ましがられたっけ。リモート参加も可能だったので、iPadでリモート参加しても良かったんだよな。

Otell.comでワーケーションプランを

 さて、最近「Otell.com」というサービスが始まった。なんでもワーケーションをテーマに2泊から4泊とやや長期間連泊するプランを安価に設定し予約できるサイトだった。主に平日でのプラン提供(仕事なので)もあって、気軽に使ってみようと言うには敷居が高目。ただ私は一線から退いているので時間の自由度が高く、この手のものには参加しやすい。というわけでやってみる。「ワーケーション」を。

 宿泊地は栃木県の鬼怒川温泉。鬼怒川に決めたのは、ズバリ価格が安かったから。そして温泉地だったから。月〜金の4泊希望だったが予約できず火曜から3泊。費用は素泊まりだが2万弱(消費税込。入湯税は150円/日で別会計)。実はこの価格ならちょっと先の川治温泉とかではありそうだが、ワーケーション用に設備も整っているだろうと判断し決めた。

 宿泊地は「ホテルサンシャイン鬼怒川」という鬼怒川温泉郷の手前(南)にある14階建てのホテルである。
 ホテルは80年代くらいの建築だと思う。すすけた部分はあるものの、よく手入れされており状態は良好。ホテルのすぐ裏には歩行者専用の吊り橋「鬼怒楯岩大吊橋」がある。観光客の出入りが平日にもそこそこある。
 駐車場は広いのだが到着当日はほぼ満車だった。従業員に聞くと本日は「ほぼ満室です」。あれ、鬼怒川ってちょっと寂れていたんじゃなかったっけ。駐車場が満車の場合はホテルに相談すると空いている場所を用意してくれるようだ。
 受付で手続きすると、栃木県内で使えるクーポン券を3泊分9000円ももらう。この他に全国旅行支援の対象となっているため宿泊費の40%が助成される。そのため実質的にほぼ無料なのである。

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部屋は広くて仕事もしやすい

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作業机からみた景色。手前に庭石がある

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ビデオ会議で案外重要な背景(作業机の反対側)。これならミーティングで背景ぼかしがなくても問題ないだろう。奥に棚があるので花瓶とか茶道具置いてもいいかも

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FNATICゲーミングキーボードをUSBケーブルでタブレットに繋ぐ。Bluetoothキーボードのような僅かなラグもない

 ワーケーションプランとはいえ、現在の私にそのような仕事の課題があるわけではなく、仕事をシミュレーションして今後に生かすのが目的。実際のところはたまりにたまった自宅の本を読んで、読書感想を記録していくというもの。だが写真の構成で十分ビデオ会議や資料のリモート閲覧は可能なはずだ。
 部屋写真の通り昔ながらのホテルの間取りを利用して、広縁に仕事場を置き、宿泊場所とは区切られている。

無線LANがなあ・・・

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楽天Kobo10周年 ~急速に発展した電子書籍と楽天Koboのこと [ガジェット]

 そういえば楽天Koboのサービスインから10年経つ

 私は通常タブレット端末か自室のPCで楽天はじめとした電子書籍を読んでいる。時々ではあるが、これを引っ張り出して読むこともある。

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70年近く前に発表されたSF小説を10年前に発売された端末で読む

 そう、サービス開始時に発売された「Kobo Touch」を使う。ちょうど10年前の今頃発売された。つまりもう10年選手だ。

 古い端末だが未だにアップデート対応機種で、時々ファームの更新がある。そこそこ時間はかかるが何とか動く。そりゃ動作はもっさりしているが、小説を読む分にはさほど困らない。最近のタブレットやスマホは随分と画面が見やすくなったけど、e-ink画面にはまだまだ及ばない。バッテリーもよく持つ。10年も経っているのに。

 この端末、当初楽天Koboが不評で在庫が余ってしまったらしく、楽天ユーザーに頼みもしないのに無料送付したなんてことがあった、ある意味いわくつきのものでもある。

 ここ10年私のスマホはhtc EVO WiMAX(HTC)→Xperia UL(Sony)→ZenFone2(ASUS)→「極」(Freetel。製造はOneplusか?)→Le Pro2(LeEco)→Mate9(Huawei)→Oneplus 7 pro(Oneplus)と変遷した。だいたい2年に一度くらいのペースで買い替えている。
 タブレットはiPad2(Apple)→Xperia Tablet Z(Sony)→iPadPro10.5(Apple)→XiaoxinPadpro2021(Lenovo)となった。

