SSブログ

SEALDsにケチつけた武藤君よ。ありがとう。武藤貴也君よ。君はすばらしい! [社会情勢]

 私より年下で、彼もともと北海道民ということもあり、親しみを込めて「武藤君」

 衆院滋賀四区に、武藤貴也という自民党の議員がいて、これが今、時の人だ。
 国会前で戦争法案反対運動を繰り広げているSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)に、「彼ら彼女らの主張は『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ」なんてTwitterで時代錯誤な「批判」をした彼。

 へえ「戦争に行きたくない」って「利己的」なんだ、憲法知らんのか、との感想を持っていたらこの御仁、そもそも日本国憲法の三原則「主権在民」「基本的人権の尊重」「戦争放棄」の3点が戦後日本をダメにしたとして目の敵にしていると。
 この三原則って近代国家の原則だよなあ、そりゃ戦争はあちこちで起こっているし、超大国のアメリカ合州国は対外戦争を世界で最も積極的に仕掛ける側だけれど、その点は置いておくとしてもね。
・・ところで政府が言うところの「平和安全法制」って「戦争に行く」法案じゃないはずだよね、というツッコミが多数舞い込んだこの発言。釧路江南高校に行って東京外語大から京大大学院・・思いっきり戦後教育の薫陶を受けているはずなのにこの人。確かに戦後民主教育が行き届かなかったところがあるみたいだね:-p

 そして今売りの週刊文春で暴露されているが、非上場企業の未公開株を「国会議員枠」なるもので買えますよ、って勧誘し、4000万円も集めたあげく、株を買わずに一部を着服したらしいという疑惑がでた。
 あっさり離党届を出し受理されたようだが、当然これは刑事事件に発展する問題なわけで、この程度で終わるはずもないことは明らかなこと。

弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版「自民党離党の武藤貴也衆院議員(滋賀4区選出)にかかる重大疑惑につての法的整理=武藤議員は記者会見をし誠実に国民に説明すべき!」

 記事から見ると武藤君、これ以上ないほど主体的に「詐欺」に関わっているんだけれど、これほど「利己的」な行動もないよなあ。

ちなみにその「未公開株」らしい銘柄のチャート(出典:楽天証券)
150822baka1.gif
*上場時から1/3以下に値下がりしてますが・・。しかし2期目の30代議員に「国会議員枠」の未公開株なんてあるわけなかろうに。あったらそれこそ大問題だし。

 さてその武藤君、実はすばらしい人物であることがわかった。

「一晩で「脱ダム」から「ダム推進」に変わる無節操 武藤議員の地元で落選運動」(横田一氏:週刊金曜日8月21日号)

 この記事、文春が報じた「詐欺」事件の前に書かれたもの。そこにはこの武藤君のおもしろすぎる逸話が載っている。その最後のセンテンスのみ引用する。

「子どもっぽい」核武装論者
 国会議員になる前の2007年秋から武藤氏は、脱ダムや卒原発で有名な嘉田由紀子・前滋賀県知事を支持する県議会会派のスタッフをしていた。・・嘉田氏はこう振り返る。
 「県議会でダム論議が盛んだった時には「知事、ぶれるな!」というほど脱ダム派だったのに、09年4月、「僕は自民党の候補者になります」と言って、一晩でダム反対からダム推進に変わりました。節度のなさにみんな呆れましたが、私が「それでいいの」と聞くと、「自民党と嘉田知事を調整する役をやります」と生意気なことを言っていました」
 遅刻の常習犯で、1時間遅れるのは普通だったという。「遅刻しても謝らない。子どもっぽいというか、社会人としての基礎ができていませんでした」(嘉田氏)。

*強調引用者

 最後の「謝らない」という点が、2015年の今になっても変わっていないのはご愛敬。
これほど「高潔」な人物が、日本国憲法、近代国家の主要概念を否定し、御高説を垂れまくっていることに、私としては喜びを禁じ得ない。

