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過労死防止対策推進法が成立しました ようやく そして、これから。 さらに垣間見えた自民党の政策姿勢と「気持ち悪さ」 [労働運動~働く人たち]

 ネット空間では、若干旧聞に属する話題だけれど・・。

過労死防止法が成立 超党派議連など報告集会 高橋議員あいさつ(しんぶん赤旗:6月21日)

 過労死の防止を国の責務と明記した「過労死防止対策推進法」20日の参院本会議で全会一致で可決、成立しました。過労死という文言を初めて明記し、国の責任で調査研究、過労死防止対策の国会への報告など定めています。
 同法の制定を求めてきた過労死防止基本法制定実行委員会と超党派議員連盟が国会内で報告集会を開き、過労死で夫や子どもを亡くした遺族が遺影を持ち寄り出席しました。
 同実行委員会の森岡孝二委員長は「過労死防止を国の目標を認めて大きな一歩を踏み出した意義は大きい。実効性のある法律にするためにいっそう努力していく」と話しました。
 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表世話人は「過労死を繰り返さない、大切な家族を亡くした教訓を忘れないでほしいとの思いで運動してきた。過労死のない社会へ新たなスタートを切りたい」と決意を述べました。
 息子を亡くした兵庫県の遺族は「この法律があと10年早くできていたら、息子は死ななくてよかったかもしれない健康的に働ける日本にするために亡き息子と見守っていく」と語りました。
 各党の代表とともにあいさつした日本共産党の高橋ちづ子衆院議員は「法律は過労死のない社会をつくる今後の取り組みにつながるもの」と述べました。



【声明】過労死防止法の歴史的な成立に当たってストップ過労死 実行委員会
 本日、参議院本会議において「過労死等防止対策推進法」(以下「過労死防止法」または単に「法」という)が可決、成立し、6か月以内に施行されることとなった。

(中略)

3 法制定の意義

 この法律の最大の意義は、初めて過労死の防止を国および自治体の責務として定めるとともに、過労死防止のための対策として調査研究、啓発、相談体制の整備、民間団体の活動支援などを盛り込んだ点にある。これによって、これまで不十分であった過労死の総合的な調査研究が国の責任で行われることになった。また、国や地方公共団体による広報・教育活動や、11月の「過労死等防止啓発月間」を通して、過労死の防止を国民的課題としていく新たなステップが踏み出された。
 そして、法は、政府が過労死等の防止対策に関する大綱を作成すること、その大綱の作成にあたっては、過労死遺族らも加わった「過労死等防止対策推進協議会」の意見を聴くこと、政府は毎年過労死白書を国会に提出し、過労死等の概要と政府の過労死防止対策の実施状況を公表すること、調査研究の結果を踏まえて、必要が認められれば、法制上・財政上の措置を講ずること、および法施行後3年を目途に見直しを行うことを明記している。
 私たちは、過労死防止に向けた歴史的な一歩といえるこの法律の成立を深い感慨をもって受け止めるとともに、この法律が実効性を発揮していくよう、厚労省・関係諸団体とも連携して、いっそう努力していく所存である。


 法律の意義については上記「ストップ過労死実行委員会」の声明に簡潔である。
 集団的自衛権-という名の対外侵略政策-の閣議決定など、ろくでもないニュースが政治界隈では続いているが、本当に喜ばしいことだ。あとはこの法律を、どのように実効的なものとするかが問われるだろう。
 労働関係の法律は、労基法を含め、順守されることがなかなかできていないものだから。

 さて、以前私は川田過労死事件に関わっていたこともあって、昨年3月に衆院会館で行われた「「過労死防止基本法」の制定を実現する集い」に参加したことを書いた。
「過労死防止基本法」の制定を実現する集いで川田さんが発言されました(当Blog2013年3月10日)

 その時のことを書いたエントリで、「あともっと気になる点があったのだが、ここでは控えます」としてあえて書かなかったことがある。その、自民党議員の発言についての評価を、ここにあらためて掲載したい。1年以上も前に書いて、法案成立の日まであえて封印していたものだ。

自民党は政策を内容ではなく誰が言い出したか、で決めるらしい

 自民党の谷公一という議員があいさつをした。その中で非常に気になるというか、この組織の本質というか、それが見えた発言があった。
 彼は大要こう言った。「この運動は政党色を出さないで欲しい。政党が出てくると政治の世界では難しくなるから」と。
*録音していたわけではないので一言一句をあげつらわれても困るが、趣旨はこの通り。
 彼の発言するところはよく分かるし、私もそれは確かにそんな側面はあるな、と思う。とはいえよく考えてみると、これは政治家のオフィシャルな場での発言としては、結構な問題がある。

 じゃあこう聞いてみよう。

 自民党は、政策を決めるのに、それが正しいか正しくないかよりも、どこの組織が言い出したかに重きを置く、ということか。
 政治というものは、どんな組織や政党が言い出そうとも、正しい政策には賛同し、間違った政策には批判する、そしてお互いが議論して、よりよい政策を練り上げていく。
 それが本来の政治家のあるべき姿ではないのか。

 結局こんな姿勢が、あの震災の時でさえも、政治を「政局」化して何も進めないようにしてしまった、それが為に被災地復興が遅れてしまう。反対のための反対をして政治を停滞させてしまう。
 そんな政治状況が生まれていたのは、このメンタリティが原因だったのか、と、ふと思った。そしてそこに、政治の貧困を見た。

