アルザスの貴腐ワイン・・と七面鳥 ~ 今年のクリスマス [食べ物]
今年のクリスマス近傍で食したもの。
アルザス最高の貴腐ワイン
Domaine Zind-Humbrecht Pinot Gris 2000 Selection de Grains Nobles
長い名前なので解説すると、フランス、アルザス地方のトゥルクハイム村にあるワイナリー、ツィント-ウンブレヒトによって、2000年に収穫されたピノ・グリというぶどうを使って作られた、アルザス最高レベルの貴腐ワイン。「Selection de Grains Nobles」という呼称は、アルザスで作られる最高に糖度の高い貴腐ワインに与えられる称号で、「SGN」と略される。
作り手のツィント-ウンブレヒトは、ツィント家とウンブレヒト家によって半世紀ほど前に設立されたワイナリー。アルザスでも最高の作り手として知られている。
このワイン、4年くらい前に買って私のセラーで寝かせていたものを、とあるホームパーティーで供してみた。秋に立川のフランス料理店で食事会をした際、アルザスのワインが意外に好評だったので、味覚に鋭い人が多く参加することもあり、ではアルザスでも最高レベルのものを持って行ってみようと、イタズラ半分にセレクトする。
ついでに賞味期限間近のウォッシュチーズ、ポン・レヴェックが安かったので買って持って行った。
このワイン、「ロゼワイン?」と聞かれたほどに、ややカラメル色を帯びた金色のワイン。とはいえ今年で13年の熟成。この手のワインではまだ若い。このまま熟成が進むと、50年くらいで真っ茶色になる。100年ほどすれば黒っぽい色になるはずだ。
皆さんの期待の中、しばらく落ち着かせてから飲んでみる。
驚愕の味わい!!
貴腐ワインに共通する、ナッツ類、ハチミツ、そしてスペアミントを思わせるスパイシーな香りと味わい。甘さの中にほんのりとハーブの苦みが入り、それが味覚を引き締める。きわめて絶品。
実は貴腐ワインをいくつか飲んだことはあるが、アルザスのそれは初めて。ソーテルヌのワインもシャトー・ディケム(1991年産を2001年初頭に飲んだ)を含めいくつか飲んだが、それをはるかに凌駕する味わいに、しばらく耽溺する。
ただ、いつもは家族とだったり(誰も酒を飲めない)、一人だったり(上記イケムは独身時代)なので、ホームパーティーという暖かい環境が、味を後押ししたのかもしれない。
実はハーフボトルということもあって、購入価格はそれほど高くはない。ただ、アルザスのSGNは数が少なく、なかなか手に入らない。
次手に入れるのはいつになることやら。
案外空いていた入間のコストコと三井アウトレット
思い立って翌23日、入間のコストコに行ってみる。家族はみんな行きたがらないので私一人。倉庫みたいな店舗は、子どもにはあまり魅力がないようだ。
昼頃出かけたのだが、意外に道は空いていて、すんなりと駐車場に入れた。入り口には「満車」の表示があるが、実はこのコストコ、3階や4階の屋根のない駐車スペースには、だいたい空きがあるものなのだ。
もっとも店の中はメチャクチャな混雑。この時期は行き慣れていない人も多くて、あちこちで「カート渋滞」が発生する。
直径28cmなんていう超巨大ケーキが3千円で売られている。こんなの一度では食べきれないし、冷蔵庫に入らないよ。
クリスマスにはチキンではなくてターキーなんだそうですよ
私の家、毎年クリスマスには七面鳥を焼いているが、コストコで6kgもある巨大なターキーが、なんと2千円そこそこで売られている。
えいやっと、意を決して買ってみる。絶対食べきれないだろうなあ・・。
ものすごくでかくて重いです。シンクと大きさを比較してみて
帰り道から常温で保存、というか放置。明日焼くのにカッチカチに凍っているので、こうしておかないと火が通らない。翌日はやむなく仕事を午前で上がり、いろいろ準備して丸焼きにかかる。まだ解凍し切れていなくて、胴体には氷がみっしりと詰まっていた。こりゃ大変だ。
中の氷をひっかきだして、表面を塩コショウでまぶし、オリーブオイルを塗る(ターキーは油分が少ないから)。胴体の中にはタマネギやパプリカ、サラミ、そしてインディカ米を入れてみた。美味しくなるかしら。
・・このインディカ米が失敗の元だった。
とにかくでかくて、自宅のコンベクションオーブンでも、辛うじてターンテーブルに入りきる大きさ。一般家庭でこれを焼ける家がどのくらいあるのだろう。そして焼く時間。一般的に1kg1時間かける必要があるらしい。てことは6時間・・。説明書(英語)ではそんなに時間をかける必要はなさそうだったので、説明通り温度計を使って、もも肉の内側の温度を測定しつつ焼き上げる。
180度で3時間、まだもも肉内部は60度。4時間半経過すると80度くらいまで上がっている。
焼き上がり。写っていない側の足を切り分けた後ですが
6kgもあると、オーブンから取り出すのも一苦労。タオルで手を覆って、肉を無理やり引っ張り出す。グレービーがオーブン内にこぼれる。仕方ない。
グレービーの量は相当なもので、スープカップ2杯分くらい取れた。これがまた美味しいと言ったら!!