 電子書籍端末は初代のKobo TouchとAmazon Kindle(2013年頃に買った)。電子書籍を読むためだけならそんなに性能は必要ないのでこれでいい。

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いまさらminiDVテープをデータ化 ~Panasonic NV-GS400をWindows10に接続する [ガジェット]

 時間ができたので、昔のもろもろを整理したい。終活とかではなく、まだ機材が動くうちに、いろいろと出来ることをやってしまいたいのだ。
 こんなことを考えている人は多かろうが、おそらくこれらの人に共通する筆頭事例が、「ビデオテープをデジタル化したい」というものだろう。

 多分昔のHi8やVHS-Cのカムコーダなどは、深く考えずにコンポジット接続してだらーっとビデオ記録するしかやることがなかろうが、2000年代初めに出始めたminiDVならば、もっと賢いデジタル化ができるはずだ。
 いやDVテープは「デジタルデータ」なので、そもそもそれをデータ化すれば画質もきれいでスマートだ。
 そんなわけでチャレンジする。

まずIEEE1394ポートを何とかする

 昔のminiDVテープを使用する機材には、DVポートというのがついている。IEEE1394で規定されたポートで、appleではFireWireだった。
 すでに陳腐化してしまった規格で今のPCにはついていない。
 ただamazonなどで拡張ボードがいっぱい売られている。久々だな拡張ボード買うの。10年ぶりくらいかな。



 私が買ったamazonで一番安いPCI-Eのボード。VIAのチップが搭載されており、30cmだがケーブルも付属(ケーブルがまた売ってないんだ)。これはありがたい。
 昨年8月に作った自作機のPCI-Ex1ポートにセットしてWin10を起動。何の問題もなく動作している。ドライバも自動読み込み。ホントに楽になったよなあ。

*PanasonicのNV-GS400にはUSBが付いていて、専用のソフトとドライバがあればUSBでのデータ取り込みが可能で、現役時代にはそうしていた。でもこのソフトはWinXPまでしか対応しておらず、ネットでソフトをダウンロードもできない。いまさら倉庫をひっくり返してソフトを探すのも面倒(多分どっかにあるが、「どっかにある」は「ない」と同義だったりする)。

DVポートでPC接続するときは再生モードで

 久々に電源を入れたNV-GS400は、ちょっとテープカートリッジの動作にもたつきがあったが、何度か動かしているうちに安定してきた。
 NV-GS400はPC接続モードを持っているが、これはUSBで接続する場合なので事実上使用できない。ビデオ再生モードで接続する。

どのソフトでキャプチャするか-VegasProで取り込んだ

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2021年とこれまでのこと [現場のシステム]

 ずーっとBlogを更新しなかった。2014年ころから更新の頻度が落ち、ここ2年ほどはほとんど更新しなかった。一年以上も明けるなんてひところ前なら考えられなかった。

 文章がさっぱり書けなくなってしまったのだ。そんなわけで生存確認のような更新を、とりあえず、大つごもりに行う。せめて更新しない年がないようにしたいのもあって。

 最近ほったらかしていたTwitterのアカウントを活用し始めたのも、Blog更新に影響しているかもしれない。

 このTwitter、アメリカ合州国ではこれから無くなるITサービスの筆頭に挙げられることが多いが、日本では大流行である。やはり短文を気軽に投稿できる簡便さが受けているのだろう。
 しかし私にはあまり合わない。一投稿の文字数に制限があり文意を伝えにくい場合があること。特に議論の場合、タイムラインを追うことがやや面倒なこと。気軽に投稿できる反面、意図が不明な投稿や誹謗中傷が簡単にできやすい、などがある。これらの特性から、Twitterは言い切り方の「言論」、例えば「2ちゃんねる」の創設者はじめとする一部「ネット言論界」と親和性が高い。

 「ネット言論界」・・いやもっと言うと、歴史修正主義やヘイトスピーチ、つまりは「ネトウヨ」層や「アンチフェミ」層、「アンチヴィーガン」層といった、フェイクニュースを拡散させるクラスタとの相性がとても良い。だからドナルド・トランプのような輩が非常によく活用していた。思えばトランプ政権以降、Twitterの消滅危機論は遠くなってしまったようにも思う。
 
 まあいいか。Twitterの問題点についてはまたの機会にまとめるか。時間は十分にあるし。
 というのは・・・。

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