人間晩節を汚すものではない~曾野綾子「アパルトヘイト」コラムと個人的な体験 [社会情勢]
2007年。60歳になった団塊の世代が多数退職するという状況を、私は自身の所属する会社で体験することとなった。その後も定年で退職する人をたくさん見ることとなった。その他たくさんの組織での経験も聞いた。
いろいろな人がいて、立場も様々。そう、いろいろ。さまざま。
その最後の日まで、真剣に仕事と向き合い、後身に技術を伝えた人もあれば、ただ何をしているのかすらよくわからない、その職責の大きさから見れば、極めて堕落した働きしかしていない人もいた。
退職を惜しまれ、皆から暖かく送別される人もいれば、こいつはいったい何だったんだ、と石もて追われるごとく組織を去る人もいた。
いや去るだけならともかく、いい加減なプロジェクトを炎上状態で放置してやめた人もいた。そんな人は特に印象に残る。そして思うのである。
人間晩節を汚すものではない、と。
極右「文化人」の曾野綾子が、またまた産経新聞で書き殴ったことが、さすがに物議を醸している。
曽野綾子氏の産経コラムに抗議相次ぐ 人種別居住区に言及で(Gohoo:2015年2月18日)
内容については多くの方が批判しているし、私はあえて触れない。このような暴言は、先進各国では論評に値せず、ただ不適切であるとして糾弾の対象となるだけだから。それは・・、
・ナチスのホロコーストはなかった
・日本軍による「従軍慰安婦」はただの売春婦だった
・クメールルージュによるカンボジア大虐殺はねつ造だ
等々の「言論」が、すでに被害者への冒涜にあたる、一種の暴力であるとみなされるのと同義であるから。
さて曾野の「反論」とやらがふるっている。ここは彼女が朝日新聞から見解を求められた際の意見を取り上げてみよう。
曽野綾子氏「アパルトヘイト称揚してない」
タイトルにもある「アパルトヘイト称揚してない」は、彼女の無知からくる意見なので論評に値しない。私が「こりゃいかん」と思ったのはここである。
「アドヴァイザー」という表現を使ったのはロイターのようである。で、彼女には安倍晋三の「アドヴァイザー」であるという認識がない。そこで上記朝日の記事にはこうある。
「13年1月に安倍政権の教育再生実行会議委員」
「教育再生実行会議」って安倍首相の諮問機関であろう。諮問機関とは首相に議論を通じて提言をする機関ではないか。そしてそれこそが英語で言うところの「Advice」ではないのか。参加者は当然に「アドヴァイザー」だよね。
こりゃいかん。曾野綾子は自分が何やってるのか知らないんだ。
いや、それとも違う。首相から「アドヴァイザー」になってくれって言われていないから、ロイターの記事にかみつく。「アドヴァイザー」じゃなくて「委員」だぞって。
自分のことを書いた記事に、枝葉末節にこだわって反論したフリをする。
これって思考が「ネトウヨ」のそれと同じだよ。古くから右翼言論の中にいて、思考が昨今のネトウヨと同じ。こちらの方がもっと重大なような気がしないでもない。
・・・・・
曾野綾子は84歳。その人生も生物学的に終盤にさしかかった世代と言えよう。それがこんな発言をして恥じることがない。人間万事、晩節を汚すものではなかろう。おばあちゃん、いい年なんだから、もう少し考えてから言葉を発しようよ。あなたのまわりのネトウヨ連中が喜ぶようなものを、「売文」するのはもうやめたら?