インディカ米は炊きあがるかと思ったら、内部温度は80度そこそこなんですね。炊きあがるわけなく、カリカリと香ばしい食感。このままでは邪魔になるだけなので、胴体内に積めた米や具材をかき出し、フライパンに入れてグレービーで水分が飛ぶまで煮込んでみる。ピラフのような感じになってこれはこれでうまくいった。
ターキーはまずもも肉から切り分ける。相当な迫力で子どもたちには意外に好評。ただ当日は、もも肉片足だけしか食べられなかった。肉は切り分けて容器に移しラップして冷蔵庫へ。これが相当な重労働。
翌日カレーやサラダなどに使う。まだまだたくさん残っている。さて、どうしようか。
・・・・・
貴腐ワインを意識して集めていた時期があった。熟成に時間がかかるからだ。ソーテルヌ、モーゼル、オーストリアのものがまだ7本くらいあったはず。こうした場に持って行くには、わかりやすい美味しさで、けれどそこそこのレベルに収まらず、今回のように時としてトップエンドの味わいをも見せてくれる。
熟成した赤ワインみたいに、時々失敗する、なんてこともない。
今度コレクションを開けるのは、いつになるかなあ。
ターキーにばかり目がいって、クリスマスケーキ買うの忘れちゃった・・。
まあ、いいか。この時期のケーキって、高いものね。
アルザス最高の貴腐ワイン
Domaine Zind-Humbrecht Pinot Gris 2000 Selection de Grains Nobles
長い名前なので解説すると、フランス、アルザス地方のトゥルクハイム村にあるワイナリー、ツィント-ウンブレヒトによって、2000年に収穫されたピノ・グリというぶどうを使って作られた、アルザス最高レベルの貴腐ワイン。「Selection de Grains Nobles」という呼称は、アルザスで作られる最高に糖度の高い貴腐ワインに与えられる称号で、「SGN」と略される。
作り手のツィント-ウンブレヒトは、ツィント家とウンブレヒト家によって半世紀ほど前に設立されたワイナリー。アルザスでも最高の作り手として知られている。
このワイン、4年くらい前に買って私のセラーで寝かせていたものを、とあるホームパーティーで供してみた。秋に立川のフランス料理店で食事会をした際、アルザスのワインが意外に好評だったので、味覚に鋭い人が多く参加することもあり、ではアルザスでも最高レベルのものを持って行ってみようと、イタズラ半分にセレクトする。
ついでに賞味期限間近のウォッシュチーズ、ポン・レヴェックが安かったので買って持って行った。
このワイン、「ロゼワイン?」と聞かれたほどに、ややカラメル色を帯びた金色のワイン。とはいえ今年で13年の熟成。この手のワインではまだ若い。このまま熟成が進むと、50年くらいで真っ茶色になる。100年ほどすれば黒っぽい色になるはずだ。
皆さんの期待の中、しばらく落ち着かせてから飲んでみる。
驚愕の味わい!!
