ITproEXPO Autumn-必要とされるシステム部門とそのスタッフ [現場のシステム]
ITproEXPO Autumnが東京ビッグサイトであったので行ってみた。
10月15日とちょっと前のことだけども。
日経BP社とその他企業が行うイベントで、要するに企業の展示会。ブース内はコンピュータ系企業がたくさんのグッズを配っていて、コンパニオンもたくさんいて、本当にイベント然としていた。
目的は、病院サーバー/クライアントの更新をするのに、既存のシステム構成でなく、仮想化を使ったサーバー集中型システムの可能性を探ってみたかったので、その辺を中心に見てみる。Sunのシステムがすごく魅力的だった。
さて、もうひとつの目的が、「必要とされるIT人材」。アサヒビール、カシオ、大成建設のシステム部門長によるシンポジウム。いろいろと興味ある話だった。
興味があるのは私だけではないようで、事前申込制ながら開演前に数百人が並び、案内係が驚いていた。私は最前列、ちょうどシンポジストの目と鼻の先に陣取ってメモをとっていた。となりでカメラマンがカシャカシャ写真を撮っている。 話しをまとめると、彼らが望み進めているシステム部門とは、要はこんな感じではなかったかと思う。
・企業におけるシステム部門は各業務部門と調整し合い、システム要件定義が出来るような部門であること
・システム部員はシステムを組み導入するだけでなく、システムの利活用まで責任を持つこと
・各部門にIT技術を提案し、ビジネスチャンスを広げられるような技術力をもつこと
・情報システムは業務の核。各部門のエリートとも言える、業務改革を進めるような優秀な人材を集めること
・必然的にシステム部門は、システムの上流工程(設計・分析とか要件定義など)に注力する。要するに下流工程(コーディングなど)はアウトソースということ。
・そんなシステム部門は戦略的部門となるため、トップ直属の組織構造をもたせること
戦略部門としてのシステム部門という視点がもたれるようになったのは、高速ネットワークが普及して、情報システムの運用が爆発的に広がった90年代後半以降。そしてシステム部門に求められるものが飛躍的に拡大し高まった。業務部門の要求を聞いて、個別のアプリケーションの作成・導入だけやっていればよかった部門から、業務分析、要件定義、その中での業務改革をすすめ、そのための勉強を惜しまない人材・・。
うーん・・。言わんとすることはよく分かるのだが、ちょっと求めるレベルが高いよなあ。「システム部門の責任者」だから、社内での地位を高めるべくこうした高い定義をする気持ちは分かるのだが。
実際、シンポジストも話していたけれど、「戦略部門」になる前から働いている人と、それ以降入ってきた人とでは、意識のギャップが大きくて苦労したとか、社長直属なのに活動内容の報告が出来ない、よく聞いていると、言葉の節々に「このようにすすめようとしている」などの過渡期的表現が出てくる。各部門とのコミュニケーションをすすめて理解を得られるよう努力されている。単純ではないのはどこも同じかねえ。
いずれにしても、部門トップが熱意を持って各業務部門との交流や折衝を行い、自部門を強化する、優秀な人材を業務部門から引き抜くけれど、各部門の業務改革をすすめて、現場に成長させて戻すから価値を認識してもらえるとか、とかく「成果主義」とやらの困難はあるけれども、スタッフの育成やビジョンについて、深く考え実行している様子はうかがえた。
そしてそのモチベーションを維持・発展させるための評価制度の必要性、各部門の業務改革をすすめる組織であるがゆえの、経営トップのコミット。
・・・・・
振り返ってかつて所属したシステム部門の惨状をみると、まあ、80年代レベルの意識でもあれば、まだましなんだろうと思う。ヒラメ君に日和見君の集まり。そしてその中で苦労している人が一人。トップや部門長の意識が変わらなければ、組織の発展は難しいってことかねえ。けれどトップダウンが機能しない組織において、ボトムアップの可能性を否定する組織構造なら、組織は官僚主義的に腐敗するだけだよなあ。
私はそんな中で、たった一人、そことは大幅に距離を置きつつ仕事をしている。あちこちに種を蒔きながら。で、時々こういう所に出向いていって、自身の方向性が間違っていないことを、再確認しに行っている。
実際はもう「再確認」の必要はないけれども、私自身のレベルを引き下げないようにとの思いも持ちながら。