 ありがとう武藤君。2011年の震災直前に、沖縄に対して正直な暴言を吐きまくったケビンメア元日本部長の態度に匹適するよ君は。こんな正直で変わり身が早く、そして言行不一致なやつは珍しい。

THANK YOU MR. KEVIN MAHER!! ~ありがとうケビン・メア 私はあなたのことをいつまでも忘れない(2011年3月の私のエントリ)

極右思想と世間とのズレ

 自民党を離党しちゃったか、武藤君。残念だよ。君よりずっと年上のおじさんは残念きわまりない。もっと「自民党の」議員として居座り続け、君としては空気を読んだつもりなんだろうけれど、異常な自民党の極右思想に染まった発言を、これからも続けて欲しかった。世論からいかに乖離していたとしてもね。「乖離」意味わかる?空気を読んでいるつもりが、世の中の常識とずれまくっているって意味さ。
 君ほど面白い人物は、クズの集まり、安部チルドレンの中でも白眉の存在だよ。だからこそ活躍して欲しいんだ。これからも(安倍晋三の意向をくんで)憲法否定・近代国家否定の極右思想を開陳して、他方では(クズにふさわしく)他人からカネを騙し取る、そして問題視されても居直ったり開き直ったり、ごまかしたり、無視したりして欲しいんだ。あなたのボスの安倍晋三のようにね。
 キミの依って立つ思想が、組織が、キミの幼稚さによって本性が暴かれ、崩されていく。それは私にとって願ったり叶ったりなんだ。

 いやいや残念だ。自民党を辞めるんなら、議員も辞めるべきだろう。キミが議員になれたのは、自民党というブランドによるものだろうからね。ベテラン弁護士のBlogを参照してみよう。

「欠陥議員を製造した安倍自民党は責任をとれ」(澤藤統一郎の憲法日記:2015年8月20日)


若きSEALDsの皆さんへ

 さて、21日朝日新聞夕刊に、ある記事が載った。
「特攻の無念 若者の心に生きる 元予科練の投書デモ参加者ら読み継ぐ」(朝日新聞2015年8月21日夕刊)
(学生が戦争法案に反対のデモを始めたと知ったとき)うれしくて涙を流した。体の芯から燃える熱で、涙が湯になるようだった。・・オーイ、特攻で死んでいった先輩、後輩たち。「今こそ俺たちは生き返ったぞ」とむせび泣きしながら叫んだ。

投書氏はこう結ぶ。
「若かった我々が、生まれ変わってデモ隊となって立ち並んでいるように感じた。学生さんたちに心から感謝する。今のあなた方のようにこそ、我々は生きていたかったのだ。」


 私もこの投書を読んだ。記事にある学生のように「ボロ泣きした」というほどではないが、非常に感銘を受けた。

 私も学生時分は反戦運動にいくつも参加した。第一次湾岸戦争、1990-91年のことだ。デモ隊として参加する私の映像がNHKニュースで全国に放送された。記事にはならなかったと認識しているけれど、新聞などからインタビューも受けた。それ以降も何度もデモに参加した。当時は学生の運動なんて扱いは小さかった。一応渋谷駅の一帯を埋め尽くすほどの数はあったんだけれど。
 そして今、多忙を理由に戦争法案への活動が、私は十分にできているとは言いがたい。そこに大変な後ろめたさを感じてもいる。

 SEALDsの皆さん。あなた方に深く感謝する。あなたがたは戦争法案と、この異常な政治情勢の中で、きわめて優れた行動をされている。そしてそれは、あれこれの理由をつけて活動に参加しない私に対してさえも、勇気を与えてくれている。SEALDsの活動が、今までの日本の、そしてこれからの日本の、将来肯定的に評価されうる活動になることは、言をまたないと思う。若いうちはいろいろやりたいことも多いでしょう。けれどこのように抗議活動に参加されているあなた方の利他的行動に、私は非常に勇気づけられるのです。

 小選挙区制度下でこのような腐敗議員が乱造される状況で、我々は今後どのようにすればいいのか、をお互い模索しながら・・・。
nice!(23)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 23

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。