SSブログ

皆さん忘れてませんか・・フクシマ原発事故は全然収束していないどころか、まだまだ相当にひどい状況 [社会情勢]

 公式にはこの原発事故、2011年12月に「収束」したことになっている。
 その舌の根も乾かぬ2012年9月から、複数回にわたって膨大な量の放射能をまき散らしている福島第一原発。東京電力や「原子力ムラ」がひた隠しにしてきた事実が、ようやく報道された。

福島第一原発のがれき粉じん、7回宮城へ 東大など調査(朝日新聞2014年7月31日)

 東京電力福島第一原発のがれき撤去作業で飛散した放射性の粉じんが2011年12月以降に計7回、約60キロ先の宮城県丸森町まで飛んだ可能性が高いことが東大などの調査で分かった。調査チームは「昨年8月の大規模ながれき撤去以外でも広範囲に飛散したことが分かった。費用をかけてでも防止に万全の策をとるべきだ」と指摘している。

140803fukushima1.jpg

 東大大気海洋研究所の中島映至(てるゆき)教授らが住民の被曝(ひばく)対策を研究するため、第一原発から北北西59キロの宮城県丸森町役場に大気中の粉じんを集める装置を設け、11年12月から昨年12月にかけて4、5日に一度回収してきた大気中の放射性セシウム濃度を調べた。このうち①濃度が普段の10倍超②風向や風速から計算すると第一原発から届く――時期が8回あった。

 一番濃度が高いのは昨年8月16~20日で、前後の時期の50~100倍。8月19日に行った大規模ながれき撤去で粉じんが飛散し、20キロ以上離れた水田や48キロ先の住宅地まで飛んだ可能性を農林水産省や京大が指摘した時期と重なる。他の7回は12年9月7~11日、14~18日、11月16~20日、昨年5月28~31日、6月28日~7月2日、2~5日、8月6~9日。いずれも普段の10倍程度だった。調査チームは今年5月に農水省に研究結果を報告していた。

 東電によると、8回中7回の時期に3号機でがれき撤去を実施。残る1回の時期にはセシウム吸着装置のベント配管から水が漏れるトラブルがあった。だが東電は「昨年8月のような大規模な飛散はなかったと思う」としている。

 東電は今月(7月:引用者注)中に1号機を覆うカバーを解体して大規模ながれき撤去に入る予定だったが、「飛散対策の強化を検討している」として当面延期した。ある作業員は「コンテナで覆うなどの抜本対策は検討されていない。ほとぼりが冷めたら作業を再開するのではないか」と話す。(青木美希)


・・・あのね。皆さん忘れてませんか。

 史上最悪規模の原子力災害「フクシマ原発事故」以前はね、原子力施設から放射能もれなんてことになったら、大騒ぎだったんですよ。「昨年(2013年)8月のような大規模な」飛散じゃなくて、ちょっとの飛散でも大問題なんですよ。
 何か東京電力は、感覚がマヒしてないか?自分らが異常な行動をとっていることへの自覚がないのか?と、思わずあきれてしまう。

 そして記事の末尾、作業員の一言が実態をよく表している。「ほとぼりが冷めたら作業を再開するのではないか」。
 そう。「ほとぼりが冷めたら」というのは、この間、東京電力や「原子力ムラ」の面々が、一貫して福島原発事故や原子力政策に対してとり続けている態度だ。

 そしてそんななかで、福島県初めとする被災者支援・賠償は全く不十分なままである。

 こんな状況下で安倍政権と来たら、せっせと海外に原発を売り込むわ、原子力規制委員会に、「原子力ムラ」住人で原発企業からカネを受け取って平然としている田中知という人物を委員長に送り込むわ、薩摩川内原発を再稼働しようとするわとやりたい放題。

・・・・・

 ほんの2年前、反原発集会に17万人もが集まり反原発、原発再稼働阻止の世論が盛り上がった。

 あれからたったの2年。

 みんな福島原発事故のことを忘れていないか。

 事故が起こればしばらく首を引っ込めて、反対論が「収束」し始めた頃に、またぞろ原発推進を、何もなかったがごとく繰り返す原子力ムラ。
 こんな人たちを、のさばらせてはならない。

nice!(10)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 10

コメント 6

いっぷく

仰るとおりですね
3月11日だけしめやかな気持ちになれば
それで満足という感じですからね
by いっぷく (2014-08-04 03:41) 