 昔、白内障の治療に眼内レンズを埋め込むという治療法が確立した頃-今では普通に医療保険で受けられる治療なのだけれど-その保険適用を求めて運動が各地で起こったことがあった。90年代初頭のことだ。当初は主に共産党らが運動を進めていた。けれど各地方議会などで陳情をしようにも、何故か保守系が反対して、廃案か継続審議になってしまう。
 で、同じような内容の陳情やら意見書を、公明党が出してくる。そしてそれは全会一致で採択される。共産党も別に反対はしない。自分達が今までやってきたことと同じような内容だからだ。
 そしてそれが実行されると、「○○という政策は公明党が実現しました」とやる。公明党が与党入りした頃、そんな手法があちこちで見られたのだけれど、同様のケースが多かったように思う。

 これもまた同じメンタリティのなせる業なのだろう。

・・・・・

 あの時、実はもう成立間近だったこの法律。安倍内閣が秘密保護法という名の国民統制法を成立させることに躍起になっていた関係で、成立に時間がかかってしまった。
 この法律は確かにいいものだ。一方で政権が様々な悪法を推進している実態、そして彼らがどのような姿勢で国政にあたっているか、そしてそれが、国政を預かるものとしてふさわしいものなのかも、あわせて考えてみたい。



最後に なぜ1年以上も前の発言を?

 さて、上記の谷議員発言への評価を、なぜ1年以上も封印していたのかというと、単に安倍政権が気持ち悪い、ということに尽きる。というのは連中はやたらとネット空間を意識していて、下手なことを書こうものなら、こんな場末のBlogまでチェックしにくる可能性もなきにしもあらずだったからだ。
 私自身の活動で、私自身が制御できる内容なら、自由に書き連ねることに躊躇はないが、こと運動をしている相手がいる話なので、運動への妨げになる可能性を極力排除しておきたいという思いがあった。

 これは杞憂だろうか。うん、ほとんど杞憂だと思うんだ。アクセス数1000PV/日程度の、関係者とも言い切れない人のBlogをチェックするなんてね。

 ただね、女性誌「VERY」の憲法特集で、秘密保護法に否定的な内容の記事を掲載したとき、発売前にコメンテイターのTwitterをチェックして、内閣広報室が雑誌編集部に取材要請をした、という事件があった。

内閣広報室が発売前に取材要請 秘密法特集企画の女性誌に(47NEWS)

関係者のBlog
「VERY」憲法座談会記事への権力介入の件(明日の自由を守る若手弁護士の会)

 マスコミみんなが接待攻勢で政権批判を手控えるなか、政府は一方でこんなことをして恥じることがない。

 そういった気持ち悪さが、今の政権にはある。
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コメント 6

cheese999

時候政権なんてくそくらえ。。。(失礼!)
過労死無くなって欲しいですが、無くならないだろうな。。。
時候政権、Whiteからー???
あ~、いやになりました(^_0)ノ
by cheese999 (2014-06-28 23:06) 

Mosel

過労死防止法を成立させながら、一方でホワイトカラーエグゼンプションですから。どっちなんだよと言いたいですね。
ホワイト~も大多数は除外と言っているけれど、実際成立したら、これをたてに残業代不払いが常態化するでしょう。今だってそうなんですから。

こんな状況で過労死をなくすため、関係者が苦労して法律にしたんです。この法律から実行ある政策を導き出したいですね。
それよりまず、クソくらえの自公政権を倒すことからでしょうね。
by Mosel (2014-06-29 08:35) 

ponnta1351

クソ食らえの自公、全くその通りクソ食らえです。
政教分離の筈が何で宗教団体が政治に張り込むんでしょう?
あれだけ公明党とは腐っても組まないと言うのがかっての自民党でしたよね。
今や公明党頼みでしょ。

まあ、皇室にも外務省にも芸能界にも創価学会員が入り込んでいるのでなにをかいわんやですけどね。
選挙の度に学会員が1軒1軒お願いしますって廻っきてますが、違反にはならないんでしょうね。

過労死の件とはお門違いと思いますが、日頃不審に思っています。
by ponnta1351 (2014-06-29 16:19) 

Mosel

自民党が公明党と連立してもう15年です。自民党が大勝しても連立を解消しないのは、90年代半ばにお互いがちょっと対立した際の、苦労を見ているからでしょうね。
創価学会の「敵」に対するヒステリックぶりは尋常じゃないですから。

以前市議会議員選があったとき、私のところにも戸別訪問がありましたよ。インターホン越しに、それは選挙違反なのでは、というとすぐに帰りました。そのまま選管に公明党が違法行為をしている、と言ったら、「すぐに注意します」との返答。けれどその人はそのまま当選してしまいました。

こういうのを「やり逃げ」とか「やり得」とか言うんでしょうか。公明党の政治姿勢が、自民党をますます腐敗させたと、常々感じています。
by Mosel (2014-07-01 07:03) 

cheese999

困ったもんですね(^_0)ノ
by cheese999 (2014-08-03 22:23) 

Mosel

来年また統一地方選挙があります。
また創価学会=公明党が騒がしくなりそうです。
by Mosel (2014-08-04 07:11) 

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