楽天Kobo10周年 ～急速に発展した電子書籍と楽天Koboのこと

　そういえば楽天Koboのサービスインから10年経つ

　私は通常タブレット端末か自室のPCで楽天はじめとした電子書籍を読んでいる。時々ではあるが、これを引っ張り出して読むこともある。


70年近く前に発表されたSF小説を10年前に発売された端末で読む

　そう、サービス開始時に発売された「Kobo Touch」を使う。ちょうど10年前の今頃発売された。つまりもう10年選手だ。

　古い端末だが未だにアップデート対応機種で、時々ファームの更新がある。そこそこ時間はかかるが何とか動く。そりゃ動作はもっさりしているが、小説を読む分にはさほど困らない。最近のタブレットやスマホは随分と画面が見やすくなったけど、e-ink画面にはまだまだ及ばない。バッテリーもよく持つ。10年も経っているのに。

　この端末、当初楽天Koboが不評で在庫が余ってしまったらしく、楽天ユーザーに頼みもしないのに無料送付したなんてことがあった、ある意味いわくつきのものでもある。

　ここ10年私のスマホはhtc EVO WiMAX（HTC）→Xperia UL（Sony）→ZenFone2（ASUS）→「極」（Freetel。製造はOneplusか？）→Le Pro2（LeEco）→Mate9（Huawei）→Oneplus 7 pro（Oneplus）と変遷した。だいたい２年に一度くらいのペースで買い替えている。
　タブレットはiPad2（Apple）→Xperia Tablet Z（Sony）→iPadPro10.5（Apple）→XiaoxinPadpro2021（Lenovo）となった。

　電子書籍端末は初代のKobo TouchとAmazon Kindle（2013年頃に買った）。電子書籍を読むためだけならそんなに性能は必要ないのでこれでいい。

2012年、楽天Koboがサービスを開始した

　2010年代当時は電子書籍というと事実上amazonのkindle一択だった。楽天がすでにカナダでサービス開始していたKoboを買収し「楽天Kobo」として売り出したのが2012年7月。サービス開始当初はアクセスが殺到してログインできない、端末「Kobo Touch」が使いにくい、カスタマサービスがつながらないなど悪評だらけだった。当時このBlogにもその辺をちょっと書いた。

Kobo Touch、言われているほど悪くないのに、楽天の三木谷社長がとっても残念な件

　その後は楽天経済圏の力を使い、電子書籍を半額などの大幅割引や、スーパーセールなどのポイント加算でユーザーを増やした。今ではめちゃくちゃな割引は鳴りを潜めたが、まとめ買いクーポンやポイント還元で紙の書籍よりはずいぶん安い。

　現状はどうかというと、インプレスの「電子書籍ビジネス調査報告書2022」によると、課金・購入したことのある電子書籍サービスの中で楽天Koboは18.5%で全体の３位。２位はマンガアプリのピッコマなので、電子書籍サービスとしてはKindleに続く２位と言っていいだろう。
＊でもピッコマってこんなに人気あるんですね。私も使ってるけど。

　注意したいのは、電子書籍は所有権を購入するのではない。閲覧する権利を得ているだけだ。電子書籍の譲渡も基本的にはできない。アカウントが何らかの理由で停止されると、そのアカウントに紐づいている電子書籍も見られなくなる。運営元が事業を停止してしまうと、電子書籍も読めなくなってしまう。epub形式データに変換しておくなどの回避手段はあるが。
　何より、書籍として物理的に所有することがなく、データのみなので実感がわかない。それは良いことでもあり悪いことでもある。

　私の所有する電子書籍はKoboだけでも700冊になった。主に使用するのはKindleやhontoなど６つくらいだが、合わせて1500冊くらいになる。これを物理的に所有するととんでもなく場所をとる。紙の蔵書はすでに何千もあるので、もう置き場がない。紙の本は少しずつ古本市場に流しているが、それでも置き場所がない。

　一方で私の両親も蔵書家で自宅には膨大な書籍があった。子どものころから親の読んでいる本を探し出し読むことがあった。それは私の知識形成に大きな影響を与えたと思う。電子書籍だとそれが難しい。

　とはいえ、これからも電子書籍での購入は多くなりそうだ。