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医療情報技師の更新 ~2度目の更新とその存在価値 [医療情報技師というお仕事]

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医療情報技師認定証 認定証は更新前の様式と変化はない

 私は医療情報学会認定の医療情報技師で、2004年認定だからもう10年以上医療情報技師なのである。
 この医療情報技師は、2006年に5年更新制が開始され、私は2010年に1度目の更新を受けた。一度目の更新はこのBlogにも書いた。そして医療情報技師関係の情報を求める人からのたくさんのアクセスがあった。一時は「医療情報技師」で検索すると私のBlogが検索上位にあった。そんな状況から早5年。
 そう、2度目の更新の時期になっていた。

更新制度の内容に変化なし(念のため医療情報技師育成部会のサイトで確認してくださいね)

医療情報技師育成部会 - 日本医療情報学会


・医療情報技師の更新は取得年度の末月、つまり私のように2004年認定の場合は1回目が2009年度末、つまり2010年3月末。2回目の場合は2014年度末、つまり2015年3月末が締め日となる(申請の締め切り日はその数日後、今年の場合は4月2日であった)。

・認定更新には学会が認定したイベントに参加したり、医療機関のシステム担当などの職に就くなどしてポイントを加算する。
 例えば医療情報学会の大会に参加する(7ポイント/回)、医療情報学会の会員になる(2ポイント/年)、医療機関で情報システムの担当となる(3ポイント/年)等々である。

・なお、必須のものとして医療情報学会が行っている生涯研修セミナーの受講が必要である。講座はe-Learningもあり、インターネット上での受講も可能。e-Learningは更新ポイントが10ポイントと高いものもある。
 こうしてポイントを5年間で50ポイント集め、学会に各種の書類や写真などを送付し更新申請する。その後学会から更新費用を求められ、支払いが確認されれば晴れて更新となる。

・・・と、書いていて思う。前回の更新と全く同じ内容だよこれは。

 制度が安定したのか、更新内容は前回5年前と全く一緒。ちなみに申請用紙の様式も、一部役職名が変更となっている以外はまったく同じ。
 ついでに言うなら、当院のシステム更新サイクルと全く一緒なので、いつも忙しいさなかに慌てて更新というのも全く一緒(笑)。

 さすがに前回の経験もあるので、今回は3月半ばに準備を始め、申請書類も費用の支払いも3月末までには済ませておく。e-Learningも事前に受講済み-というか忙しすぎて事実上金だけ払った状態に近かったけれど・・。

 ポイントは・・50ポイント必要なんだけれど、計算すると今回も私は100ポイントくらいはたまっていた。大会に出て、現職に就き、そして年数回の関東医療情報技師会などに参加する、すると難なくポイントはたまるのである。
 技師会は各地にあるわけではないから地方の人には不利なんだけれど、それでもまあ医療機関勤めの人ならあまり困らないレベルか。

 こうした制度って、コロコロと内容が変えられると非常に困るので、こうして安定してくれるのは助かる。年度末って何かと忙しいし。

医療情報技師と医療情報システムの今後
 この5年、そして10年、医療情報を取り巻く環境と、医療情報技師の役割に何か大きな変化はあっただろうか。2014年、千葉での学会大会であった医療情報技師交流会でも、相変わらず技師の認知度がとても低いことが話題になっていた。けれど診療放射線技師に言わせれば、医療関係の資格なんてそんなもの、10年そこらで認知度は上がらないものらしい。
 病院にお勤めでない方が、医療関係の資格は何をご存じ?と聞いたところで、医師と看護師、そしてせいぜい薬剤師といったところだろうと思う。私も昔はそうだったから。
 ましてや診療報酬上の要件になっているでも、優遇があるわけでもなく、5年前とその辺は全く変わらない。
 そんな状況だから更新へのインセンティブも下がろう。私の知り合いにも、何名かは更新しなかった人もいる。2004年度取得者の数は、もうずいぶんと減ったのだろうとも思う。

 しかしさて現実を省みると、担当者を置かずに情報システムがぐちゃぐちゃになってトラブルになるのは中小病院にままあることなので、むしろそんなところにこそ、技師の配置を促して診療報酬上も優遇すべきだと考えている、と5年前に書いたことにも変化はない。
 実際に職場近くにあるとある病院では、バックアップシステムをきちんと構築していなかったがために、事故で診療情報(電子カルテ等)がほとんど吹っ飛んだところもあるんですよねえ・・。

 思うところが何も変わらないというのは、反面何も進んでいないと言うことでもあり、皮膚感覚から見ても、医療情報技師の認知度は5年前と比べてもそんなに変化はない。

ますます重要になる現場で働く医療関係の情報システム関係者

 一方で医療情報を取り巻く現実は、クラウドを活用した医療データの分散化-特に東日本大震災後に加速した-やシステム運用の簡素化、地域医療連携に向けての各種の情報連携、医療だけではなく介護も含めた連携、そして連携範囲が広がるに伴い、連携させる情報の選別なども課題になってきた。そして各地で医療連携に関する取り組みが進みつつある。
 そんな状況でますます医療情報に携わる人々の役割や仕事が、今後も増えていく。私がそのような仕事をしているということを差し引いても、来るべき将来、そうなることは間違いのないことで、今後も医療情報技師の役割は、ますます上がっていくことだろう。

 いわゆるマイナンバー法がキナ臭くなりつつある状況の中で、社会学的な視点も持ちつつ、取り組んでいければ、と思う。

費用を組織が負担するケースが増えた・・ような

 ああ、ここ5年で変わったことが一つあった。

 5年前の記事、医療情報技師の維持更新には金がかかる旨を書いた。これは変わっていないのだけれど、私の場合、費用の多くを病院が負担するようになった(5年前の更新費用も病院負担だったけれど)。
 5年前、あの頃は病院や会社(医療情報技師はむしろ医療関係のシステム会社に、その多くが在籍している)が費用を出さないので苦しい、という意見が多かった。それが、「学会の参加費用は病院持ちです」という人が増えてきたように思う。私もそうだ。
 仕事に係わる資格の維持は、当然組織が負担するべきだが、そのようになっていないところは残念ながら多い。
 情報システムに携わっている皆さんの努力が、こうした組織の変化を促してきたとすれば、それはとても嬉しいことかな。
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cheese999

仕事で使う文房具も自分持ちですが。。。小さいですね。(^_0)ノ
資格試験代は自分持ちですね。まあ資格取得しても、会社は何もしてくれませんが。
by cheese999 (2015-06-28 22:18) 

Mosel

私のところも以前はそうでした。なにか資格手当もあるわけではありませんが、なら学会出張費や更新費用くらい出せよ、というなにげな要求はしました。で、実費は会社に負担させる現状が生まれました。
以前は有給休暇取得で参加して、旅費すら自分持ちでしたから。

でも、文具代は多くは私の自腹ですね。WatermanとかParkerのリフィルはなかなか請求もできません。
by Mosel (2015-06-28 23:04) 

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