SSブログ

昔の勲章 [よかったこと]

 今日は日本の敗戦記念日。めでたい日だ。むやみに戦争を仕掛け、暴虐の限りを尽くした連中が自滅した日など、実にめでたいではないか。

 80年代初頭、切手収集がはやった。おそらく最後の切手ブームになっただろう。切手というのは骨董趣味みたいなもので、子どもが趣味にするにはちょっと高尚すぎると思うのだが、私もご多分に漏れず切手を集めていた。まだ小学生だったのだが、大阪や東京の業者に通販で切手を注文していたものだ。
 買ってばかりでは限界があったので、帰省した折りに田舎の物置などをあさってみる。これが結構いろいろなものが出てくる。特に父方の祖父母は古新聞を集めるのが趣味で、それこそ戦前戦後の新聞が、もれなく全日コレクションされていた。当然当時の書簡が保存されていたことは言うまでもない。
 切手を探しきった後は、天袋とか屋根裏とか探すわけ。そうすると切手に限らず古いものがたくさん出てくる。あちこちから探し出してくるので、オジイやオバアも懐かしいやらうれしいやら。収集癖があったのはオジイで、孫がいろいろ探し出すのをみて喜んでいたのは確かだった。
古びた書籍に混じって、小さな箱が出てきた。開けてみるとブローチのような、そう、勲章だ。ぴかぴかした紫の勲章で、これは珍しいものだと思って、オジイに見せた。
 ぽつりと「こんなもんしか返ってこんかった。」と言った。しばらく勲章を見ていた。それは南方戦線で死んだ大叔父のものだったらしい。変な杯みたいなものもあった。
 オジイもオバアも10年も前に死んだ。今その家はだれも住んでいない。年に数度、遺族が掃除に来るだけだ。新聞は多くを市立図書館に寄付した。
 私も勉強した。歴史について、戦争について。そして今オジイが言った気持ちが少し分かるような気がする。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。