・・・と書いてきてふと空しくなった。この人のこの手の発言って、何十年も前からの通常運転だったよなあ。
一生懸命現役時代頑張って、最後の最後に晩節を汚すってのとは違うよなあ。
なんか話がずれちゃった。この人は「晩節」だけが汚れているんじゃないんだな。まあ、そんな人もいてもいい。それが社会の多様性ってことで。
ただ、このような言論に名を借りた暴力には、きちんと指摘することが重要でしょうか、ね。
いろいろな人がいて、立場も様々。そう、いろいろ。さまざま。
その最後の日まで、真剣に仕事と向き合い、後身に技術を伝えた人もあれば、ただ何をしているのかすらよくわからない、その職責の大きさから見れば、極めて堕落した働きしかしていない人もいた。
退職を惜しまれ、皆から暖かく送別される人もいれば、こいつはいったい何だったんだ、と石もて追われるごとく組織を去る人もいた。
いや去るだけならともかく、いい加減なプロジェクトを炎上状態で放置してやめた人もいた。そんな人は特に印象に残る。そして思うのである。
人間晩節を汚すものではない、と。
極右「文化人」の曾野綾子が、またまた産経新聞で書き殴ったことが、さすがに物議を醸している。
曽野綾子氏の産経コラムに抗議相次ぐ 人種別居住区に言及で(Gohoo:2015年2月18日)
内容については多くの方が批判しているし、私はあえて触れない。このような暴言は、先進各国では論評に値せず、ただ不適切であるとして糾弾の対象となるだけだから。それは・・、
・ナチスのホロコーストはなかった
・日本軍による「従軍慰安婦」はただの売春婦だった
・クメールルージュによるカンボジア大虐殺はねつ造だ
等々の「言論」が、すでに被害者への冒涜にあたる、一種の暴力であるとみなされるのと同義であるから。
さて曾野の「反論」とやらがふるっている。ここは彼女が朝日新聞から見解を求められた際の意見を取り上げてみよう。
曽野綾子氏「アパルトヘイト称揚してない」
私はブログやツイッターなどと関係のない世界で生きて来て、今回、まちがった情報に基づいて興奮している人々を知りました。
私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう。
私は、アパルトヘイトを称揚したことなどありませんが、「チャイナ・タウン」や「リトル・東京」の存在はいいものでしょう。(朝日2015年2月17日:あえて全文引用)
タイトルにもある「アパルトヘイト称揚してない」は、彼女の無知からくる意見なので論評に値しない。私が「こりゃいかん」と思ったのはここである。
私が安倍総理のアドヴァイザーであったことなど一度もありません。そのような記事を配信した新聞は、日本のであろうと、外国のであろうと、その根拠を示す責任があります。もし示せない時には記事の訂正をされるのがマスコミの良心というものでしょう。
「アドヴァイザー」という表現を使ったのはロイターのようである。で、彼女には安倍晋三の「アドヴァイザー」であるという認識がない。そこで上記朝日の記事にはこうある。
「13年1月に安倍政権の教育再生実行会議委員」
「教育再生実行会議」って安倍首相の諮問機関であろう。諮問機関とは首相に議論を通じて提言をする機関ではないか。そしてそれこそが英語で言うところの「Advice」ではないのか。参加者は当然に「アドヴァイザー」だよね。
こりゃいかん。曾野綾子は自分が何やってるのか知らないんだ。
いや、それとも違う。首相から「アドヴァイザー」になってくれって言われていないから、ロイターの記事にかみつく。「アドヴァイザー」じゃなくて「委員」だぞって。
自分のことを書いた記事に、枝葉末節にこだわって反論したフリをする。
これって思考が「ネトウヨ」のそれと同じだよ。古くから右翼言論の中にいて、思考が昨今のネトウヨと同じ。こちらの方がもっと重大なような気がしないでもない。
・・・・・
曾野綾子は84歳。その人生も生物学的に終盤にさしかかった世代と言えよう。それがこんな発言をして恥じることがない。人間万事、晩節を汚すものではなかろう。おばあちゃん、いい年なんだから、もう少し考えてから言葉を発しようよ。あなたのまわりのネトウヨ連中が喜ぶようなものを、「売文」するのはもうやめたら?
・・・と書いてきてふと空しくなった。この人のこの手の発言って、何十年も前からの通常運転だったよなあ。
一生懸命現役時代頑張って、最後の最後に晩節を汚すってのとは違うよなあ。
なんか話がずれちゃった。この人は「晩節」だけが汚れているんじゃないんだな。まあ、そんな人もいてもいい。それが社会の多様性ってことで。
ただ、このような言論に名を借りた暴力には、きちんと指摘することが重要でしょうか、ね。
まあ、おばあちゃんの戯言と相手にしないことでしょうか。。(^_0)ノ
ただ、シンゾーくんの発言は責任ある立場の人間の発言として批判、糾弾しないと。。。
by cheese999 (2015-02-22 06:09)
おばあちゃんの戯言ではありますが、一応首相の「アドヴァイザー」ですからね。
安倍晋三、首相のくせに行政側からヤジを飛ばすなんて前代未聞です。世が世なら「バカヤロー解散」レベルの問題ですよ。内容も幼稚極まりないし。