Mosel

いっぷくさん、コメントありがとうございます。

8月だけ、過去の戦争のことを考えてしめやかになる。そして一方では戦争参加への道を着々と進めている、現政権と世論にも少々似ていると感じます。
by Mosel (2014-08-04 07:10) 

ponnta1351

連日TVや新聞で酷いニュースばかりですが忘れていませんよ。

今日も仮設住宅の補修費780億円って出ています。
大体、耐用2年のその場しのぎの仮設をつくり、2年で全て解決すると思っていたんでしょうかしらね。

このクソ暑さ、冬の寒さで過ごす被災者は大変でしょう。
口先だけのバカ政治家達も1ヶ月でも住んでみれば。苦労知らずの石原なんか女房とヨット遊びだったとか。

電気が無くなれば何もかも停滞するので皆が困る、政府はそれを見込んでいくら反対しても再稼働するでしょ。

いったん事故が起きたら経済もヘタクレも、元も子もなくなるはずですが。
by ponnta1351 (2014-08-04 14:20) 

Mosel

まったく仮設住宅の問題は私も考えさせられます。しかも地元の業者でなく、東京の業者がつくったところは、現地の厳冬期を無視した設計で、多くの問題が発生しているという情報を得たことがあります。
地元業者を使ったところは、おおむね満足いく結果が出たというのに。

何のための復興なんでしょうか。復興バブルなんて言われる状況もあるなか、儲ける人々は、詐欺的行動で私欲を肥やしている状況もあるようです。コールセンター業務で復興予算を食いつぶし、今や夜逃げ寸前のDIOしかり、元自民党防衛省で暴言事件で辞任した久間章生が代表を務めるNPOの事件とか。

事故や東電の対応もひどいですが、それに群がる連中の腐敗ぶりも相当なものです。

原発利権そのものの腐敗が、このような惨状を呼び込んでいるとも思えます。
by Mosel (2014-08-04 23:53) 

お名前(必須)

この国では放射能の話題は禁句ワードみたいになってる。けっこうな人達が心の中では不安に思ってるのにリアルな人間関係では言えない。

口に出すと変人扱いされるかもしれないから。この国はおかしい。

放射能のこと何も気にかけて無い人は元来バカなのか放射能で脳がダメージを受けて物事を深刻に受け止められない刹那的に生きる脳になっているんだろう。

日本の報道は憎いほど嘘ばかり。
たくさんの日本人が野垂れ死して働き手が不足しても『景気が回復して求人が増えた!』などと大ボラをふく始末。

東京では2013年度は過去最高の救急搬送数だったとNHKで放送されたらしいし、葬儀場が10日待ちとかいう報道もあったらしいけれど、

子供に汚染キノコ食わせたり汚染魚を調理して食う映像などをつくり、『食べても大丈夫』みたいな胡散臭いキャンペーンをやらされてた。

それもこれも全て安倍の世論操作の策略。

東の汚染食材は誰も買うな!企業も、業者も外食産業も、給食センターも!

国は馬鹿馬鹿しい隠蔽工作に必死に金使うくらいなら、農業や漁業者を西に避難させてそこで仕事をしていけるようにするために金を使えってんだ!
by お名前(必須) (2014-08-06 16:13) 

Mosel

今月号のDAYS JAPANで、福島県の子を持つ母親へのインタビュー特集がありました。「放射能の話題は禁句ワード」と言えるような状況が、多くの人が切々と語られています。

私は個人的には、現状で食品に対する放射能は、一部を除いて、健康に影響を及ぼすレベルではないのでは、と考えてはいますが。

先般話題になった「美味しんぼ」での鼻血描写での騒ぎを見ていると、放射能の影響を心配する人へ「バッシング」するような風潮は、非常に問題があると考えています。

一方で、放射能の健康への影響というのは、統計学上では容易に隠されてしまう。そのために被害を訴えても、放射能の影響によるものだ、という結論が出にくいというのも、この間の原爆訴訟などを見ていても明らかです。そして国がどのような主張をして、被害者に背を向けるのかも、原爆訴訟を見ればよくわかります。

放射能の健康被害はない、といっている学者連中は、「原子力ムラ」住民ばかりであることもポイントです。タバコの健康被害と似ています。タバコは今でこそ健康への影響が言われるようになりましたが、ほんの15年前にはそうでもありませんでした。タバコは安全と言っている学者は、タバコ業界に近い人たちでした。
そんな構図が、原子力のそれに似ています。
by Mosel (2014-08-09 06:27) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。