貴腐ワインに共通する、ナッツ類、ハチミツ、そしてスペアミントを思わせるスパイシーな香りと味わい。甘さの中にほんのりとハーブの苦みが入り、それが味覚を引き締める。きわめて絶品。
実は貴腐ワインをいくつか飲んだことはあるが、アルザスのそれは初めて。ソーテルヌのワインもシャトー・ディケム(1991年産を2001年初頭に飲んだ)を含めいくつか飲んだが、それをはるかに凌駕する味わいに、しばらく耽溺する。
ただ、いつもは家族とだったり(誰も酒を飲めない)、一人だったり(上記イケムは独身時代)なので、ホームパーティーという暖かい環境が、味を後押ししたのかもしれない。
実はハーフボトルということもあって、購入価格はそれほど高くはない。ただ、アルザスのSGNは数が少なく、なかなか手に入らない。
次手に入れるのはいつになることやら。
案外空いていた入間のコストコと三井アウトレット
思い立って翌23日、入間のコストコに行ってみる。家族はみんな行きたがらないので私一人。倉庫みたいな店舗は、子どもにはあまり魅力がないようだ。
昼頃出かけたのだが、意外に道は空いていて、すんなりと駐車場に入れた。入り口には「満車」の表示があるが、実はこのコストコ、3階や4階の屋根のない駐車スペースには、だいたい空きがあるものなのだ。
もっとも店の中はメチャクチャな混雑。この時期は行き慣れていない人も多くて、あちこちで「カート渋滞」が発生する。
直径28cmなんていう超巨大ケーキが3千円で売られている。こんなの一度では食べきれないし、冷蔵庫に入らないよ。
クリスマスにはチキンではなくてターキーなんだそうですよ
私の家、毎年クリスマスには七面鳥を焼いているが、コストコで6kgもある巨大なターキーが、なんと2千円そこそこで売られている。
えいやっと、意を決して買ってみる。絶対食べきれないだろうなあ・・。
ものすごくでかくて重いです。シンクと大きさを比較してみて
帰り道から常温で保存、というか放置。明日焼くのにカッチカチに凍っているので、こうしておかないと火が通らない。翌日はやむなく仕事を午前で上がり、いろいろ準備して丸焼きにかかる。まだ解凍し切れていなくて、胴体には氷がみっしりと詰まっていた。こりゃ大変だ。
中の氷をひっかきだして、表面を塩コショウでまぶし、オリーブオイルを塗る(ターキーは油分が少ないから)。胴体の中にはタマネギやパプリカ、サラミ、そしてインディカ米を入れてみた。美味しくなるかしら。
・・このインディカ米が失敗の元だった。
とにかくでかくて、自宅のコンベクションオーブンでも、辛うじてターンテーブルに入りきる大きさ。一般家庭でこれを焼ける家がどのくらいあるのだろう。そして焼く時間。一般的に1kg1時間かける必要があるらしい。てことは6時間・・。説明書(英語)ではそんなに時間をかける必要はなさそうだったので、説明通り温度計を使って、もも肉の内側の温度を測定しつつ焼き上げる。
180度で3時間、まだもも肉内部は60度。4時間半経過すると80度くらいまで上がっている。
焼き上がり。写っていない側の足を切り分けた後ですが
6kgもあると、オーブンから取り出すのも一苦労。タオルで手を覆って、肉を無理やり引っ張り出す。グレービーがオーブン内にこぼれる。仕方ない。
グレービーの量は相当なもので、スープカップ2杯分くらい取れた。これがまた美味しいと言ったら!!
インディカ米は炊きあがるかと思ったら、内部温度は80度そこそこなんですね。炊きあがるわけなく、カリカリと香ばしい食感。このままでは邪魔になるだけなので、胴体内に積めた米や具材をかき出し、フライパンに入れてグレービーで水分が飛ぶまで煮込んでみる。ピラフのような感じになってこれはこれでうまくいった。
ターキーはまずもも肉から切り分ける。相当な迫力で子どもたちには意外に好評。ただ当日は、もも肉片足だけしか食べられなかった。肉は切り分けて容器に移しラップして冷蔵庫へ。これが相当な重労働。
翌日カレーやサラダなどに使う。まだまだたくさん残っている。さて、どうしようか。
・・・・・
貴腐ワインを意識して集めていた時期があった。熟成に時間がかかるからだ。ソーテルヌ、モーゼル、オーストリアのものがまだ7本くらいあったはず。こうした場に持って行くには、わかりやすい美味しさで、けれどそこそこのレベルに収まらず、今回のように時としてトップエンドの味わいをも見せてくれる。
熟成した赤ワインみたいに、時々失敗する、なんてこともない。
今度コレクションを開けるのは、いつになるかなあ。
ターキーにばかり目がいって、クリスマスケーキ買うの忘れちゃった・・。
まあ、いいか。この時期のケーキって、高いものね。
今年は貴重な情報を有難うございました。
またお邪魔に上がることと思いますが、来年も宜しくお願い致します。
良いお年になりますように。
by ponnta1351 (2013-12-29 15:48)
ponntaさん、今年もありがとうございました。
お互いゆっくりと、更新していきましょうね。
良いお年をお迎えください。
by Mosel (2013-12-30 17:46)