by Mosel (2015-02-22 08:17)
曾野綾子氏のコラムを謙虚に読むと何の問題もなかった。アパルトヘイトという単語は何故出てくるのか? 南アフリカでの事例は単なる事例で,国家の政策のような強制制のある居住の区分けを述べただけのこと。一緒に暮らしたくないグループは世界中にいくらでもいる。傲慢な人間,自分勝手な人間,とてつもなく臭い人間。
移民を大幅に実施するときは,将来を展望した措置が必要なことはヨーロッパの例をみて学ぶべきだ。イギリス,フランスなどはイスラム過激派の提供国になっている。ドイツも単なる労働力を欲したが禍根を持ってしまった。
それと「ネトウヨ」というような意味不明の言葉はやめてほしい。話し手がナメクジのように気持ち悪いみえる。
by Komon (2015-02-23 22:12)
うーん、そうですね。私も「謙虚」に読みましたよ。曾野綾子、相変わらずだなって、思いました。
私も同意します。「一緒に暮らしたくないグループは世界中にいくらでもいる。傲慢な人間,自分勝手な人間,とてつもなく臭い人間」。うん、そう。傲慢、自分勝手、ヘイトをヘイトと気付かず他人を傷つける、他人のBlogに初対面なのに敬語も使えない非常識、「日本」とやらを殊更に持ち上げるくせ日本語がなってない、そもそも他人の意見に耳を貸さない・・・。そんな人が隣にいると実に嫌な気分になるんじゃないですか。
ただね、それをエスニシティ(民族)とかナショナリティ(国籍)に結びつけて排除しようとするから、おかしいねってことになるんでしょ?そんな常識あなたにはありませんか?そうした差別構造を打破するために、合州国の公民権運動とか、それこそアパルトヘイト反対運動とか何十年もかけていろいろな方がたたかってきたんですよ。反対派の多大な犠牲の上にね。だからこそ曾野の妄言に、南ア大使からすら抗議があったんでしょうに。そこを見ようよ。謙虚に。
移民政策についても考えようよ。労働者を日本国と比べてそれなりに遇している欧州各国で、このような問題が起こる。日本の外国人実習制度って知ってます?こんな状況の日本国が、大規模に移民を受け入れたら、それこそルサンチマンの大量生産になってしまわない?そしてその一部がISへの流入を呼ぶと。移民を責める前に、まずは自国民の労働環境の整備でしょう。安倍政権が進めているホワイトカラーエグゼンプションなんて論外だと思いませんか?
最後、実は私「ネトウヨ」って造語をはじめに考え出したグループの人物と思うのね。「ネット右翼」。こりゃ「右翼」と違うよなあ、単なるルサンチマンだよなあ、だったらカタカナ語で「ネトウヨ」にしてしまえって思って、2006年頃、私はネットで暴れるこの手の輩を「ネトウヨ」って言ってた。そしたら同時多発的に、この手の連中を「ネトウヨ」っていうのが増えた。もちろん私の影響ではないよ。
「ネトウヨ」が意味不明?不快?私まさにそれを意図してこの造語を作った。ナイスリアクション!
曾野の妄言に、ネトウヨがかみついている事例をあちこちに見るけど、キミもその一人かな?
by Mosel (2015-02-24 07:07)
この人は、自分が亡くなっても派手な葬式もしないでほしい
という考え方の人なので、立場は違ってもその点は賛成できましたが
やっぱりダメですね、根本的に考え方が違います。
by いっぷく (2015-02-25 02:25)
いっぷくさん。コメントありがとうございます。
今や曾野に限らず、「派手な葬式はしないで」という人はかなりの数になるのではないか、と感じます。私も同様です。
私思うに、曾野には考え方の違いというより、何というか強がって妄言を吐いているような、そこはかとない幼児性のようなものを感じます。その不快感は、あえて言えば石原慎太郎に共通します。
そこが彼女を一個の思想人として尊重できない理由でしょうか。
by Mosel (2015-02-25 07:05)
コメントのやり取りを読みました。
「ネトウヨ」って造語 へ~!そんな前から有ったんですね。
曽野綾子の発言を読んで「何言ってるの!」と腹立たしく思いました。
基本的に私はMoseさんに賛同しますけど。
by ponnta1351 (2015-02-25 10:30)
ponntaさん、いつもコメントありがとうございます。
自分のBlogを検索したら、ネトウヨという言葉、2006年9月に初めて使っていました。今では週刊誌でも使われるようにはなりましたね。もっとも、下世話な連中を呼称する下品な言葉で、あまり私も使いたくないのですが。
曾野のコラムとその後の彼女の反応はひどいものですが、残念ながらこの人いつもこんな調子なんでしょうね。朝日新聞で精神科医の斉藤環が、曾野のコラムが、国内では問題視されなかったのは、曾野の「キャラ」、どうせこの人はそんなものと見なされていたからだ、とする指摘がありました。なるほどと思いました。
前のコメントに「曾野の妄言に、ネトウヨがかみついている事例」と書きましたが、正しくは「曾野の妄言批判に、ネトウヨがかみついている事例」なのですが、この辺も嘆かわしいものです。
けれど近代的な感覚から見れば「何言ってるの!」でしょうね。私も同じです。
by Mosel (2015-02-26 07:07)