10月15日とちょっと前のことだけども。
日経BP社とその他企業が行うイベントで、要するに企業の展示会。ブース内はコンピュータ系企業がたくさんのグッズを配っていて、コンパニオンもたくさんいて、本当にイベント然としていた。
目的は、病院サーバー/クライアントの更新をするのに、既存のシステム構成でなく、仮想化を使ったサーバー集中型システムの可能性を探ってみたかったので、その辺を中心に見てみる。Sunのシステムがすごく魅力的だった。
さて、もうひとつの目的が、「必要とされるIT人材」。アサヒビール、カシオ、大成建設のシステム部門長によるシンポジウム。いろいろと興味ある話だった。
興味があるのは私だけではないようで、事前申込制ながら開演前に数百人が並び、案内係が驚いていた。私は最前列、ちょうどシンポジストの目と鼻の先に陣取ってメモをとっていた。となりでカメラマンがカシャカシャ写真を撮っている。 話しをまとめると、彼らが望み進めているシステム部門とは、要はこんな感じではなかったかと思う。
・企業におけるシステム部門は各業務部門と調整し合い、システム要件定義が出来るような部門であること
・システム部員はシステムを組み導入するだけでなく、システムの利活用まで責任を持つこと
・各部門にIT技術を提案し、ビジネスチャンスを広げられるような技術力をもつこと
・情報システムは業務の核。各部門のエリートとも言える、業務改革を進めるような優秀な人材を集めること
・必然的にシステム部門は、システムの上流工程(設計・分析とか要件定義など)に注力する。要するに下流工程(コーディングなど)はアウトソースということ。
・そんなシステム部門は戦略的部門となるため、トップ直属の組織構造をもたせること
戦略部門としてのシステム部門という視点がもたれるようになったのは、高速ネットワークが普及して、情報システムの運用が爆発的に広がった90年代後半以降。そしてシステム部門に求められるものが飛躍的に拡大し高まった。業務部門の要求を聞いて、個別のアプリケーションの作成・導入だけやっていればよかった部門から、業務分析、要件定義、その中での業務改革をすすめ、そのための勉強を惜しまない人材・・。
うーん・・。言わんとすることはよく分かるのだが、ちょっと求めるレベルが高いよなあ。「システム部門の責任者」だから、社内での地位を高めるべくこうした高い定義をする気持ちは分かるのだが。
実際、シンポジストも話していたけれど、「戦略部門」になる前から働いている人と、それ以降入ってきた人とでは、意識のギャップが大きくて苦労したとか、社長直属なのに活動内容の報告が出来ない、よく聞いていると、言葉の節々に「このようにすすめようとしている」などの過渡期的表現が出てくる。各部門とのコミュニケーションをすすめて理解を得られるよう努力されている。単純ではないのはどこも同じかねえ。
いずれにしても、部門トップが熱意を持って各業務部門との交流や折衝を行い、自部門を強化する、優秀な人材を業務部門から引き抜くけれど、各部門の業務改革をすすめて、現場に成長させて戻すから価値を認識してもらえるとか、とかく「成果主義」とやらの困難はあるけれども、スタッフの育成やビジョンについて、深く考え実行している様子はうかがえた。
そしてそのモチベーションを維持・発展させるための評価制度の必要性、各部門の業務改革をすすめる組織であるがゆえの、経営トップのコミット。
・・・・・
振り返ってかつて所属したシステム部門の惨状をみると、まあ、80年代レベルの意識でもあれば、まだましなんだろうと思う。ヒラメ君に日和見君の集まり。そしてその中で苦労している人が一人。トップや部門長の意識が変わらなければ、組織の発展は難しいってことかねえ。けれどトップダウンが機能しない組織において、ボトムアップの可能性を否定する組織構造なら、組織は官僚主義的に腐敗するだけだよなあ。
私はそんな中で、たった一人、そことは大幅に距離を置きつつ仕事をしている。あちこちに種を蒔きながら。で、時々こういう所に出向いていって、自身の方向性が間違っていないことを、再確認しに行っている。
実際はもう「再確認」の必要はないけれども、私自身のレベルを引き下げないようにとの思いも持ちながら。
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